【韓国ドラマ】死の賛美 の感想 真に生きるために死を選ぶという二人のお話

「死の賛美」の視聴を終了しました。心中する二人のお話なのだけれど、不思議なくらい彼らがその死を選ぶ前から生の匂いがしないのだった。人間味がないというのだろうか。美しい絵画を見ているような感覚。

彼らの選ぶ死は八方塞がりの中、まるでそれしか方法が無いかのように必然的に起こる美しい結末のようにも見えるのだけど、彼らが有島武郎が心中を選んだと言うことを知らなかったら選択肢にならなかった気がする。知識があると選択肢が増えることにより精神の自由度が高くなって最適解を得ることができるものだと思っていたんだけれど、もしかするとそうとは言い切れないのかもしれないのだな、なんて思ったのだった。分からない。彼らにとっては「真に生きるために死を選んだ」のだからこの結論が正しかったのかもしれないけれど。

 

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ただひたすら人間の汚い部分を省いて二人の愛が選ぶモノを崇高に描きすぎるような気がして、あまりにもファンタジーのお話のような気がしてしまう。彼らの愛が無機質に見えてしまったんだけど、もしかして表面には表れない激情が根底に流れていたのでしょうか?私にはどうも伝わってこなかったのです。

あと実話を基にしたドラマらしいんですけど、ユン・シムドクが留学してまで音楽を学ぶような家庭環境に見えなかったんだよな。食べることにも事欠くような状態で、音楽に触れる機会があるかな?そしてそれを親が学ばせようとするかな?それも3兄弟全員にって言うのがなんだか不自然に思えてしまうような気分。うーん。お金持ちだった人が落ちぶれてあの状況だというならわかるんだけど。学校で音楽に触れたってことかな?余裕のある家庭じゃないと音楽の才能にまで目が向かない気がしてしまう。でもこれはわたしの感覚なので、あの時代の韓国では普通のことだったのかもしれない。そういう時代背景、状況などをもっと知りたいなんて思っちゃう。

そんな感じで二人の姿は非常に美しかったし、切なさも満載でまさに死の賛美って感じではあったのだけど、「生」との対比が無い「死」って印象を受けたんですね。そうか、もしかしたら生前から自分の意思を貫くことが出来ずに死んでるように生きていたから彼らとっては「死」はあの世への境界線ではなかったのかもしれない。そう考えるとなんとなく納得できる気もする。

キム・ウジン役のイ・ジョンソクもユン・シムドク役のシン・ヘソンも古典的な服が似合ってそれは素敵でした。シン・ヘソンが今まであまり得意ではなかったけれど、この役にはピッタリでしたね。とてもお綺麗でした。

パク・スジンはあなたが眠ってる間にの監督だったので、その縁でイ・ジョンソクが主演したそうですね。彼らの切ない恋に浸ることが出来たならとても良いドラマだと思うし、彼の演技も憂いを秘めた感じは良かったな。残念ながら私は浸りきれなかったなあ・・・

あと、日本語の発音などはわりと良い感じだったんだけど、手紙の宛先部分が差出人になっててそこはちょっと惜しかった~ ちゃんと漢字だったんだけどね~ そんなことばっかりチェックしちゃうんだな・・・

美しい映像と二人の悲恋の切なさをまっすぐに受け止めることが出来ればとても素敵なドラマだと思うんですが、自死というものを美しく描きかれ過ぎることに私はなんだかぞわっとする不安のような違和感を覚えてしまって不思議な気分で見たドラマでした。

 

死の賛美が見れるのは・・・
⇒Netflix

【韓国ドラマ】ロマンスは別冊付録 の感想 素敵なセリフがたくさん出て来るよー

ロマンスは別冊付録を視聴しました!いやーやっぱりイ・ジョンソクはロマンチックなのが似合って素敵だなってしみじみ思わされてしまいました。彼ってすっごい美形っていうより雰囲気イケメンだなと思ってるんだけど、その彼の持つ雰囲気がこのドラマのチャ・ウノという役とリンクして非常にはまっていました。年下の彼氏役が似合うっていうか、若いけどしっかりしてて頼りになる年下の男が似合うんだと思うんだよなあ。そういう理想を体現してくれる感じがあるわー

 

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ヒロインのカン・ダニ役のイ・ナヨンとの相性も非常に良くて、とっても素敵な二人でした。イ・ナヨンの声も良くて「ウノや」ってちょっと甘えと親しみを含んだ呼ぶ声が最高に可愛い。そしてダニのちょっとおばさん感とキュートさを失わない感じも非常にうまく表現されてていいんだよなあ。やっぱり年下の男は綺麗なヌナを好きっていうのがいいじゃないですか。そういうドラマっぽい定石がしっかり綺麗に表現されててめっちゃ良かったなあ。親しみを感じられる部分とロマンチックな部分のバランスもとっても良かったし!

あと、私が一番良かったなと思ったのは、姉と弟としての感情を持っていた二人が恋愛感情を持つにいたったのかという過程が非常に丁寧に描かれていたことです。小説や詩が沢山出てくるので、それとリンクして語られる彼らの心情にこちらの感情も揺すぶられてしまう。あと離婚を経験することで求める愛のカタチが変わることもあるんだろうななんてことも思ったなあ・・・

「月が綺麗ですね」とか「冬から春に変わる正確な瞬間が分からないように、いつ好きになったのかははっきり分からない」とか、心に残るセリフがいっぱいありました。小説や詩の引用も多くてとっても素敵なんです。あと、古い本が最近変わってきたのは、本自体は変わっていないけど、自分が変わったからだっていうセリフが出てくるシーンみたいに人間を「本」に例えているのも興味深かったですね。出版社が舞台ということもあって本についてのお話がストーリーに絡めてあるのが楽しかったなあ。私も本が好きなので、そういうのが嬉しかったし、なんだか本を読みたくなっちゃうドラマでしたよ!

しかし二人の関係の中でひとつ気になったのは、ダニの娘のことが徹底して描かれないことでしょうかね。韓国ドラマでは留学してる設定が多いけど、そんなに小さいころから子どもだけで留学されるのって多いのかなあ?でもまあロマンチックさを前面に置くためにはいっそ潔いくらい棚上げしてしまうしかないのかなとも思いますが。

そしてサブキャラ達も非常に個性的でみんな素敵だったな!ラブコメのコメディー的な部分は彼らが担ってた感じ。

キム・テウの演じる代表はいきなり男たちの挽歌のチョウ・ユンファで笑った。マッチくわえてるし。こんな人が代表だからキョル出版とっても楽しそう。そうそう出版社の内装もとっても素敵だったなー!

キム・テウがこういう明るい役を演じてるとなんか嬉しい。その冬、風が吹くのムチョルの悲しい役のイメージが強いからかな・・・

そしてめっちゃ好きなキム・ソニョンが創立メンバーのソ・ヨンア役で出てたのも嬉しい。なんかパワーがあって好き。

考えてみたら創立メンバーはみんな個性的だったな・・・ あとはキム・ユミとチョ・ハンチョルだもんな。彼らに全く負けてなかったイ・ジョンソクすごい。

 

ソン・ヘリン役だったチョン・ユジンはイ・ジョンソクとW-君と僕の世界-でも共演してましたね!あのドラマではあんまり印象に残らない感じだったのに、ここではちょっと極端な役がうまい具合にはまってて良かったです。無表情だと怖い雰囲気なので感情が激し目な役の方が似合うかもー

まあその他のサブキャラ達も非常に濃いキャラなんだけど、なんかうまくまとまってたなー 散漫になってしまいそうだけど、本づくりに対しての情熱が彼らの真ん中に背骨として通った形でストーリーが展開していったからかもしれないな。

 

最近、夢中になって一気に見ちゃうドラマがあまり無かったんだけど、このドラマはとっても私の好みであっという間に見ちゃいましたよー やっぱりイ・ジョンソクはこういう役が似合うなあ。ロマンチックなラブコメを堪能しましたよー とっても面白かったです!

 

 

ロマンスは別冊付録が見れるのは・・・
⇒Netflix


【韓国映画】僕らの青春白書 の感想 1980年代の地方都市が舞台の青春映画

映画「僕らの青春白書」を見ました!イ・ヨヌ監督の作品なんですが、以前見たことのある亀、走るも同じ監督の作品のようです。ほのぼの系が得意なのかな?1980年代の韓国の地方都市が舞台の青春映画なのですが、もっともっと前のファッションに感じてそれよりも前の時代を背景にしたものかと思ってました。イメージではなんとなく裾が広がったパンツなんてもっと昔な気がするんだけど、日本とはまた違うかもだし、ソウルと地方都市とかは違うのかもしれない。

 

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ともかく主演陣は今をときめく人気の顔ぶれが出演していてとても豪華です。イ・ジョンソク、パク・ボヨン、キム・ヨングァン、イ・セヨンの4人を軸に物語が展開していきます。

モテ男のジュンギル役のイ・ジョンソクは、ちょっとダサさが足りなかったなあー。喧嘩に弱くて逃げ回る姿とかは良かったんですが、普通にキレイ過ぎる気がして、イマイチ昔のダサさが物足りない。方言もあんまりかな。うーん。

まああれ以上どうすることも出来なかったのかもしれないけど、一緒につるんでる3人組のあとの二人がいい感じにダサいので、彼だけがすっとし過ぎたように感じて浮いてしまってちょっとつまらないのだった。

クァンシク役のキム・ヨングァンは、カッコつけた番長を思いっきり演じてくれてた感じ!シャツの前を開けて柄Tシャツを着るのが不良の印なんですかね?あの本人としてはめっちゃかっこつけてるんだけど、まわりで見てると気恥ずかしい感じ、青春だなあ・・・ めっちゃパンタロンなズボンなんだけど、身長があって足が長いので妙に迫力があったわ~

ヨンスク役のパク・ボヨンがとても良かったです!ト・ボンスンでのキュートだった彼女のことを思うと、体は小さいけど迫力のある女番長が素晴らしかったなー。突っ張ってるけど一途な女の子って最高に好きです。

おバカなジュンギルは、全然本当のことが見えてないんだけど、この世代って特に男の子より女の子の方が思考が大人っぽいのよねえ。

ソウルからの転校生ソヒ役のイ・セヨンもなかなか良かったです。しかし、いくらソウルから来たとは言え、この時代に高校生のピアスはまだのような気もするなあなんてことが気になったり。まあ、彼女も実はかなりのワルだったという設定なので、そのせいなのかもしれないけど。しかし、イ・セヨンは美少女とワルのどちらも演じられるイメージなので、この配役とてもうまいなあと思いました。

そして脇役でとってもいい味を出していたのが、先生役のこの二人。最高にその時代の人でした。この空気感を醸し出せる彼らは本当にすごいよなあ。彼らがいることで映画の雰囲気がずっとアップしたと思う。

 

内容は可もなく不可もなく。ジュンギルを一途に好きなヨンスク。モテ男を気取っているジュンギルはまだまだガキっぽくて色んな事情が分かっていないでちょっと拗ねて生きてるんだよな。あの感じが青春なのかもなあ。あとで振り返ると「馬鹿だなあ・・・」って恥ずかしく思っちゃうんだけど、その時は分からないんだな。

強烈に心に残るような映画ではないけど、最後もハッピーエンドで見やすいし、お目当ての俳優さんがいる人が見るには良いと思います!

 

僕らの青春白書が見れるのは・・・
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【韓国映画】観相師 -かんそうし- の感想 時代の流れというものは人の能力を超えたところにあるのだ

映画の「観相師 -かんそうし-」を見ました!Gyao!で配信してたので、そういえばこれ見たかったやつー!と飛びついたのでした。モチーフは「観相」なんですが、時代背景は違うけれど、ドラマの王の顔でも扱われていましたよね。手相とか観相とか要はこういう相を持っている人には○○な人が多いという事象を集めた統計学だと思うので、絶対的なものではないけど、母数が多ければある程度信憑性が高くなるのかもしれないですね。

 

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それにしてもキャストが豪華で凄いです。ソン・ガンホ、チョ・ジョンソク、イ・ジョンジェ、イ・ジョンソクなんて一人で主役をはれる役者たち。そんな俳優さんが脇役を演じているので、見ごたえがあるに決まっているのでした。見る前に知っていた出演者はソン・ガンホとイ・ジョンソクだけだったので、見てる途中でどんどん出てくる大物に豪華~と驚きました。

キム・ヘスが芸妓姿がとても美しくて迫力。ネギョンをこき使おうとだまして取った証文を盾に今度は首陽大君の額にほくろを作るのを手伝わされるという話の流れが非常にうまく出来てて感心してしまいました。

その他の点でも伏線がきちんと回収されていて、この映画は脚本がとてもよく出来ているのです。ネギョンの義弟のペンホンについてが最後まですごかった。ネギョンの観相で、ペンホンの喉仏は短気を起こして失敗すると言われているんだけど、官吏になりたい甥のジニョンにこっそりと都に行くお膳立てをしてしまい(ジニョンは観相によると官吏になると不幸になる相が出ている)、ジニョンは無事に官吏になるもののある出来事があって視力を奪われる、そしてそれをペンホンがキム・ジョンソのせいだと早合点して首陽大君にキム・ジョンソが彼を討つ計画を立てているとチクリに行く(実は首陽大君のしわざ)、その結果キム・ジョンソが殺され、ジニョンは不幸な最期を迎える。そしてペンホンは喉仏を自分でつぶす、という流れ。

抗えない運命の大きな流れに翻弄される姿がとても怖かったのでした。

ネギョンの息子役のジニョンを演じたイ・ジョンソクも薄幸な感じが非常に似合う。最近堂々とした役ばかりを見ていた気がするのだけど、意外とこういう不幸を一身に背負った雰囲気も出せるのだと発見した気分です。

古装も割と似合うんですねえ。初めて見た気がする。多分。しかしジニョンが最後まで気の毒な役でした。首陽大君はネギョンを殺すよりも息子を殺す方がネギョンのダメージが大きいことを知っていたので、矢をジニョンに向けたのでしょうか・・・

散々、「首陽大君は逆賊の相だ」と聞かされつつも、首陽大君の登場はじらされるんですが、イ・ジョンジェが出てきた時にわーおって思いました。傷もいっぱいつけていかにも悪そうにメイクしてあるせいもありますが、私が想像していた逆賊のオオカミの相の期待に応える顔だったので、ちょっと興奮しました。いかにも悪そうで最高でしたな。こういう時は先にキャスティングを知らない方が楽しかったりしますねえ!

そしてちょい役の内官役に見覚えのある顔が!秘密の森のキーになる役だったユン課長じゃないですかー イ・ギュヒョンも気になっている役者さんであります。

 

最初は田舎の貧乏だけどほのぼのした家族ののんびりした風景が、都に行ってからの時代に翻弄され具合のスピード感が凄かった。見ている方も一緒に巻き込まれたような感覚を味わうのはその対比が効果的に作用しているせいだろうな。大切なものを失い、自分の力の限界を知り、一つの時代の移り変わりを体験した後に海を眺めるネギョンの表情に表れた感情は何だったんだのだろうか・・・ 無常感だったのかな。

 

観相師が見れるのは・・・

【韓国ドラマ】私が一番きれいだったとき の感想 たった数日でも一生忘れられない恋なんだろうな

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KBSのドラマスペシャルの1話ものですが、イ・ジョンソクが出ているので見たいな~と思っていた『私が一番きれいだったとき』を見ました。まだまだ初々しいイ・ジョンソクの魅力が溢れます。やっぱりこの頃から独特の雰囲気があるなあと思うのでした。

 

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彼女の入院の付き添いで病院でいたジョンヒョクは、同じ病室の夫も子どももいるシネに一目ぼれ。余命宣告を受けているシネにそんなことは関係ないとただ自分の思いを告げるジョンヒョク。優しいけれど自分を病人として扱う夫と強引だけれど自分を女として見てくれるジョンヒョクの間で揺れるシネ。そして最後に彼女が選んだ生き方は・・・という感じのあらすじ。

若さゆえかかなり強引なジョンヒョクがなかなか魅力的。不倫といってしまうとそれまでだけど、ただ誰かを好きという衝動を素直に表現する彼にはどこかやっぱり惹かれてしまうかも。若さとか歳とかの問題だけではないけれど、やっぱり年齢を重ねるごとに固定概念や常識やそういうものに縛られてしまうものだから。

ひょうひょうとして熱さなんて全く感じさせない容貌なのに、視線だけが雄弁に思いを語るのです。こういうギャップがイ・ジョンソクの素敵なところだなあ・・・ この役もとても良かったな。

シネが入院する前に自宅にいる時に、息子が着替えだっけか、トイレに行くときだっけかにママじゃなくてパパを呼んで手伝って~と言ってるのが悲しかった。シネはほとんど病院にいるから息子ともあんまり触れ合えていないのがそれだけで伝わって来てなんだか切ない。

本当は私たちは有限の時間を生きているのに、その期限が突き付けられないとそのことに気づかない。だから本当は癌で余命宣告された状態も、今元気だけど明日は何が起こるかわからない状態も同じなのだと思う。その先がなんとなく見えているか、全く分からないかだけで。そう考えるとどんな状態でも関係なくてただ毎日を精一杯どう生きるかだけなんだな、と思ったのでした。

だからシネは、最後に『病人のシネ』を捨てて、『ただのシネ』を生きようと思ったのだと思う。そしてジョンヒョクの彼女への思いがそれを選ぶ勇気をくれたのかな、とそんなことを思うのでした。

 

 

↓英語字幕版はKBS WORLDの公式動画で見れますよ~!

私が一番きれいだったときが見れるのは・・・