【韓国ドラマ】ごめん、愛してる の感想 私は残念ながらはまりきれなかったけど良い作品でした

「悲しくて見てられなかった」という友人の感想を聞いていて、なんとなく避けていた「ごめん、愛してる」ですが、日本でリメイクドラマが始まったのもあって、どうしてもタイトルが目につくので、dTVで一気見しましたよ。いや、正直言うと休み休みかな・・・なかなかに重めの内容なのですから・・・

 

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ソ・ジソプは予想以上の素晴らしさでした。
彼の演技を色んなドラマで見れば見るほど、私の頭に浮かぶのは「全身小説家」という原一男監督の映画のタイトルなのでした。その映画の内容が関係がある訳では無いのですが、その鮮烈な印象を私に与えた「タイトル」がなぜか彼の演技を見ると思い起こされるのです。もちろんソ・ジソプは小説家ではないので、「全身演技者」とでも言えばいいのかもしれないけど、彼は体全体で演技をする人だな、と見る度に感嘆してしまうのです。

演技には色んな種類があって、実際の自分の素の姿に近い役を演じる方が良い人、どんな役でも演じられる人など色々あって、自分がどんなタイプの役者なのかを知って作品を選ぶ必要があると私は思っているのですが、ソ・ジソプはきっとどんな役でも演じられるタイプ。

私はアクションが美しかったり、運動神経の良い役者さんに惹かれる傾向があるな、と思っていたのですが、それも多分、演技自体に関係していて、自分の意思通りに体を使える、動かせるということは表現の多様性が広がるという事なのかもしれないなと思うのです。運動神経が良ければ必ずそうなるという訳ではありませんが、体を意思通りに動かせると表現の自由度は高くなりますから・・・

つまり、演技はその役の心情を込めて台詞を言うことだけではなく、しぐさや動き、歩き方、手の動かし方までその人だったらどういう動きをするかを理解して再現することなのかな、と思うのです。
それが表現できれば出来るほど、観客に説得力を与えて、ドラマに入り込ませることが出来るような気がします。そして、だから私はソ・ジソプの一挙手一投足に惹きつけられることになってるのだな、とそんなことを思ったのです。

そしてこのドラマはカメラワークもちょっと映画っぽくて体の一部を画面に捉えたり、影を映したりなど、ハッとする美しい描写が多かったように思います。
特に主役の二人に対してはそういうカットが多かった気がします。

 

そんな素晴らしいドラマだな、と思っているのですが、ハマり切れなかったのはなぜかというと・・・
ムヒョクがウンチェに「俺の心臓をユンにやるよ。だから俺が死ぬまで俺と付き合え」と言った後のウンチェの行動にあれ?と思って急に素に戻ってしまったからかもしれません。
ウンチェが「じゃあ死んで」とか「絶対に死んでよ」「心臓を出してみろ」とか挙句の果てには牛乳をかけたりまでするのを見てると、ユンが死にそうな時にムヒョクに言われたことに腹が立ったのは分かるけど、今まで弱者に対しとても優しく接する人だという印象のウンチェからはかけ離れ過ぎていて、その後の展開をドラマチックにさせるためとはいえ非常に違和感がありました。視聴している者としては、ムヒョクがもうすぐ死ぬ運命と知っているからヒドイと思ってしまうというのもあるかもしれませんが、それを差し引いてもせっかく演技力のあるキャスティングなので、同じような内容を台詞で直接的に言わせなくても他に方法があっただろうに・・・と、なんかそこで急にザ・韓ドラになってしまった感があり、私は興味が突然薄れてしまったのでした。ウンチェへの感情移入がここから全く出来なくなってしまったのです。
ユンのお母さんとかならああいうセリフもいいんですけどね・・・

 

まあ、細かいことを言えば、ムヒョクのサングラスとつけ髭の変装にそんなうさん臭い人を好きにならんわ!とか、ウンチェの髪型はオーストラリアにいる時は普通なのに、韓国でいる時のはなんかいまいち・・・とか、ユンを演じるチョン・ギョンホはそこまで人気のある歌手というイケメン設定はどうなんでしょうか?(マザコン役は恐ろしいほど似合うけど)とか、気になる点は色々ありますが、それを補ってあまりある良いドラマだと思います。

最後は私にはあんまり衝撃的ではなくて、ほう・・・って感じでした。
まあそれもアリかな、と。その事実が起こったことの見せ方はうまかった。
新聞社に送られてくるFAXという手法はすごいな、と。

人を呪わば穴二つとは言いますが、復讐をして人に害を与えようとするのは自分に対しても落とし穴を掘っているのと同じで、自分を害していることとも同義なんだな、とムヒョクの人生の切なさに胸が痛むのでした。

 

ごめん、愛してるが見れるのは・・・