【中国ドラマ】DAY&NIGHT 昼と夜(白夜追凶) の感想 絡み合うそれぞれの思惑にくらくらする

中国の刑事ドラマを見るのは初めてです。警察=公安なので、その表記が目新しくて興味深い。原題は「白夜追凶」で副題が「DAY&NIGHT」。邦題は「昼と夜」なのか「DAY&NIGHT」なのかよくわからないけどどっちでもかっこいいので良いです。NETFLIXは見たことがない中国系のドラマがたくさんあってどれを見ようが迷ったんですが、渋そうな匂いがしたこのドラマをなんとなく選んだら大当たり!めちゃめちゃ痺れた・・・ヤバイって感じ。すごく面白かったので静かに興奮しながら見ていました。

 

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主人公は元刑事の兄ホンファン(宏峰)と一家惨殺事件の容疑者の弟ホンユ(宏宇)という双子の兄弟。弟が指名手配犯となったことで、警察を辞職したホンファンだが、刑事時代の犯人逮捕の手腕を買われて、顧問として刑事の仕事を手伝うことになる。だが、ホンファンは暗闇恐怖症であり、夜は暗いところに行くことが出来ない。なので、昼はホンファン、夜は弟のホンユが兄のふりをしてその仕事をすることになるのだが・・・というストーリー。

入れ替わりって・・・とその設定大丈夫なの?と思って見始めたのですけど、同じところに顔の傷を作ったり、体重が同じになるように運動したり、と二人がまわりにばれないように管理しているところなどのディテールがしっかり描かれていて思わず引き込まれるのですよ。体重計に順番にのってダメだ運動しろとかいうやり取り、そういうのがとても細やかです。

弟は家の中では、指紋が残らないように手袋で、だいたいタンクトップ。視聴者は最初のうちはそういう違いで二人を見分けているんだけど、性格などがだんだん分かって来て同じ服を着ていても双子の見分けがつくようになってくるんです。

演じているのは潘粤明(パン・ユエミン) 一人二役だけでなく、弟が兄のふりをしているのを入れると三役くらい演じてる感じでしょうか?素晴らしい演技で目が釘付けです。私はどちらかというと影がある兄に惹かれてしまう。そんなくらい完全に別の人にちゃんと見える兄弟の演技。そして兄弟の複雑な心の結びつきの描写がたまらない。微妙な心情が見える。
そうそうたまたま萍踪侠影を見たらパン・ユエミンが主役で出ているのを見つけました。このドラマでの役とは全く違って新鮮!

兄が弟の無実を信じているのかどうか、という部分さえ分からなかった始まりから、ラストの事実はよく考えたらそれが出来たのは彼だけなのだけど、そうだったんだ・・・と衝撃を受けます。でも無実を晴らすためにはその方法しかなかったんだろうな、と腑に落ちるところもあって本当に先も展開も全く読めないけどしっかり筋が通っていてディテールも凝っている脚本が素晴らしい。

とはいえラストで本当の黒幕は分からない感じなので、これは続編があるのだろうか。あるとしたら絶対に見たいんですー っていうか待ってます、早く作って欲しい。

ホンファンに顧問として警察で働いてくれと言うジョウ。演じているのは王瀧正(ワン・ ロンジェン)。確かにホンファンの実績を買ってのことでもあるけれど、実はホンファンは必ず弟と接触するはずと思っていてそのためにわざとそばに置こうとしている。彼が一家惨殺事件の犯人逮捕に躍起になるのにも理由があるのだった。

色んな人の思惑が交錯してどこに進んでいくのか全く見えないのです。ジョウと兄弟のやり取りはいつもどこか緊張感がある。

新米刑事の舒桐(シウトン)、演じる樑緣(リャン・ユエン)のフレッシュな雰囲気も良かった。ホンファンを師と仰いでいるのだけど、ジョウに彼の行動を監視して報告しろと命じられる。ついて回っているうちに昼と夜のホンファンのギャップに戸惑いながらも惹かれていく。彼女が心惹かれてしまったのは兄?弟? 兄の方かな、多分。

 

その他にも疑わしく見える人だらけで、それぞれが心の中に思惑を抱きあっている様は本当に迷宮の中にいるみたい。双子でさえお互いにそうだもの。でも少しずつ解きほぐされていく謎に夢中で続きを見てしまいます。これが「はまる」ということなんだな、と思いながら見ていました。派手さは無いけれど、本当に面白いドラマでした。この空気感の渋さがたまりません!

 

 

DAY&NIGHTが見れるのは・・・
⇒Netflix

【韓国ドラマ】アルゴン の感想 自分の過ちを認めることが出来るのは強さなのだ

このドラマはアルゴンという報道チームが主役です。このアルゴンというタイトルは希ガスのひとつの「アルゴン」からきていると思うんだけど、このガスは他の物質と反応しない不活性な性質があるそうなのです。その性質を自分たちの報道姿勢になぞらえてつけたであろう報道番組のタイトルがそのままドラマのタイトルになっているという訳ですね。このチームの権力に影響を受けて報道の形を変えたりしないという矜持が込められているのだと思われます。

 

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報道というものは常に権力者に利用されるリスクと隣合わせの存在だと思う。例えばクーデターが起こるときは放送局を一番に掌握するものだし。そしてだからこそ使命感を持って公正な良心を持ったジャーナリストが必要とされる場所でもある。そんなジャーナリストの姿を描いたのがこのドラマ。社会派ドラマといえるかな。

熱血ではあるけれどそういうジャーナリストの姿一辺倒ではなくて、メンバーのそれぞれの立場や気持ちもしっかり描写して非常に見ごたえのあるストーリーとなっています。自分の考えが正しいという強い信念をもって真実を追求することは大事なのだけれど、ジャーナリストも人間であり、間違うことがあるのだということ。そういう部分まで真摯に正面から描いてあるのがいい。

報道番組にせよ、リアリティ番組にせよ、テレビ番組というものは誰かがその人の視点で見えるものを切り取っただけのものであり、その対象のすべてを映せる訳ではないのですよね。どんなに公平であろうと努力をしても自分の立場や先入観なしに物事を見ることはできない。ジャーナリストもしかりということです。だからテレビはそういうことを頭の片隅に置いて見るべきものなのだと思う。

キャストもとても良かったのも、この作品を上質なドラマにしている気がする。

アルゴンの中心的存在、キム・ベクジンを演じるのはキム・ジュヒョク。この役が素晴らしくて思わず他にどんなドラマに出演してるのかな~?って調べたら、このドラマの撮影後に交通事故にあってお亡くなりになってしまったそう。まだお若いのにそんなこともあるんだな・・・ アルゴンの続編があればいいのにと思うくらいこのドラマでのアンカー役がとても似合っていたのだけれど、それは叶わないのだろうか。

でも、こうしてなくなった後でもドラマを見て、私のような視聴者に感動を与え続けることが出来る。そう考えると演技がフィルムに残るということは、生の一瞬が永遠になることなのかもしれない。

そして、イ・ヨンファ役のチョン・ウヒもとても良かったんですよね。臨時雇用の短期社員で難しい立場なのだけれど、もくもくと出来ることをやるキャラクター設定がとても良かったな。声高に自分の意見ばかり主張するタイプはちょっと見飽きた感があるので、彼女のような熱意を胸に秘めた地味なタイプがヒロインなのが新鮮で良かったのかもしれません。

チョン・ウヒの演技もすっかり気に入って抜群な女も見たけどこれはドラマ自体があんまりなので何とも言えない感じだったけど、映画のサニーは出番は少ないけどそこでもかなり印象的な役を演じてましたね。

最近、私が見るドラマでやたらと見るパク・ウォンサンも良かったです。主役の良き理解者でありサポートする役柄が似合う役者さんですよね。ここでもそう。

そしてチームの次のリーダー格の記者オム・ミンホ役のシム・ジホ。彼も冷静そうに見せてニュースに情熱を持っている感じが良かったな。

チ・ユノや、パク・ナムギュなどのアルゴンチームのメンバーも良かった。お父さんが政治家のチョ・ヒョンチョルもポイントになる役で良かったです。構成作家陣のパク・ヒボンやNine Musesのミナ、8話と短めのドラマだけど、それぞれのキャラクターがしっかり描かれていたのがこのドラマを面白くしていた気がします。

そして報道局長ユ・ミョンホ役のイ・スンジュンも権力にへつらう側の人間としてアルゴンチームの対極として描かれるのだけど、報道局長としては迫力が足りない感じがむしろ良かったな。いい人役の方が多い気もするけど、こずるい感じがうまく嫌らしく出ていました。

 

見ごたえのある、というのがピッタリのドラマ。全8話なんだけど、もっと長いドラマを見たような充実感がありました。社会の問題を描いたドラマが好きな人にオススメ!

 

このドラマが見れるのは・・・
⇒Netflix

【韓国ドラマ】ミッション ボディーガード(マン・ツー・マン 〜君だけのボディーガード〜) の感想 パク・ヘジンの手がきれいだったよー 内容も面白かったです!

パク・ヘジンが出演しているマンツーマンというドラマを見たいけどどこになるのかな~と思っていたら邦題は「ミッション・ボディーガード」になってNETFLIXで配信されているのを見つけました。そうねえ、日本語のマンツーマンというと「マンツーマンで勉強を教える」とかそんな意味合いが強いイメージだから、全く違う邦題にしちゃったんだろうけど、こういう風に原題と全く関連がない邦題になってしまうと同じドラマだとなかなか気づかない・・・どうもミッションつけとけばカッコイイと思っているのでは?(ほらミッションアンダーカバーもそんな感じするし) 本来はMAN×MANで人との繋がりを持たなかったゴースト要員が他人とかかわるようになっていくという意味のタイトルだと思うんだけどな。その意味合いはどっかに行ってしまいましたね。残念。

と思ってたら別の邦題もついたみたい。後からついた「マン・ツー・マン 〜君だけのボディーガード〜」というタイトルの方がしっくり来るかもね!私の不満が解消されている!笑

 

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キャスティングだけ見ると私の好きな俳優さんがいっぱい出てて見る前から期待大でした。パク・ヘジン、ヨン・ジョンフン、チェ・ジョンアンなんてすごく良いラインナップ!そしてそれぞれの役柄も好みだったのです。パク・ヘジンにはあんまり明るくない真顔な役をやって欲しいし(バッドガイズが好きなくらいなので)、ヨン・ジョンフンにはちょっと悪い役やって欲しいし(今回は仮面の時みたいに目をひん剥いてなかった!良かった)、チェ・ジョンアンにはちょっとミステリアスな役をやって欲しいという私の個人的な希望を叶えてくれるラインナップ!そういう意味では最高でした。

ちょっと現実離れした設定やシーンもあるけれど、シリアスすぎずコミカルな要素もふんだんにあり、ロマンスもありで盛りだくさん。私はキム・ソル(パク・ヘジン)とチャ・ドハ(キム・ミンジョン)のロマンスよりも、キム・ソルとヨ・ウングァン(パク・ソンウン)のバディー的な友情の方をより楽しんだかな!

っていうかパク・ヘジンが出てるドラマでソルって名前を聞くとどうしてもチーズ・イン・ザ・トラップのヒロインのホン・ソルを思い出しちゃうんだけどそのネーミングはわざとなのかなー?

パク・ヘジン本人の表情を変えないアクション演技もカッコイイし、カーアクションもかなり迫力があっても良かったんですけど、何よりも手がきれいでめちゃめちゃそこに注目してしまいました。左利きっていうのもいいのですよ!!!!なんか左利きの人の体の動かし方?使い方?が好きなんです(マニアック!)観察の結果、パク・ヘジンは、銃とコップは右、武器のナイフやお箸は左ということが判明。右で撃って左で刺せますね。すごい。だからどうしたって感じだけど。

最近のドラマでは主人公の「感情があまりない人や表現しない人」が他人と接することで感情を持つようになるっていう展開が多い気がするなあ。私が見てるのだけだからたまたまかもしれないけどそんな印象。今までは感情的な主張が激しい人が主役のドラマが多いイメージだったんだけど、色々パターンが増えて来たのかな~

コミカルな部分は、ヨ・ウングァンとチャ・ドハとそのスタッフがになってる感じなんですけど、だんだんキム・ソルも巻き込まれてこんな格好までさせられてて、表情が真顔だから可愛い。

そうだ、カーアクションにはかなり力が入っていたのですが、どうやらスポンサーはBMW。キャストが乗ってる車は全部BMWだったと思う多分。番組によって使ってる車が違うのとかも興味深いですよね~。

 

そしてゲスト出演者も結構豪華!

突然、銀行員で出てくるソン・ジュンギ。なんでそこって感じでほんとにちょっとだけ。あ、このドラマの脚本家のキム・ウォンソク脚本家が太陽の末裔を手掛けてたからその縁かな!(正しくは太陽の末裔はキム・ウンスクと共同脚本だったみたい)

そして、ナムグン・ミンも俳優役で出てきましたけれども印象に残るなかなか嫌らしい役でした(褒めてる)これキム課長ですね!こんなところでまた会えるなんて嬉しいわ~

 

最初の方のビクター会長の家に乗り込むところとか楽しかったし、他のゴースト要員が誰かが私には最後の方まで分からなかったのでラストまで面白かったです。しかしあれだけ名前と顔写真が出回ってしまったのに、キム・ソルはゴースト要員を続けられるものなんでしょうか?そこだけちょっと気になったな。ドラマとしては結構好きな方で楽しんで見れましたー!

 

 

ミッション ボディーガードが見れるのは・・・
⇒Netflix





【韓国ドラマ】シティーホール の感想 ミレよりもゴヘの気持ちの方が分かる気がした

シティーホールの視聴を終了しました。キム・ソナの出演するドラマのヒロイン像はどこかちょっと似てる気がします。サバサバしていて型破りでちょっと変わり者なんだけどその自分のやり方に自信を持っている感じ。女の香りはちょっと違うかな。でもキム・サムスンとはそうですよね。なのでそういうヒロインが好きかどうかでそのドラマを好きかどうかも左右されるかも。私はちょっと苦手なのでありました。

そうそう、Gayo!の配信で見たのですが、再生速度を変えて見られる機能があるのを知って思わずそれを利用して2倍速で見てしまったのでした。初めての2倍速・・・

 

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私は他国の文化や生活を知るのがとても好きなので、このドラマで韓国の選挙風景を見られるのはとても面白かったんですよね。そういうのを知るのって自分の当たり前を見直すことにもなるし、照らし合わせて自分の住んでいる国との相違点を知ることで新しく見えるものがあったりしますよね。そういうのが楽しくて外国のドラマを見るのが好きなのかもしれません!

そういうところは良かったんですが、なんだかこのドラマにあんまりハマれなかったのはミレ(キム・ソナ)が自分に対して妙に揺るぎない自信を持ち過ぎているせいかも。突飛な行動をしても、自分がおばさんでも、人に何を言われても(たまには落ち込むけど)動じないところがなんかちょっと違和感があるんですよね。あのおばさん的な図々しさは羨ましくはあるけど、ちょっと嫌かな。

まあ、最初はおばさんっぽかったミレが市長になってからは洗練されてどんどん綺麗になって行きますし、辞表を出す下りはかっこよかったですけどね。

 

それに比べると、チョ・グクの心を手に入れられなくて悩むゴヘ(ユン・セア)の方がむしろ人間っぽく感じてしまうのでした。

プライドが高いのでポーカーフェイスで表面的には態度に出さないし冷酷なところもあるのだけど、揺れているのはむしろゴヘの方で。テハングループの令嬢なので何不自由ない立場なはずなのにどこか不安そうで、どちらかというと彼女の気持ちの方が理解できる気がしてしまう。

ラストもドラマで描かれる財閥には珍しく、お金が儲かれば何をやってもいいという態度ではなくてヨーロッパからの廃棄物輸入をやめて正規のきちんとした工場を作ると筋を通して自尊心を守ったのが良かったです。チョ・グクから去っていく姿もプライドの高さ故なのが潔くも悲しいのでした。

 

素敵な大人のロマンスだと思うんだけど、そのロマンス部分は斜めから見てしまって私はあんまり楽しめませんでした。でもチョ・グクが自分の常識の通じないまっすぐ突進してくる相手に今まで見たことのない魅力を感じて恋に落ちるのは分かる気はします。脇役キャラもみんなわちゃわちゃしていてアットホームなのは良かったです。特にみんなで最後にsorry sorryを踊ってたのは楽しそうだった。

なんだか他の方はどうなのかな~と思って感想を探して読ませてもらったら高評価な人が多いのですね。それも分かる気もする。でも私のような感想を持つ人がいてもいいじゃないかってことで!

 

このドラマが見れるのは・・・





【韓国ドラマ】秘密の森 の感想 その森の中で罠にかかってしまったら抜け出す術は死しかないのだろうか

は~めちゃめちゃ面白かったです「秘密の森」。タイトルも秀逸で、まさに深い森に迷い込んだように答えが見えなくて、進めば進むほど増える木々に出口が見えなくなって行く感覚が味わえます。大きな組織とはまるで森のように木々で覆われて光がささなくなり全容がどんどん見えなくなって行くものなのかもしれない。

 

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キャスティングもかなり良いです。神様がくれた14日間ですごくいいと思って出演作をもっと見たいと思っていたチョ・スンウ。個性派で有名なペ・ドゥナ。そして製作がSTUDIO DRAGON。私がここのドラマで面白いなと初めて認識したのはThe K2からかな?全部が好みという訳ではないけど、特にここのでこういう想像の上を行くストーリー展開のサスペンス要素が入ったドラマは面白いのが多い印象なんですけど、どうでしょう?

とても複雑で入り組んだストーリーで、どこまでが仕組まれているのか誰が味方なのかが分からなくなってくるところが不穏ではあるんだけど、ファン・シモク検事(チョ・スンウ)とハン・ヨジン刑事(ペ・ドゥナ)のラインの繋がりは確かなので地に足をつけて見ていられる感覚がある。一瞬疑うくらいかな。そしてどんどん疑わしい人が増えそして真実が展開されて行く構成だけど、削る部分はちゃんと削っている気がする。例えば、女刑事だと同僚に揶揄変にされる立場の描写をドラマでよく見るけど、それはここではない。また、主役のファン・シモク検事が感情を持たない設定なのもそのためかもしれない。そういう風に一番表現したいことに対して不必要と思われるものを極力削って実はシンプルに作られている気がするのですよね。

感情を無くしたファン・シモクを演じるチョ・スンウの演技も当然のように良かったんですが、ペ・ドゥナもすごく良かった。実は私は彼女の演技を見るのは初めて。だけど、嫌味のないでも仰々しすぎない刑事役があまりにもかっこよくて素晴らしかったな。正義感と熱い心を持った刑事ではあるけれど、警察大学出身という頭の良い冷静さも垣間見せつつ、という役づくり。一気に好きな女優さんになりました。そして着てる服も素敵なのですよね。刑事役だし派手な服装という訳ではないのだけど、パンツの形や丈、横にスリットが入ったスーツのジャケットなどちょっと細部にこだわった個性的な服たちがとても似合う。自分に合うものをしっかり知っている人なのだなあ!

彼女のセリフで手塚治虫の言葉を引用するシーンがあって、そういうのを見ると脚本家の方のイマジネーションの元のひとつに彼の漫画があるのだと思うと、大切な思想って国という単位を超えるのだと思った。それは日本からだけではなくて逆もしかりですよね。

本当に脇役陣もみんな素晴らしかったのだけど、実は印象に残ったのはイ・チャンジュン次長検事の妻を演じたユン・セア。にっこり笑っているのだけど、背筋が冷たくなるような笑顔が忘れられません。綺麗なだけじゃない迫力がありました。

ドラマのラストで思い浮かんだのは樹なつみの花咲ける青少年という漫画に出てくる侍従のクインザ。クインザは自分の王を守るために最後に王の敵をすべて告発してから死んでいくんです。設定も立場も違うのですが、大切な何かを守るために「悪いものを私がすべて連れて行きます」という気持ちが少し似ている気がして、思い出してしまったのでした。

 

こうして感想を書いていても非常に見ごたえがあって面白かったな、と改めて思います。特殊な能力が使える人物が出てくるドラマはいくつかあるけど、「感情が無い」という欠けた部分があるということが能力に成り得る、という事実は一つの大きな気づきだったな。他の人と違って何かができるというのは普通の能力プラス特殊な能力と思い込んでいたけれど、そうとは限らないという発想が非常に面白いなと思うのでした。

先が見えない展開や頭を使うドラマが好きな人には大変オススメです。もう一回見たらちりばめられたストーリーのパーツがもっと見えてくるのかもしれないな。また時間を空けて見てみたいです。

 

秘密の森が見れるのは・・・
⇒Netflix