【中国ドラマ】Burning Ice<バーニング・アイス>-無証之罪- の感想 完成度の高い刑事ものサスペンス

最近、中国の刑事ドラマが面白いと聞きますが、その先駆けとなったのが、このバーニングアイスだそう。話題になっていたので期待して見始めましたが、そも思いを裏切らない面白さでした。好みでしたねえ!

原作が中国の東野圭吾と評される紫金陳(ズ・ジンチェン)で、原作も巧みで素晴らしいのだろうけど、映像化にも成功していると言えるんだろうな。雪に覆われた街、そして俳優さんたちの演技の素晴らしさが非常にマッチして、ドラマの世界に心身ともに引き込まれる感じがする。

とにかく、主役の三人が素晴らしいんですよねえ。もちろん他のキャストも良いんですけどね。厳良(イェン・リャン)を演じた秦昊(チン・ハオ)はもちろんですが、朱慧如(ジュー・フイルー)を演じた鄧家佳(ドン・ジアジア)のどこか薄幸さを感じさせる風情も最高だし、代旭(ダイ・シュー)演じる郭羽(グオ・ユー)の巻き込まれてニッチもサッチも行かなくなる様にああっと思いながらも目が離せない。彼がどんどんと悪に巻き取られて抜け出せなくなっていく姿というのは人間の弱さや欲というものがあまりにも色濃く表現されていて、見ているのが苦しいほど。

あとこのドラマが良かったのは、最初に起こる事件を皮切りにして、それに端を発する事件が続いて行くことですね。なので必然的に登場人物の彼らのこと、事件の内容を深く描いているので、見ごたえがある。どうしても最近の刑事ものというと、本人に関係する事件と同時進行で、他の事件のエピソードも入って来てそれを解決してまた関連のある事件に戻っていくみたいな流れが多くて、それも面白いもののどうしても散漫になってしまう部分もあるので、その点ではこのドラマはミステリーにも没頭できる環境が整っているといえるのかもしれない。

とにかく脚本が緻密で無駄がない。「主人公に関連する人、例えば同僚とか家族とかが死ぬ」というのはミステリーではよく見られる手法な気がしていて、必然性もなく多様されている時が多くあまり好きな展開では無いんです。でもこのドラマでもそれが用いられているものの、ストーリーとしてそこは必然であり、それまでとそれからの厳良の行動にきちんと関連がしているので、納得感があると思える。その点では、同じ中国ドラマの「見えない真実」はピンと来なかったな。というかバーニングアイスの完成度が凄すぎるのかもしれないなあ・・・

ところで、チン・ハオといえばどこかで見たなあと思ったら、ブラインドマッサージでした。黄軒は健常者ながら盲人を演じているのは知っていたけど、彼もそうだったんだなあ。あの映画見てて、誰が健常者だったのかそうじゃないのかなんて全然分からなかったんですよね。なるほど、彼の演技が凄かったんだなと改めて知りました。という訳でチン・ハオの出演作をもっと見ようと思います!そして、ドン・ジアジアも見たことある気がしたら、CHOSEN 終わりなき殺人ゲームでした!ああ、悩みとまどい震えながらもどこか芯のある姿が似合うのかもしれない。その姿がまた美しいんですよね・・・ このキャスティング本当に素晴らしいと思います。

中国の刑事もののドラマを他にも見たんですけど、やっぱりこのバーニングアイスが群を抜いて素晴らしいと思います。私はとてもとても好きだったし、見ごたえがありました。

 

Burning Ice<バーニング・アイス>-無証之罪-が見れるのは・・・
⇒Netflix