【香港映画】人魚姫 の感想 チャウ・シンチー映画らしい個性的な人魚たちがとてもいい!

映画好きの友人に最近見た映画で何かいいのあった~?なんていうやり取りをしていたら彼の口から出てきたのがこの「人魚姫」。なんと、ちょうど良いタイミングでGyao!で無料配信中だったので、見てみました。タイトルからはチャウ・シンチーが監督なんて全然分かりませんでしたが、内容はもちろんチャウ・シンチーがいっぱい詰まった映画でありました。やっぱりいいわー

 

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冒頭からチャウ・シンチー節が炸裂しててナンセンスギャグが最高だし、なんといっても人魚たちの容姿が私たちが想像するような姿ではなく大変個性的で、そうそうこれこれっていう気持ちになりますね。なぜかフリーダ・カーロが描く絵に似た容貌の人魚たちもいて、これは何かを示唆してるのかな・・・?私にはそこまでは分からなかったんだけど。

あとはショウ・ルオが人魚というか、下半身がタコバージョンの人魚を熱演してましたね。他にもツイ・ハークがゲスト的にちょっと出てたり、ラストにもクリス・ウーが出て来たりするのも、お!と思う嬉しいサプライズですね~

リウ・シュエン役の鄧超(ダン・チャオ)の演技が大変良かったです。私は初めて見た気もするけど、中国で主演男優賞を取ったりもしてる方なんですねえ。そして何よりもスン・リーの旦那様だってことを知って、うおおおお!ってなりました。お子さんも美男美女なんだろうなあ~という関係のないことを想像。

ルオラン役のキティ・チャンも迫力のある美しさで凄い。空海にも出てたと知って見たことがある気もしてきたのでした。それよりプロフィールで出演作を調べていたら「幻城凡世」っていうのに出てて、これってどうやら幻城の現代版のドラマみたいなんですよ!続編は期待してはいけない・・・とは思うものの幻城が大好きなので、とても気になります。日本でも放送されるかな?ウィリアム・フォンが主演だしどうでしょう?

そしてヒロインのシャンシャン役のリン・ユンがとっても可愛かった。チキンにむさぼりついてても、お化粧が大変なことになっててもキュート~~~
チャウ・シンチーの映画ってキャスティングや才能を発掘するのがうまいのも映画が面白くなる要因のひとつなんだろうなあ。俳優さんの魅力を発揮させる力がある監督だと思う。

93分の映画なので、リウ・シュエンとシャンシャンが恋に落ちる部分を描いている尺は実はとても短い。そうなんだけど、二人がほんとに愛し合うようになったことが観客の腑に落ちるようにちゃんと描かれててこれはすごいな、と思ったのです。
愛し合ってるように全く見えないけどセリフでそう言ってるからそうなんだろうな、なんて印象を受けてしまうと(よくそんな感覚に陥る作品が多いんですけど)全然物語に没頭できなくてしんどいよね。でもこの映画はそんなことはなくて。そういう手腕に感心してしまったなあ。

そして実はメッセージが含まれていたんでしょうか?環境破壊についてというのは表面的にも分かりやすいんだけど、例えば少数民族に対する迫害なんてことも暗に示した感じで描いていたのだろうか、なんて考えちゃいました。だから喜劇映画にしては人魚たちへの攻撃の場面だけはわざと残酷な描写にしたのかな、なんて思いました。

この映画を教えてくれた友人は泣いちゃった、なんて言ってたのですが、ちょっとその気持ちもわかるかも。二人の純粋な愛には心にぐっとくるものがあるし、八兄の気持ちも切ないし。全体的にはちゃんとコメディーで面白い映画なんだけど、それだけでは終わらない、意外と心が揺すぶられる映画でありました。やっぱりチャウ・シンチーの映画はちゃんと全部見ようと思いましたよ~

あ、そうそう人魚たちがリウ・シュエンに復讐をしようとするシーンでFIST OF FURYが流れて来て、あ!となってもうそこでたまらない気持ちになりましたね。そういう監督の色々なこだわりが詰まってるのも最高であります!

しかし、ひとつだけ残念なのは日本に来るのが普通語バージョンなことかなあ。やっぱりチャウ・シンチー作品は広東語で見たいなあ、なんて。ちょっとした抑揚とかリズム感とかが広東語の方が間延びがあって、チャウ・シンチーのコメディには合う気がする。百度で見たら中国語バージョンも広東語バージョンもどちらも作ってるみたいから、どうせなら日本に入ってくるのは広東語バージョンにして欲しいなあ~という個人的な希望。

 

人魚姫が見れるのは・・・