【韓国映画】新しき世界 の感想 韓国ノワール映画の潜入捜査もの!最高!

韓国映画の「新しき世界」を見ましたよ~ これは正しく韓国ノワールというジャンルの映画だな~と思いました。おじさんばかり(失礼!)だけど渋くてたまりませんね!!! それぞれ癖のあるキャラに目が釘付けになること請け合いです。とても良い~

 

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タイトルも秀逸でプロジェクト名の「新世界」でもあり、イ・ジャソンにとっての「新世界」への一歩でもあるわけです。こういうのを見ると映画本編だけでなくてタイトルだって非常に大切な作品の一要素なんだと実感しますなあ。

ノワール系の映画ではよくあるとも言える潜入捜査モノなんですけども、警察、犯罪組織ゴールドムーンのメンバーそれぞれの思惑が絡み合って非常に見ごたえがあります。

イ・ジョンジェが演じるイ・ジャソンが潜入捜査官なんですけども、もう10年近く組織に潜入しているので、警察官としての任務と組織の兄貴分との間で気持ちが揺れ動いているんですね。中国の潜入捜査モノだと国への忠誠心がもっと強力に描かれることが多いのかな~って思うんですが、この映画は一味違う。このジャソンの心の動きがこの映画の肝だと思います。なんとなく私が今まで見たイ・ジョンジェは高慢で人を見下ろすような役が多かったので、不安そうに揺れる瞳の演技を見るのが新鮮でしたねえ。ハウスメイド観相師だから、まあたまたまですね。

そして素晴らしい演技だったチョン・チョン役のファン・ジョンミン。義理堅い、いい人風なノリの、でもやっぱり極道っていうこの人物にこんなに見事に息を吹き込むことが出来るのは彼だけなんじゃないだろうか。アクシデント・カップルのドンペクみたいな実直な公務員も演じられるし素晴らしいですねえ。

彼がゴールドムーンの中の華僑系のグループで、その下の弟分としてイ・ジャソンが潜入しているという。チョン・チョンとジャソンのやり取りが迫力がありますね。軽口だったり信頼感だったり、駆け引きだったり。彼の捨てきれなかったジャソンへの愛情がしみます・・・

ジェボム組出身のイ・ジュング役のパク・ソンウンもこういう役がお得意だなー 華僑系のチョン・チョンと韓国系の彼の対立の構図も分かりやすくて良い。そうじゃなくても潜入捜査官やらなにやら意外とたくさん出てきますからねー

そしてジャソンを潜入捜査官として送り込んだカン課長(チェ・ミンシク)。もうね、警察として組織壊滅という大義のために動いているのは分かるのですが、潜入捜査官を辞めたいというジャソンに家族を盾にとって脅迫して続けさせたりとやり方が全くもってヤクザと変わらないんですよねえ。人の弱みを握って思い通りにするっていうのがね。裏切れないようにジャソンに監視もつけていたりね。

この辺りが皮肉を効かせたところでもあって、ラストのジャソンの選択に繋がるんだろうな~とは思うので、とてもよく出来ていますねえ。感心する。

組織の壊滅のためには自分たちの武力を使わず内輪もめさせるっていうのは兵法で非常に有効ですし、カン課長が一番の策士ですな。しかし結局は返り討ちに合うんだな・・・ でもそういう流れも納得で、私もジャソンと同じ立場にいたらそうするかもしれない、なんて思っちゃうなあ・・・

 

いやー、一気に見れちゃうとても面白い映画でしたな。めっちゃ痺れたなー!

 

新しき世界が見れるのは・・・