【香仏映画】冷たい雨に撃て、約束の銃弾を の感想 香港映画の様式美にどっぷりはまるのもやっぱりいいなあ

ジョニー・トー監督の「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」の映画を見ました!ああこの感じ、以前はよく香港映画を見ていた私の郷愁を誘います。この過剰ともいえるガンアクションがたまらないんだなあ・・・

 

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この映画は香港とフランスの合作映画なので、主役のフランシス・コステロ役にフランス人のジョニー・アリディ、そしてその娘役にシルヴィー・テステューが出演しています。そういう意味では合作らしくフランス風味が加味されていますが、でも内容は典型的な香港映画です。

ストーリーは、マカオで娘夫婦と孫を殺された(正しくは娘はなんとか生きてはいるけど)コステロが復讐のためにフランスからやって来て、偶然知り合った殺し屋の三人に復讐の協力を依頼。実は元殺し屋のコステロも一緒に復讐を成し遂げようとするのだけど、昔に頭に受けた銃弾が原因で彼は復讐する相手も理由も忘れて行き・・・というような内容です。

映画というスクリーンに映し出されるものという形態を意識して自覚して最大限に利用している感じがあるのです。そう映画館で見たいと思わせるような映画なんだよなあ・・・

もう見せ場は決まっているので、香港ノワールはシンプルな筋書きなのが良いのですよね。でもお約束の役者さんたちがきっちりとその期待される演技を見せてくれて、もうそれで満足しちゃう。多くは語らず表情で語る彼らの渋さはなんなんでしょうね。たまらない。

めっちゃ風がビュンビュン吹きまくる銃撃シーンは回収した古紙の塊が盾がわりで、なんじゃあれはとちょっと思ったけどもさ。

クワイ役のアンソニー・ウォン!変わらないなあ~ 久しぶりに見たけどこの雰囲気が最高。コステロが記憶を失って「復讐は意味はあるのか」と三人で話した時に、一度引き受けたから、とその先に待っているのが死だとしても行くというのがクワイなんだよなあ。もしかしたら馬鹿な生き方なのかもしれないのだけど、そこに憧れてしまうのだった。

今までやったことを無駄にはできないっていう慣性の法則ともいえるのかも。なかなか止められないんですよね。ここで止めた方が良いと分かっていても。かー!人間くさい。

チュウ役のラム・カートン、フェイロク役のラム・シューも香港映画の常連俳優。ちょっとデコボコのコンビがいいんだな。当たり前のように仲間割れなんてしないのがいいんです。彼らの絆を楽しみに見てるんだから。

そして、サイモン・ヤム!あ~やっぱり彼はこういう香港映画で悪役やってくれるのが一番落ち着きます。東京ジュリエットのデザイナー役なんて見てるこっちが落ち着かなかったわい。アリエル・リンとかとは完全に違う空気感をまとってて違和感を感じましたねえ。これ見たらそうそうこれこれ!ってあのドラマを見た時のソワソワ感が払拭されてすっきりしたのでした。

 

銃撃シーンの派手さというのは武器やアクション血が飛び散るのも含めてすべて様式美なんだなあ、と思いました。そして私はそういうをたくさん見て来てて、この様式美が私のアクションを見る時の基本になっているんだなあと改めて思いました。うん、良かったです。

ひとつ難を言うとなんでこの「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」なんて情緒たっぷり過ぎる邦題にしてしまったのかってことくらいでしょうかね。復讐の時は雨降ってないけど?って感じだし、邦題をつけた人の趣味丸出し感があって私はこれはもっと淡々とした原題の「復仇」もしくは英題の「Vengeance」のままの方が良かったなと思うのでした。私が映画を見終わって受けた印象と全く違う感触のタイトルというのもイマイチなものなんだなあと。そんなことを思いました。

 

冷たい雨に撃て、約束の銃弾をが見れるのは・・・