【韓国映画】コンフェッション 友の告白 の感想 ヒョンテの疑心暗鬼が噴出するラストが苦しい

韓国映画の「コンフェッション 友の告白」を見ました。チュ・ジフンとチソンが出演しているので見なきゃ!思って見たんですけど、絶妙に心が苦しくなるような映画でしたね・・・ クライムサスペンスってうたわれてるんだけど、それよりも友人とは?とその定義について考えさせられるような気分になったのでありました。

 

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友達といいながら相手に対して本当は複雑な気持ちを抱きながらつき合っているというのはよくあることかもしれない。それでも何事も起こらなければそのままつき合っていけるのかもしれないのだけど。

ヒョンテ(チソン)、インチョル(チュ・ジフン)、ミンス(イ・グァンス)の三人は高校時代からの親友同士。ヒョンテの娘の誕生日にはプレゼントを持って集まったりと良い関係を築いている。しかし、保険外交員のインチョルがヒョンテの母親の願いを聞いて彼女の経営するギャンブル場に火災を起こすことで保険金をもらえるように計らい、ついでに親子の和解もさせようとするも、不幸なことにヒョンテの母親が命を落とすこととなる。警察が犯人を捕まえてくれないこと業を煮やしたヒョンテが自分で犯人を捜して復讐をしようとするが・・・というようなストーリー。

インチョルは見栄っ張りでちゃらんぽらんで一見悪い人に見えるんだけれど、実は一番友達思いな人だったことが分かってくるんですが、反対に消防士で品行方正に生きているように見えるヒョンテが友人たちを本当には信じていなかったことが分かるラストが苦しい。妻に聴覚障害者を選んだり、ギャンブル場を経営している母親の職業が許せなかったり、自分が善の方にいることをことさら強調するような生き方は本当は自分の心の闇を多い隠すためだったのかもしれないと思わされるのです。

結局、最後までインチョルとミンスは(それがうまくいったとはいいがたいけれど)友達のことを思って行動していて、でもヒョンテは最初から誰のことも信頼出来なかったのかな。だから高校時代の出来事をインチョルに伝えて信じていなかったと告白出来てしまうけれど、インチョルはあくまでもヒョンテの母親がインチョルに放火してくれと頼んだことは言わない。それを言ってしまったらヒョンテが傷つくと知っているから。

 

誰もすごく悪い訳ではないのに、最悪の状況に行きついてしまうのを見ているのが苦しくなる。チュ・ジフンが演じる偽悪的なインチョルが最初は過剰に見えたけれど、ヒョンテの告白を聞いて歪めた彼の顔が忘れられないほど印象的だった。チソンの抑えた演技も悪く無いけれど、チュ・ジフンに食われちゃったところもあるかな・・・ イ・グァンスはいつもの感じの役なのでまあ良かったですよね。しかし、三人が同級生っていうのはちょっと見えなくて最初は違和感ありましたかね・・・

韓国映画ってこういう苦しい人間の心の裏側みたいなのを描くのがうまい気がする。引っ張りこまれて一緒に苦しくなること多い気がするな・・・ それなりに元気があるときに見た方がいい気がする映画かもしれない。

 

⇒Netflix






【香港映画】コールド・ウォー 香港警察 堕ちた正義 の感想 前作の友情を感じさせたラストから一転!

「コールド・ウォー 香港警察 堕ちた正義」を視聴しましたよー!これはコールド・ウォー 香港警察 二つの正義の続編です。1作目が面白かったので期待しちゃいますが、これまた良かったですよ~ 主要キャストは変わりませんが、他に大物俳優がこれでもかと投入されるのでわお!って感じでございます。

 

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今回の始まりは、警官誘拐事件を解決したショーン・ラウ(アーロン・クォック)が出世して警察署長に、MBリー(レオン・カーフェイ)は息子のジョーの不祥事のこともあり一線を引いたという状況のところから。ラウの妻が誘拐され、交換条件をして刑務所にいるジョーの解放を要求される。ジョーの背後にはもっと強大な黒幕がいたのだった、という感じでストーリーが進んでいきます。これは絶対に前作から見た方が良い系の映画ですね。今作から見たらちんぷんかんぷんかもしれないなあ~なんて。

いやーそれにしてもこのシリーズのショーン・ラウ役はアーロン・クォックにぴったりですなあ。彼ってあんまり表情豊かじゃないタイプだと思うんだけど、それがラウの冷静沈着な雰囲気にしっくり来る感じなんですよね。これは当たり役だなあ。

前作では、息子の罪を糾弾し、ラウの背中を推し、警察としての矜持を守って善の方でとどまっていたリーですが、今回はジョーの黒幕の組織からの誘惑に揺れ動く姿が描かれます。そして罪を犯したとは言え、やはり息子への愛情を捨てられない父親の姿も見せたり、ラウに比べたらリーは人間臭いなあって思う。対照的な人物設定がいいんですよね。

リーの息子役のジョー役のエディ・ポンはレオン・カーフェイと顔の形がちょっと似てるなあ。エディ・ポンは台湾俳優さんで台湾のポンフー島出身らしい!私の行ってみたいところ~~ 彼も意志が強そうな表情がジョーなりの信念の貫き方に相応しい気がして良いキャストだなあと思います。ちょっとミステリアスな雰囲気もありつつね。

そしてジョーを重用していた黒幕の存在が明らかになりますが、演じるのがチャン・クォチュー!チャン・チェンのパパですよー。もうチャン・クォチューのそこにいるだけでただ者ではない雰囲気ってのはすごいね。葉巻をくゆらせる姿とか、ひえー渋い~~ってなります。ま、今回の役は自分たちの利益のためにMBリーを長官にしたいっていう悪い人の役なんだけどさ。

そして、もう1人大物俳優が!チョウ・ユンファがオズワルド・カン役で出てきますよ。彼が弁護士を演じてる映画なんて見たことない気がするなあ。だけど全然違和感なくてさすがだなあと思いましたよ。ショーン・ラウのやり方は気に入らないと言いながら、俯瞰的な視点を持つ彼が結局解決のキーを差し出して協力するんですね。実際に証拠をつかんだのはイザベルだけども。

 

しかし、わりと簡単に人が死んでしまうのよねえ・・・ そういうジャンルなので仕方ないのだろうけどね。これまた今作で決着がつききったわけではないので、また続編ありそうな終わり方!でも一体どうなるんだよー!?っていう焦燥感を与えるようなラストではなくて、これまだ続くんだろうけどどうなるのかなという期待感を与える感じのうまい一区切りのつけ方だと思う。あまりにも中途半端な終わり方をされるとイラっとしますからね。TENみたいなのは好きじゃないなあ。という訳で私はこのシリーズに関しては続編も楽しみにしてます!

 

 

コールド・ウォー 香港警察 堕ちた正義が見れるのは・・・



【中国映画】いつか、また の感想 すべてを手放したその先にあるもの

中国映画の「いつか、また」を見ました。ハン・ハン監督のロードムービーです。出演者はかなり豪華でウィリアム・フォンとチェン・ボーリンにウォレス・チョンまで出てます。彼らがやや小汚い恰好で出てくるのでイケメンの無駄遣い(失礼!)って気もするんですけど、そうかーこんな風にしてると普通の人に見えるな~という発見も出来て良かったです。映画自体もなかなか良かったんですよ!

 

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中国の最東部にある島出身の3人が自動車で西へ移動していくストーリー。途中で仲間と別れたり、知り合いに出会ったり、人と知り合ったり、知らなかった事実を知ったり、車を盗まれたり、と様々なことが起こるのを見ているとロードムービーっていうのは人生の縮図なんだな、と思うのです。

人と出会い、そして別れの繰り返し。もしかしたら物に対してもそうかな。手に入れたり手放したりの繰り返し。原題の「后会无期」はもう会わないという意味だと思うので、邦題の「いつか、また」はその後に「会えたらいいね。でも会えないんだろうな。」って感じかなあなんて想像する。そういう内容が淡々と描かれてて、時には笑える感じででなかなか良い空気感なんです。

彼らが途中で会うコールガール役のワン・ルオダンがめちゃめちゃ素敵だったな。腐女子探偵★桂香で見たことがあるだけなので、普通の綺麗なお姉さん役良いですね。やっぱりクリスタルにちょっと似てる気がするなあ。

馬浩漢(ウィリアム・フォン)と江河(チェン・ボーリン)の性格は後向き、前向きなそれぞれの傾向をちょっと対照的に描いてたのかな。ロケットを見に行くと言っていた阿呂(ウォレス・チョン)が車を盗んで行ってしまった後にロケットが墜落した残骸を見て、どう捉えるのかっていうのが人生の分かれ道なのかなって。だから彼らが別れるシーンはしみじみしちゃう。犬も江河の方へ行っちゃうのは笑っちゃうけどちょっと切なかったりもしてね。鼻が利く犬なんだな・・・。ふう。

彼らの道中はどちらかというといいことなんて無かったと言える気がして、それは今の若者が生きている世界への感覚と似てるのかもしれない。でもラストの江河の後日譚みたいなエピソードを見ると、視聴者の心に「希望」をわざとらしくなく自然に植え付けてくれる感じ。うまいな。いいことなんてあまりないかもしれないけど、でも何が起こるか分からないよって。

物も人も手放したその先に、それでもまた出会う人には出会うし、そして得るものもあるということなんだろう。きっと。余韻が残るなかなか好みな映画でありましたよ!そうそう、音楽は小林武史なんですが、雰囲気があっててこちらも良いと思いました。

 

いつか、またが見れるのは・・・


【韓国映画】裸足の夢 の感想 子どもはその存在がすでに希望なんだなあ。

何かを成し遂げたことが無い男が東ティモールで子どもたちと夢を追いかける話「裸足の夢」。実話を映画化したものなんですって!パク・ヒスンが出てたから見たんですけど、普段なら見ようと選ばないジャンルの映画でした。こどもが出てるとお涙頂戴なストーリーだったりするじゃないですか・・・それが得意じゃなくて見ないんだけどね。あざとさを感じるというか・・・ でもこの映画はあまりそういう部分に流れ過ぎてなくて子どもという存在はそこにいるだけで希望なんだな、と純粋にそんなことを感じることが出来て良い映画でした。

 

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まず、パク・ヒスンが演じるキム・ウォングァンが出来た人間という訳ではないのが良かったんですよね。元サッカー選手なんだけど、サッカーをやめた後はアジアででっかい商売をしようとしても、うまく行かなくて夢破れてばかり。そんな彼がたどりついたのは内戦の傷跡が残る東ティモール。

裸足でサッカーをする少年たちを見て、スポーツ洋品店を開いてサッカーシューズを売ろうとするんだけど、そのやりとりをきっかけにサッカーチームを作って、国際大会を目指すことになる。キム・ウォングァンが立派な志を持ったエリートとかじゃなくて、子ども達と一緒に夢を追いかけている姿になんだか元気がもらえる気がするんだなあ。人生なんて思い通りに行かないことばかり、どうせダメだよと言われることばかり。でも頑張ってみてもいいかもしれない。そんな気持ちをくれる感じ。

それにしても同じアジアの国なのに東ティモールのことをほとんど知らないなあ・・・と反省。私が好きなカフェで使われている珈琲が東ティモール産だったなあというのを覚えてる程度。こういうきっかけがあると知りたいと思うな。ちゃんと調べてみよう。

それにしても子どもたちの瞳がキラキラで本当に美しいの!見とれちゃったなあ。サッカーチームの少年たちもとても素敵だったけど、特にトゥアの妹のジョセフィンはめちゃめちゃ可愛くて、大人になったらすごく美人になるだろうなあ~なんて思ったよ。

チームのメンバーのモタビオとラモスが練習をしていても喧嘩をしてばかりで、パスを送らないの。ただの仲違いとかではなく、お互いの家族が内戦で敵同士だったために傷つけあったからという理由があるんですね。そういう大人の争いが子どもにも影を落としている関係。でもきっとその敵対心を捨てることで始まるんだろう。スポーツも新しい歴史も。そういう部分も描かれてるのは良かったな。彼らが和解するシーンはさすがに泣いちゃったなあ。分かっててもやっぱりダメですなあ!笑

キム・ウォングァンと、大使館のパク・インキ(コ・チャンソク)のコンビが素敵でした。ウォングァンに小言を言いながら最後まで付き合ってくれるいい人です。彼も一緒に夢を見ていたんだろうな。あとなぜか清水圭が出てて、東ティモールで貸金+カーショップの経営者役だったんですね。なぜ出演してるんだろう??と思ったけど、サッカーの国際試合が開催されるのが広島だったので、彼が応援席で東ティモールチームを応援している姿を見たらなるほど適材だわと思いました。確かに東ティモールで商売が出来るバイタリティーがありそうに見えるしね!

 

サッカーのルールやら詳しいことは全然知らないけれど、十分楽しめましたね。キラキラした子どもたちをたくさん見たらなんだかパワーをもらえた気分。感動させるぞ~というわざとらしさも無くて抑え気味なので、素直に楽しめたなと思います!割と良かったです!

 

裸足の夢が見れるのは・・・

【香港映画】コールド・ウォー 香港警察 二つの正義 の感想 管理組と行動組の攻防から目が離せない!

香港映画の「コールド・ウォー 香港警察 二つの正義」を見ましたよ~ 動員がすごかったと聞いたので期待して見たのですが、期待にたがわぬ面白さ。いやー役者さんたちがみんないいです。それにしても警察組織というのはどこの国でも「現場叩き上げ」派と「警察大学出身の内勤」派の対立の構図がある気がしますね。それがつまりタイトルの二つの正義に繋がるって感じかな。

 

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M・B・リーを演じるのがレオン・カーフェイ。現場叩き上げの方。行動組っていうらしい。

ひえー歳をとったな~とは思うけど、やっぱりカッコイイですね。素敵な歳の取り方だな。演技の幅が広がってるのを見ると歳をとるのも悪くないですねえ。息子のジョーも警察なんだけど、ジョーは過激な方法も辞さないやり方で自分の正義を貫こうとする。私にはジョーの言う正義があんまり理解できなかったかな・・・ 自分の利益のためだったと言えなくもないので、それが含まれると正義を語れなくなる気がする。

ショーン・ラウを演じるのは、アーロン・クォック!彼は渋くはなったけど、あんまり変わってないように思えるかも。こっちが事務出身の管理組の方。このキャスティングどっちもいいよね~ もうこの時点で控え目に言って最高。何より、アーロン・クオックは立ち居振る舞いがピシっとしててノーブルでいいんですよね。保安管理班副長官役がピッタリでした。

この二人が香港警察の次期長官の座を巡って対立しているんですね。それが事件の発端とも言えるのかな。本人たちの意図というよりは利権がらみで周りがしのぎを削っている感じかな。

そして、チャーリー・ヤンも出てた~!キュートだった彼女もすっかり大人の女性で、警察の中でもなかなか高い地位についててビックリですよねえ。

そしてビリー・チョンを演じたアーリフ・リーがなかなか良かったんですよ。警察内の汚職を操作する機関の人の役なんだけど、生意気な口をきいて自分より上官にズバズバと切り込んでいくんですが、いるいる歳が若いのにこういう感じの小生意気な人!って感じでリアルでした。まあでも実はショーン・ラウの手の平の上だったんですけどね。そういう顛末もなかなか小気味が良かったですねえ。お、彼は武則天 -The Empress-に出てるんですね~

 

映画は最初からいきなり警察車両ごと警察官が拉致されて消えるというビックリな展開から始まり、カーチェイスはあるし、対立する二人のにらみ合い(痺れる)、そして花火まで爆発しますからね。ストーリーも面白いんですが、特攻も派手なのでそういう意味でも目が離せない感じ。まあラストは続きがあるよ~って匂わせがあるタイプなんですけど、見るっきゃないって感じですよね。そういえば、保安局の局長役でアンディー・ラウまで出てきてビックリしたな。ちょい役ですけどね。

あっという間に見終わって、あ~面白かった!って言えるテンポもいい映画でしたよー!ちなみに2もすでに見たのでまた感想書きます!

 

コールド・ウォー 香港警察 二つの正義が見れるのは・・・