【韓国ドラマ】ソロモンの偽証 の感想 「生きる理由を教えてくれ」という叫び

韓国ドラマの「ソロモンの偽証」を視聴しました。原作は日本でも人気の宮部みゆきの小説です。宮部みゆきさんの作品は私も好きですが、この作品は未読なので今回見たドラマで初めて内容を知りました。ドラマの内容も俳優さんの演技も素晴らしかったので、原作も読みたい!と強く思いました。1人の学生の死という事件が軸にありますが、それをいたずらにショッキングなものとして扱うのでなく、生徒の目線で真摯に謎を解いていくストーリー展開に引き込まれます。

 

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最近、たまたま学園モノを見る機会が多くてそれぞれ思うところは色々あるのですが「あの頃、君を追いかけた」を見た時にあの健康的で平和なノリについて行けない気がしたんですね。その後に「ソロモンの偽証」を見て、私の高校時代はどちらかというとこの気分、イ・ソウが言っていた「生きる理由を教えてくれ」という焦燥感、無力感みたいなものにシンパシーを感じるような世界だったんだな、と思ったのです。肌感覚が似ている気がして、物語の中に出てくる生徒たちがそれぞれの方法で疑問に立ち向かっていく勇気に胸が震えたのでした。そんな勇気なかったな・・・

ドラマで出てくるような裏口入学などという大きな事件には全く関係がない生活ではあったけれど、いじめ、えこひいき、人間関係、勉強、進路なんかで毎日が大変だったな、と思い出すのです。今になってみれば、本当は世界はもっと広いんだと分かるのだけれど、その頃には学校が自分の世界の全部だったからイ・ソウが死という道しか選ぶことが出来なかった気持ちがどこか理解できてしまう。だから彼の死の真相を知りたいと思ったコ・ソヨンの気持ちも分かる。何もできなかった自分、だけど今からでもなんとかしたい。

「大人がなんとかするから子どもは何もしなくていい」と言われてしまうけど、高校生って本当はもうなんでも出来る気がする。個人差もあるけれど、年齢で子どもと一括りにするのは違う。だから、高校生の彼らが裁判をするというアイデアが素晴らしいな~と唸ってしまうのです。原作では中学生なのかな?そうだとしたら更に凄いけど、でも彼らにもその能力はすでにあると思う。

そんな感じで、最初から最後まで結構熱中して見てしまいました。コ・ソヨンと演じたキム・ヒョンス、ハン・ジフンを演じたチャン・ドンユン、イ・ジュリを演じたシン・セフィ等の演技も素晴らしかったし、ちゃんと高校生の年齢に合って見える無理のないキャスティングも良かったです。ほら人気の役者さんを使おうとしてどう見ても学生に見えない~なんてドラマもありますからね。まだ自我が完全に確立されきっていない揺れる感じが特にこのドラマには必要だと思うのです。それがピッタリはまっててとても良かったなあ。チェ・ウヒョク役のペク・チョルミンはちょっと高校生には見えなかったけども、まあアリかな・・・

ドラマを見ているうちに、ソロモンの偽証のタイトルと照らし合わせて、ではソロモンは誰なのか、偽証をしているのは誰なのかと。色んな風に受け取れるのですが、結局は「権力つまり学校が嘘をついていた」ということなのかな。途中では「ハン・ジフンつまり知恵を持っている、すべて知っている者が嘘をついていた」なのかなとも思ったりもしつつ。あるいはそれらすべてを含んでのタイトルなのかもしれない。偽証している人はたくさん出てきますからね。うーん。考えれば考えるほどとてもよく出来ているなあ・・・

原作を読んでいなくてもドラマとしての完成度も高い作品でした。法廷ものとも言えますが、推理ものとも言える感じ。見ごたえがあってとても面白かったです!オススメ!

 

ソロモンの偽証が見れるのは・・・