【香港映画】ホワイト・バレット の感想 良くも悪くもとんでもない映画を見ちゃった気分だよ!

いやーほんととんでもない映画を見ちゃったな~って感じです。凄いんだけど何がなんだか訳が分からん気もするんだなあ・・・ ルイス・クーとウォレス・チョンが出てる!いいじゃな~いってな気分で見てみたんですが、そうか冷たい雨に撃て、約束の銃弾をのジョニー・トー監督の作品だったんですねえ。どおりでラスト近くの銃撃戦に納得であります。

 

スポンサーリンク


 

原題は「三人行」で、そのタイトルの通り病院で三人の心理戦が繰り広げられます。頭部に銃創を追って運び込まれる強盗団のメンバーのチョン(ウォレス・チョン)、チョンに仲間の居場所を吐かせたいチャン警部(ルイス・クー)、脳外科医のトン(ヴィッキー・チャオ)の駆け引きはそれぞれの立場の違いや隠したいことなどがあって面白いです。

チャン警部は、部下に銃を使ってチョンを脅させたところ、部下が実際に撃ってしまったことを隠そうとして、証拠をねつ造したりあげくの果てにはチョンを殺そうとまで思い詰めるんですね。警察として犯人逮捕を一番に考えるが故に暴走してしまったんだろうけど、それは医者の倫理観とは相容れない訳で、トンとも揉めてしまう。

強盗団だっていうのに、妙にインテリくさい男チョン。医者の倫理観の痛いところをついてくる彼の言葉に翻弄される医者のトン。しかし、彼は銃弾を取り除く手術を拒否したものの鼻血なんかも出てきて悪化。味方が病院に乗り込んできて銃撃戦になるんだけど、助けが来て逃げるもんじゃないの?復讐するんだとしても、病院で病人も職員も警察も関係なくとりあえず撃ちまくるなんて自分たちも死んでしまうんじゃないかい?謎。

ま、ジョニー・トーの作品で銃撃戦が無いのなんて考えられないんだろうなと思うんですけどね・・・ だけどあの展開には脳みそがついて行かなかったぞー

ウォレス・チョンはこういう胡散臭い役も出来るのね。つかみどころのないチョンの役は結構良かったですよ。

優秀な脳外科医のトン。しかし最近の手術は失敗が続いている。そんな時期にやってきたチョンとチャン警部に困惑する彼女。

手術が失敗して下半身がマヒした患者が銃撃戦から逃げる際に階段から車椅子ごと転げ落ちたら歩けるようになったっていう顛末には苦笑を禁じ得ないよー!っていうか君は自殺未遂を起こしていたのに銃撃戦から逃げるんかい!?っていうところにまずツッコミました。やっぱり人間ってそんなもんよねとは思うんだけどもさー

そして、ジョニー・トーの映画といえばこの人!のラム・シューおじさんも出演しています。お尻にナイフを刺されたあの駐車場のくだりはラム・シューフィーチャーのためだよね?なんだったんだあれ。

そして懐かしい顔が!古惑仔でおなじみ謝 天華(マイケル・ツェー)ではないですか!お元気そうで何よりだわ~ 昔に見た人でもちゃんと顔を覚えてるもんなんだな~と。好きで何回も見た映画ですからねえ・・・

 

さて、銃撃戦はそれをそこでする必然性があるのかという点には疑問ありますが、映像としてはすごいです。めくるめくよ。スローモーションだったり、あっちからもこっちからも360度で上からも下からも撮影されてて、わーおって感じ。撮影の構図がぶっ飛んでるんですよ。すごいなー 病人もめっちゃもんどり打ってるけど、そこまで大きな銃でもないのになあとかちょっと冷静になりつつも面白かったです。

映像もなんですけど、その時の挿入歌の歌詞がなんだかすごいんですよ。これをここで流されても訳が分からないよ!って感じなんですよ・・・

古きを温(たず)ね 何事にも驚かず
師を尊び道を重んじすべて縁に従う

花鳥風月の美しさを愛でる
人生とはただそんなものか

いにしえの師が我々に残した言葉
今は若き人々の言葉に耳を傾け
彼らに何を望むか考えてみよう

目を閉じて口をつぐみ
耳をふさげば誰もが幸せ
誰もが知り気づいているのに
あなたも私も傍観するだけ

Ivana Wongの「之乎者也」という曲みたいです。歌詞が気になり過ぎて字幕をわざわざ書き起こしてしまいましたよ・・・ そうか主題歌なのか。銃撃戦のシュールさに拍車をかける歌でありました。

そして、病棟から墜落しそうになるチョンを結局は助けるトンとチャン警部。そして体をはって助けようとしたチャン警部の手を放さなかったチョン。さてこれで心を入れ替えてめでたしめでたしなのかというとそうではないところが香港映画らしさだと思うんですよね。自信を取り戻してチョンの手術をするトン。上司に警察がチョンの頭を撃ってしまったのだと告白して退職するチャン警部。しかし、トンが執刀したチョンの手術は失敗して、チョンは回復しないままであった・・・というラスト。なんだか誰も救われない感じが何とも言えないねえ・・・

そういう感じで、すごくよかったーとかじゃなくてなんだったんだあれは、みたいな気分になる映画だったんだけど、忘れられない1本になることは間違いないというこの視聴後の複雑な気持ち。でもキライじゃないっていう。表現できない!難しい!笑

 

ホワイト・バレットが見れるのは・・・
⇒Netflix