【韓国映画】女教師 シークレット・レッスン の感想 精神的に追い詰められたヒョジュの行きつく先は・・・

これもタイトルに騙されたな~と思った映画です。「女教師」それも「シークレット・レッスン」と来たら、フランス映画なイメージを抱いてしまって年上の女性教師と年下の生徒の純粋且つちょっとエロティックなストーリーだろう~と思ってしまったんです。が、そんな私をあざ笑うかのような苦い気持ちが残る映画でありました。

そう、恋愛の甘い部分なんてのはどこにも描かれてなくてなんだか苦い、そんな映画です。うーん。分類としてはサスペンス、スリラーって言える部分もあるのかしら。

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登場する女教師は二人。臨時教師で男も去ってお金も何も持っていないヒョジュと、若くて父親が理事長で正規職の教師で婚約者もいてすべてを持っているヘヨン。

この全く正反対の二人がバレエの特待生の美しい生徒ジェハを巡ってバトルするというのが簡単なストーリーなんだけれど、まあ実際のところジェハでさえヘヨンしか目に入っていないんですね。だけど、二人の関係がばれてそのことでヒョジュに脅されるヘヨン。ジェハを使ってヒョジュに仕返しをするために、彼にヒョジュを落としたら自分たちの関係を続けてもいいと伝える。そのジェハにたやすく騙されてヘヨンに勝てたと思い込むヒョジュ。

でも結局それさえも嘘で、精神的に追い詰められたヒョジュが行きつく先があまりにも苦い後味を残すのでした。あれは勝ったと言えるんですか?それとも負けたというべきなんですか?1対1では物理的に勝ったかもしれないけど、社会的には負けてたっていえばいいのだろうか・・・ 見ててなんともしんどい。

それにしてもヘヨンを演じたユ・イニョンの憎たらしさがすごい。男子校の教師がそんな短いスカート!って感じだし、あは~って笑う感じとか最高にあざとくて素晴らしい演技です。これはヒョジュじゃなくったって癇に障りますわ・・・

キム・ハヌルも綺麗な人なのにくたびれた女感がすごい出ててこれまたすごいです。ほんとそういう美人のアンニュイさとおばさんっぽさは紙一重なんだなと思うのでありました。

特待生だってのに1人で練習してるっていう設定のジェハもすごいよね。そんな訳ある!?でも踊るイ・ウォングンはとても美しかったです。そして細い体がちゃんと高校生に見えていいです。乾パン先生とこんぺいとうのコン・ユとか体格良すぎてそんな高校生おるか~い!って感じだったので、しなやかな体で蠱惑的な魅力を醸し出しているジェハはとても良かったです。あれかなサブタイトルのシークレット・レッスンはヒョジュがお金を出してジェハに受けさせてあげたバレエの授業のことかな。そうだとしてもそうじゃなくてもこのサブタイトルいらないんじゃ・・・?

 

見た感想としては面白かったようなあまり面白く無かったようなよく分からん気分です。女教師二人が両極端に対照的なキャラにされ過ぎててちょっと違和感があるのかもしれないな。もっと一人の人を形作る要素って複雑に組み合わさっているものだと思うので、絵に描いたように「すべてを持っている人」と「何も持っていない人」っていうのは単純すぎてなんだかつまらない気がする。まあこの二人の存在っていうのは現代社会の状況のメタファーとして使われてるのかなという気もするので、仕方ないのかな。人間は極限まで追い詰めたら何をするか分かりませんよって言いたかったんでしょうか、この映画。なんてことを思ったりもしつつ。

一番印象に残ったのはラストの優雅に平然と朝ごはんのサンドイッチを食べるヒョジュの表情ですね。美しくも恐ろしい、でも本当にすべてを捨てた人の顔なのだった・・・それを思い出すとやっぱりなんとも苦い思いがこみ上げるのだよなあ。

 

女教師 シークレット・レッスンが見れるのは・・・