【中国・香港映画】少林寺 4Kリマスター版 の感想 凄い人がいっぱい

「少林寺 4Kリマスター版」を見てまいりました~

なんてこった!
これは超人大博覧会かい!?

いやーリー・リンチェイ大好きなのに、彼のデビュー作の少林寺は初めて見たんです。昔カンフー映画未体験の頃に、香港映画を見あさってまして、スウォーズマンという映画に出会い、そこでリー・リンチェイの動きの美しさに心を奪われ、それからはすっかりカンフー映画の魅力にどっぷりハマって行った私。そしてどんどん好きな映画の間口が広がって今に至るという感じ。

彼が18歳頃の動きを見たらほんともうため息モノでしたね・・・
もちろん彼だけではなく、師父も他のお弟子さんも最高にキレッキレ、もちろん悪役の方々もで、そこらじゅうで凄い技が繰り広げられるさながら超人博覧会?展覧会?選手権?を見せつけられている気持ちになりました。あっちもこっちもすごくて目が回る。そうそうこれが中国って感じ。自分は動いてもいないのに、鑑賞後にちょっと疲労感を感じたよ!

そしてそのキレッキレの動きに合わせた効果音も凄くて、終始ニヤニヤしながら見てしまいましたね。吹き出しそうになったシーンもあったんだけど、そんなの私だけかしら?ラストの戦いで、相手が馬の鞍のところから剣を抜いたら、リー・リンチェイの飛び降りた地面にちょうど剣が2本あるのとか、あまりにも都合が良くて笑ってしまったりとかそういうのがツボにハマるところがいっぱいあったのでした。たまらん。

あと、師父の微笑みの癒し度が100%って感じで、最高に好きだったな~ おおらかなところも良いし。私も「師父~~ 師父~~」ってまとわりつきたかったです。
あとは若きリー・リンチェイのキュートな笑顔と繰り出す凄い技のギャップが最高で、そうそう彼を始めて見たときも、このギャップにギャフンってなったんだったわとその気持ちを思い出しましたね。ときめき(壊)

ストーリーは単純で、隋の末期、鄭王に父親を殺された小虎が少林寺に逃げ込み、復讐のためにタン師父の弟子になるんだけど、僧として殺傷はしてはいけないという規律と葛藤しつつも最終的には敵を倒して、これからも少林寺で僧として鍛錬していくことを決意するという感じ。師父の娘との淡い恋なんかも描かれてて王道な成長ストーリーです。

分かりやすくてとてもいいし、まあストーリーは二の次で、カンフーアクション部分が非常に見ごたえがあって満足いたしました。むしろお腹いっぱいと言えるくらいの分量があったかもだけど、わたしは身体の美しい動きを見るのが大好物なので、実に堪能させてもらったなあという気持ちでいっぱい。

武術をたしなんでいる人の立ち姿は非常に美しいですよね。地に足がついているというか体幹がしっかりしているというか。いやもうマジで凄かったな。動きもだけど、小道具類っていうか、槍とか剣のしなり具合も最高。
少林拳はもちろん良き!だけど、個人的には地躺拳に心惹かれちゃう。カンフー熱が上がっちゃうな~ あと練習してる間に季節が巡って行って、年月が経つのを表すって今も中国映画でよく使われるよね~

ところで公開前は、3回くらい見に行こうかなと思ってたんですけど、すでに十分に楽しんだので1回でいいかな!は~楽しかった。大満足。今のアクション映画も好きだけど、生身のアクションの良さっていうのもやっぱり確実にあるよね。素晴らしい。この頃のカンフー映画をもっと見たい病に罹りました。

 

⇒Netflix






【中香映画】ソウルメイト 七月と安生 の感想 まるで境目のない世界

少年の君でいたく感動して、大ファンになってしまったデレク・ツァン監督。少年の君は結局3回見たんですが、気になっていた彼の前作「ソウルメイト 七月と安生」もやっと見てまいりました。

少年の君と二本立てで見たこともあってか、色々思うことがありました。デレク・ツァン監督の描きたいものは両作品に通じるものがあるなと思ったのでした。監督によってやり方は全く違うんだろうけど、彼の場合は違う題材を扱っても、「そこ」に光を当てた形になるのかもしれない。是枝監督もそんなタイプだと思ってるんですが、そういう方の作品は複数を見ることによって見えてくることもあるなあと思ったのでした。デレク・ツァン監督の場合は、性別とか関係なく、愛という言葉だけでは一括りに出来ないような、人間の親密な深いところで繋がっている関係性とかそういうものを描きたいのかな。それは私もとても興味のあるもののひとつ。どんな原作のものを扱っても、その人が心に中に留めている部分にフォーカスして作り上げていくものだろうから、だから、デレク・ツァン監督がこれから作っていく作品も私はきっと好きなんだろうなと想像したのでした。まあつまり、ソウルメイトも少年の君のようにとても好きだったということです。

そして、少年の君を見たとき、私はいじめ部分のことよりもそういう辛い状況に追いこまれた時に出る人間のギリギリの本音の部分であぶり出された二人の関係性に目が行ったんだけど、友人はいじめの部分にフォーカスしたみたいであんまり好きじゃなかった・・・と言ってたんですよね。もちろんどんな感想を持ってもそれぞれ正しいんですけど、その人はそれまでわりと志向が合う方だったので、あらと思ったんですね。そして、監督が映画の前後におそらく当局からの指導で入れたであろういじめの啓発的な映像の部分も入れることをいとわなかった理由も理解したんですね。それを入れたところで、彼の表現したかった本質が変質することはなかっただろうから。

さて、ソウルメイトに戻ろう。七月と安生の関係性というものが、非常興味深い描き方をされていましたね。確かに違う人間であり、人格なんだけれど、浸食しあう関係というか、境い目のない二人というか。だからジアミンが酷い男だ!なんて感想もあるんだろうと思うし、三角関係というものはありがちなものだけれど、この場合は彼が悪い人だと言い切れないような感覚に陥ったんですね。彼が二人ともに惹かれる気持ちが分かってしまうような感覚。七月の中には安生がいて、安生の中には七月がいて。七月を好きな気持ちも本当だったと思うので、彼女の安生への思いを彼も追体験してしまうような、不思議な関係のように思ったのでした。反対に安生からジアミンへの思いも七月からの彼への好意を通して見るジアミンへの思いみたいにも思えたし。彼女たち二人は全然違う性格なんだけれど、どこかその正反対さをお互い孕んでいるような、二人でひとつのような、そういう部分を彼も感じ取って、ああいう三角関係みたいになってしまったのではないかと思ってしまった。現在の常識として、男女1対1でしか結婚出来ないし、それが常識だと思っているから、本人も嫉妬に苦しむことになるから可能ではないのかもしれないけれど、例えばもっと自由な思考の世界があって、彼らが3人で暮らしていくことが許容される世界なら、案外うまく行ったのではないかなんて思ってしまった。どうなんだろ?

ラスト近くになって、次々と明かされていく真実は、実はところどころにヒントが隠されていて、ペコちゃん?みたいな赤い缶の中に安生が持っているはずのない方の絵葉書が入っていたのを見た気がして、そこで薄々気づいて驚かなかったんです。しかし、人生を交換してあげるというセリフがそんな部分までと胸に刺さって痛かったり、ひどい言葉を相手に対して言っているのに、そのせいでまるで自分が傷ついているように見えるのも胸が痛かったり。じくじくと切なく苦しいけれど、優しさも感じるという不思議な感覚に陥りました。

ところで、七月の子ども時代を演じていた子役ちゃんは、少年の君でも英語学校の生徒として出演していましたね!姚欣言ちゃんというらしい。とても可愛い。注目しておこう。

あと、キャスティング。チョウ・ドンユイはぴったりで軽やかで良かったのはもちろんなんだけど、マー・スーチュンが七月のような役を演じるイメージが無かったので驚いちゃった!チョウ・ドンユイは安生が似合ってるけど、おそらくマー・スーチュンは七月でも安生の役でもどちらでもうまく演じただろうななんて思った。ほんとに器用な女優さんだなと思いました。

これももう一度くらいみたら色々また発見があるんだろうな。すでに配信も始まっているみたいなので、また落ち着いたらゆっくり見てみたいです。

 

ソウルメイト 七月と安生が見れるのは・・・



【中国映画】唐人街探偵 NEW YORK MISSION の感想 人気シリーズの2作目

唐人街探偵 東京MISSIONを公開当時に見逃しちゃってたので、唐人街探偵 NEW YORK MISSIONを先に見ちゃうことになるな~と思って見に行ったら、なんとNEW YORK MISSIONの方が2作目で、東京MISSIONが3作目だったという!なので、順番に見れてラッキーてなことになりました。配給会社が違う関係もあって公開が前後した様子。どうやら1作目は日本で未公開となってるみたいだから、この機会にこちらも公開して欲しいものです。どうせ順番逆になってるんだし、配信でもいいからお願いします。

ポスターで、妻夫木聡が今回のメンバーかのように思わされますが、確かにちょっとは出て来るけど、本当に少しだけでビックリします。やっぱり日本で公開の際には日本人の出演者を誇大広告するものなんですな。まあそれはおいといて、彼の中国語がすごく上手!英語よりも中国語がうまい~ なので、きっとたくさん出番があるであろう東京MISSIONも見たくなりました!

さて、この映画は探偵ものだけれど、コメディーなので、中国映画らしくナンセンスギャグがかなりぶっこまれて来ます。でもそのギャグのパートを担うのがタン・レン役のワン・バオチャンで、チン・フォン役のリウ・ハオランの冷静な頭脳がそれを中和するというバランス。この調和と、そしてスピーディーなストーリー運びが、うわっと視聴者を物語の中に有無を言わさず巻き込んで連れて行ってくれる感覚が心地よいです。

探偵がいっぱい出てくるので、まあ1作目を見ていないと誰が誰やらという部分はあるんだけど、その辺はあんまり分からないまま見てても大筋は大丈夫って感じ。
いやーしかし、NYの街中で追いかけっこをするシーンは、なかなかお金がかかってそうで凄いな~。エンディングのみんなで踊ってるシーンとか普通に楽しそうで、仲間に入りたいと思っちゃうのは私だけ?

ラストでも完全に東京MISSIONへの布石がうってあるので、2作目の撮影中に3作目の製作が完全に決まっていたんだろうな。さすが、本国でかなりヒットしたというのが分かるような勢いのある作品でした。慣れ親しんだノリでとても面白かったです!

 

唐人街探偵 NEW YORK MISSIONが見れるのは・・・

【中香映画】SHOCK WAVE ショック ウェイブ 爆弾処理班 の感想 うわああああ

あ~完全に油断したなあ。この映画「SHOCK WAVE ショック ウェイブ 爆弾処理班」。見る前にこの映画の2もあると知ってたから、平和に終わるんだろうと思ってたら全然違いました~ そうだった香港映画はこういう容赦のない描写しがちだったなと思い出しましたよね。視聴後はやるせない気持ちになって、わりとダメージを受けたね・・・ 軽い気持ちで見て、私みたいにならないように元気な時に見るのをおススメします。

それじゃあ一体どうやって2に続くんだ!?と思ったら、男たちの挽歌の双子の弟いたとかいうノリではなくて、アンディ・ラウが主演で爆弾処理班なのが同じだけで、役名も違い、設定も全く別のストーリーだそうです。あ~なるほどね~

最初は潜入捜査から始まり、それが発端となり、犯人の警察への復讐劇へと繋がって行く訳なんですが、犯人の兄弟の気持ちのすれ違いやら、警察官の家族の描写などもあり、関わる人たちの心情も丁寧に描いていて、感情を揺さぶられる感覚があります。そしてもちろん、多数の普通の市民を人質にしたような海底トンネルを占拠しての爆破劇などは緊迫感と迫力があります。狭い土地で人口が密集しているからこその設定というか、香港らしい描写だなと思ったりもするのでした。

しっかし、アンディ・ラウって一体今は何歳なんだろう?と考えてしまうくらい、ずっと印象が変わらないし、この映画もプロデューサーにも名を連ねていて制作意欲も旺盛だし、素晴らしいですね。ちなみに調べたらもう60歳!マジですか!?
でも、この間見たクリント・イーストウッドのクライ・マッチョは彼が91歳の時の映画だし、まだまだこれからなのかもしれない。期待している。

ところで、チョンの手下のベン役のロン・ンをどっかで見たことある・・・とずっと考えてたんだけど、ジェリー・イェン主演のドラマ「最高の元カレ」に出てた人だ!と思い出しました。ちなみに彼はこの映画の2にも出演してるみたい。

警察の使命感などをあんまり直接的に描かれると、ふ~んってなってしまう時もあるんだけど、この映画ではすんなり見れた気がします。警察という以前にあれだけたくさんの人の命がかかっていると人間として助けたい気持ちが分かる気がするからかな。あの究極の選択をあんな極限状態で迫られたら、私は一体出来るんだろうか?とそんなことを考えてしまいますね・・・

 

SHOCK WAVE ショック ウェイブ 爆弾処理班が見れるのは・・・



【中国映画】恋するシェフの最強レシピ の感想 出てくる料理もおいしそう!

また映画の感想に戻っちゃいますが!「恋するシェフの最強レシピ」はなんだか割と良かったんですよね~

少年の君」を2度も映画館に行ったくらい好きだったもんで、それまでほとんど興味が無かったチョウ・ドンユイのファンになってしまいまして、彼女の出演作を見たいなと選んだんですね。お相手役が金城武ってのも気になるし。

原題の「喜欢·你」が「恋するシェフの最強レシピ」になるのはちょっとな、といつものように思うところもあるんだけど、まあでもまだありかなという気もする。いや、本当は嫌だけど、ラブコメ感を前面に押し出したいのだろうなと推察はします。

料理を通して理解し合うっていうの、なんだか料理が二人だけの言語みたいで素敵だなってそんなことを思った。最初は料理がおいしいから、ルー・ジンはそれを作り出すシェフ=ションナンに興味を持つんだけど、その顔も知らない相手との無理な注文とそれに答えた料理のやり取りが親密なコミュニケーションへと発展していく過程がとても面白かったです。

この映画も絶妙なキャスティングに支えられた作品だなと思いました。はねっかえりのションナン役のチョウ・ドンユイも、変わり者のルー・ジン役の金城武も一歩間違えたら面白みも可愛げもないウザイ人物像になったと思うんだけど、そこはさすがで、キュートなんですよ。二人とも。だから楽しく見れたし、ラブコメとして成立してる感があります。

サブキャラ達も有名俳優さんが出てます。ルー・ジンパパには、チャン・チェンのパパの張国柱だし、ルー・ジンのおかかえシェフがリン・チーリンだし。ルー・ジンの秘書役でスン・イージョウなんかも出てます。ここでは本当の普通のいい人役で良かったね。私が見るときは彼はなんだか変に癖のある役が多いので、意味もなく安心したりして。

そういう内容に色を添えてるのが、美味しそうな料理の数々です。高級そうな料理も良かったけど、そんな中でも結局印象に残ってるのが、火鍋とラーメンだったりして、料理そのものだけよりも誰と食べるかという周りの事柄が大きい要素を占めるのかもしれませんね。それは映画の中だけの話ではなくてね。

 

恋するシェフの最強レシピが見れるのは・・・