【韓国ドラマ】赤い月青い太陽 の感想 児童虐待がテーマのドラマ

キム・ソナ主演の「赤い月青い太陽」を視聴終了しました。

児童虐待を主題に扱ったドラマなので、わりと重いストーリーです。最近、motherとかもだし、こういうテーマのドラマもちらほら見られますね。そこがメインでなくても、登場人物のトラウマの原因が虐待だったなんていう展開も見られる気がするので、児童虐待が韓国だけじゃなく日本も含む世界中で社会問題化してるんだなと感じますね。

そして劇中でモチーフとして詩が使われるんですが、これが秀逸です。謎が謎を呼ぶようで、糸口はつかめるものの、誰もが怪しく見えて、なかなか最終的な解決へと繋がらないようなミステリアスな感覚を詩が更に盛り上げているような感じがします。韓国ドラマではよく詩が使われてる気がするので、日本人よりも詩に親しみが深いのかなあ。発音の関係もあって、日本語よりも韻を踏みやすいとかあるのかしら。使われてる詩が素敵で、本が欲しいななんてこともあるくらいだけど、日本のドラマでそんなことを感じたことが無い気がするんですよね。

さて、キム・ソナはこの作品で2018 MBC演技大賞を受賞したみたいなんですが、私はイ・イギョンの刑事役がとても良かったなと思うのです。みんながみんな何か隠しているような訳アリな人物像ばっかりの中で、とてもまっすぐで分かりやすいカン・ジヒョン刑事がいることで、光と影の対照が際立つような気がしたんですね。彼の存在もだし、演技も求められたものをしっかりと演じ切ってたような気がします。まあ検法男女とかでも刑事はまさにはまり役だなとは思いますが!あとは韓国ドラマの子役ちゃん達は本当に演技が上手だなと思う。今回もしみじみ思いましたね。

いくつかちょっとなと思う部分もありました。まずちょっと残念だったのは、犯人はもしかしたらこの人がそうかなと出てきた瞬間から思ったんだけど、やっぱりそうだったんだな。もっと予想外の配役にしてくれた方が全然想像もつかなくて良かったのにと思ってしまった。ウギョンの子ども時代の記憶喪失なんてのもちょっとな。あとはウンホが撃たれるシーン。ああいう場合、発砲するにしても一発で死ぬような場所を撃てる訳がないし、肩とか腕とか狙って取り押さえるよな~と。無理があり過ぎる。それからチョン刑事が兄からの虐待を受けてたっていう設定は必要だったんだろうか?どうもとってつけた様に思ってしまった。それから辛い思いをしてきたウンホにやっと出会った兄があんな風に更に辛い思いをさせるもんなんですか?そうそう一番嫌悪感があったのは、ウギョンが過失致死にせよ、車で子どもをひき殺しているのにその点に関しての良心の呵責とか罪の意識についてがあまりにも軽い扱いじゃなかったですかね?虐待については非常に重く扱っているのに、ちょっとねえ。虐待で死に至らしめた訳でないにせよ殺人は殺人なのでは?あれ、書いてたら気になることがいっぱい出て来たゾ!

そう考えるとドラマ自体は大筋は見ごたえもあったし興味深かったんだけど、プロットがかなり雑な気がしてしまった感も否めないな・・・

一応、犯人は捕まって事件は解決するし、ウギョンが見ていた緑のワンピースの少女の謎も判明するんだけれど、結局こういう問題って根本的な解決はしないのが実に現実とリンクしているようで、なんとも言えない後味が残りました。でもこういう内容のドラマを見ることは問題提起と問題に対する思考のきっかけを与えてくれる良い機会なのかもしれない。

 

赤い月青い太陽が見れるのは・・・