【韓国映画】尚衣院 -サンイウォン- の感想 愛と憎しみはあざなえる縄のようなものなのだ

映画の「尚衣院 -サンイウォン-」を見ました。見終わった後に思いうかんだのは、「禍福は糾える縄の如し」という言葉と同じように愛と憎しみもあざなえる縄のようなものなのだということ。衣装の鮮やかさ、美しさが見どころですが、人々の心の動きという部分も丁寧に描かれている映画でした。

 

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監督はイ・ウォンソクです。1作目が男子取扱説明書、2作目がこの映画のようです。たまたま男子取扱説明書も見ておりますー。どちらもカラフルなイメージがあるな。

尚衣院を取り仕切る御針匠のチョ・ドルソク(ハン・ソッキュ)彼は伝統を守る裁縫職人。あと6ヵ月で両班になれるというタイミングで出会ったイ・ゴンジンという新しい才能に対し、羨望、嫉妬、愛情など複雑な感情を抱く。イ・ゴンジンの存在が彼の地位を脅かすようになった時に憎しみが愛情を上回ってしまう。

奔放な美の探求者、イ・ゴンジン(コ・ス)。彼は一目でその美しさに目を奪われた王妃様のために衣装を作りたかっただけなのだが、結果的にそれが色んな敵を作ることになる。両班になった時のための衣装を用意していたくらいチョ・ドルソクを慕っていたけれど、イ・ゴンジンのデザイナーとしての才能は伝統を重んじる世界では異分子として受け入れられることはないのだった。

度量の狭い王のせいで孤独な王妃(パク・シネ)。イ・ゴンジンが彼女を採寸するシーンはとても美しい。イ・ゴンジンを利用して政敵を陥れようとした時、そんな王をとうとう見捨てた。あの時、彼女の髪に刺してあったのはイ・ゴンジンに好きな女性が出来たら与えよと渡した簪。彼の思いを確かに受け取ったのだと思う。

パク・シネがこの役にとても合っていてすごく良かったです。彼女の揺れる瞳はあまり幸せでない役の時に威力を発揮する気がする。まさにはまり役でした。

チョ・ドルソクが、イ・ゴンジンの作ったものをすべて焼き払って処分しようとしたのに、後世に残っているのは王妃の衣装。それはイ・ゴンジンが丹精を込めて作ったもの。それなのにチョ・ドルソク作として展示されているのはなんという皮肉。彼が守ろうとしたものはなんだったんだろうか。

映画全体としては、コメディ-要素もあり、複雑な感情も入り乱れ、色鮮やかな衣装もこれでもかというくらいに出てきて、興味深かったけれど、てんこ盛り過ぎて焦点がぼけた気もします。お腹いっぱい感はありましたね・・・

 

 

尚衣院 -サンイウォン-が見れるのは・・・
⇒Netflix



【韓国ドラマ】走れサバ! の感想 普通の高校生役のイ・ミンホの演技が良い感じ!

イ・ミンホがまだまだ若くて可愛らしい頃のドラマ「走れサバ!」を見ました。本当は24話くらいの長さの予定が8話になったものらしいです。確かにストーリー的にはまだまだ続きそうではあるんですが、それなりにうまくまとめてあってあんまり違和感のないラストです。悪くない。

 

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それにしても、タイトルにある「サバ」って一体なんのことなのかと思ってたら本当にそのまま「魚」のサバのことでした。フランス語(Ça va?)だったりして~と深読みしたら全然違いました~ ドラマの中でちゃんと出てきて、安いけど元気のいいサバが庶民のチャ・ゴンチャン(イ・ミンホ)で、高級魚のマグロが金持ちでサッカー部のエースのペク・ホン(クォン・ユル)を表しています。なるほどね~って感じ。

どちらかというと、イ・ミンホくんは花より男子や相続者たちのせいで、お金持ちの役のイメージがあるんですけど、このドラマでは貧乏な家庭で育った高校生役でなかなか新鮮です。ドラマ自体が漫画っぽいので、彼も変顔をしたり、怒ったり笑ったりが自然で良いです。本当に普通の高校生って感じで、クールじゃない彼の表情が見れて楽しい。

最近、学園ドラマを見ていることが多いのですけれど、学校が落ちこぼれやはみ出し者の生徒に対してなかなか厳しい扱いをしますよね・・・ ドラマだし、極端に描いているのだとは思うけど、生徒1人を退学にするために先生が奮闘し過ぎで失笑。
最近、学校についての本を読んだから余計考えちゃうんだけど、ほんと学校って一体なんだったんだろうな。あ、話がそれてしまった(^^;

 

内容はどうってことないドラマですが、イ・ミンホの生き生きとして演技は結構いいです。ヒロインのミン・ユンソ役のムン・チェウォンも可愛いし、クォン・ユルやパク・ボヨンなんかの可愛い頃も見れるので楽しめましたよ~!

 

 

走れサバ!が見れるのは・・・


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【韓国ドラマ】神のクイズ シーズン3 の感想 相棒の刑事が変わって刑事モノっぽくなった!

神のクイズ シーズン3の視聴を終了いたしました。シーズン1シーズン2は完全に続き物でストーリーも繋がっているイメージだったし、主要キャストも同じだったのですが、このシーズン3はかなりメンバーが変わって内容にも変化を持たせている感じです。シーズン2は単体で見ると意味が分からない部分があるけれど、このシーズン3はいきなりこれだけ見ても大丈夫そうだな、なんて思いました。

 

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一番大きな違いは、ハン・ジヌの相棒の刑事が変わったことですね。恋人でもあるカン・ギョンヒ刑事は海外に派遣されて不在、その代わりの刑事としてきたのがペ・テシク刑事。彼をベテラン俳優のアン・ネサンが演じていることもあり、なんとなく刑事モノっぽさの色合いが濃くなっている気がします。面白いかどうかで言うと面白いのですが、ジヌとギョンヒの可愛い掛け合いが無くてさみしいのと、ペ・テシク刑事の癖が強いので、ハン・ジヌという人物の特殊性が際立たない感じ。1と2はあくまでもハン・ジヌが主役に感じたけれど、今回はコンビが主役みたいな印象を受けます。

でも、今回は1話ごとに病気役で出てくる俳優さんたちの演技が非常に素晴らしかったんですよね。特にケース3のCRPSのパク・ジョンミンがすごかった。パク・ジェジョンが演じてたんですが、銃で撃たれる方が楽なほどの痛みというCRPSという病の辛さが見ている私にも伝わってくるようでした。パク・ジェジョンは、チョン・ヤギョンで主役を演じてた俳優さんなんだ!は~なるほど。服装が違うと全然分からないなあ・・・ ケース4の地獄図の被害者たちも非常に心に残りましたねえ。切ない。

毎回、ハン・ジヌ自身の状況がストーリー全体に渡って関わってくるんですが、今回はどうやら彼に多重人格の症状が現れたことが伏線となります。多重人格の設定は割と韓国ドラマに使われているイメージなので、意外性がなくてあまり心惹かれなかったんですよね。ファントムの正体もなんとなくすぐに想像がついてしまいましたし。
あとチョ・ワノが、ジヌに伝言を伝えてから自殺するというシーンもどことなく既視感があると思ったら多分リセットですね。あっちは催眠術、こっちは脳の操作だけど、誰かに操られて殺人、伝言、自殺というパターンが似ている。

なので、1話ずつの個々の事件は興味深かったけれど、ジヌに関わる事件はあまり面白くなかったのが私にとってのシーズン3でした。それよりも何よりも一番心に残ったのは「高周波って怖い」だったかもしれない。人の脳ってデリケートなんだなあ・・・

シーズン4はギョンヒは帰ってくるんでしょうか。私はやっぱりギョンヒがいる神のクイズが好きだなあ。

 

神のクイズ シーズン3が見れるのは・・・



【韓国映画】ハイヒールの男 の感想 最強の男を目指した裏に隠された悲しみ

映画「ハイヒールの男」を見ました。この恋は初めてだからでとても良かったイ・ソムが出演しているのでちょっと気になるな~と思って見始めたんですが、アクションの激しさと対照的に切ない悲しみが描かれている衝動と繊細さを兼ね備えた映画でした。

 

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「ハイヒールの男」というタイトルから私が連想したのは、女装願望のある男性が出てくるストーリー。しかし、そうではなくて女になりたいという願望を持つ性同一性障害の男性のお話でした。その主役の刑事ジウクを演じるのは、チャ・スンウォン。屈強な筋肉、破壊的な戦闘力を持つ刑事で男の中の男と呼ばれて、その動きの鮮やかさはチンピラからにもファンが出来るほど。とにかく強い。
しかし、彼がわざと男性的な道を選んだのは「女になりたい」という気持ちを消すためだったのです。でもどんなに最強の男になってもその願望が消えなかった彼は、刑事を辞めて、海外で性転換手術を受けようとするのでした・・・

本当の自分の気持ちをいけないものだと受け入れることが出来ずに、自分の希望とは逆の方向へ進んできたジウクという人がとても切ない。彼が強ければ強いほど私の心は苦しくなるのです。

イ・ソムの存在は少しミステリアス。ジウクの大切だった人の妹。
赤いドレスとバラのタトゥーが素敵。彼女の醸し出す独特の雰囲気がとても好き。

ジウクの強さに憧れるホゴン。義兄に裏切られて、やられる訳にはいかない闘うのだけど、結局一枚上手の古狸に利用されて帰り討ちに合うのだった。最後の彼の空っぽな表情が見事で、恐ろしいけど見とれてしまうような気分だった。

ジウクの良き後輩のジヌ役はコ・ギョンピョ。最近、見る映画見る映画に出ていてビックリする。彼は悪役もいい人の役もこなせるけれど、こういう少しぼんやりした優しい男を演じているのが一番似合う気がしている。
ジウクに「さっきは言えなかったけど、綺麗でした」というジヌの言葉は、人間のジウクをそのまま受け入れたように聞こえたのだった。

しみじみとなかな良い映画だったと思えたのだけど、少年時代の描写だけ少し気になる。男性を好きになるというのが特殊で生きづらいものだったとしても少年たちは片思いではなくて愛し合っていたのだから、あんな風に1人で自殺を選ぶ気がしなくて。他の誰に分かってもらえなくても、好きな相手が分かってくれたら生きていける気がしてしまう。引っ越して離れてしまうのだったとしても。

少年たちの愛とは儚く美しいものであるという偏った視点で美化した描き方をしてしまったように感じてしまい、そこだけとても気になったのでした。

 

人間の心の複雑さは定義できるものではないのだなあ。こうあるべきという同調圧力がすっかり無くなって、人それぞれが本当に希望する道を進んでいける日が来るのだろうか。でも、変わり始めている息吹きを少しずつ感じる気が私はしているよ。

 

ハイヒールの男が見れるのは・・・


【韓国ドラマ】オフィスの女王 の感想 キム・ヘス演じるミス・キムの万能っぷりはかっこいい。

オフィスの女王の視聴を感想致しましたー。これは日本のドラマ「ハケンの品格」のリメイクですよね?派遣社員と契約社員だとちょっと意味合いが違うのかなとは思うのだけど、韓国では契約社員の方が一般的なのかな~なんてそんなことを考えながら見ていました。

 

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オ・ジホが演じた役はチャン・ギュシクという名前だったけど、このネーミングは「チョンギュジク(正規職)」から来てるのかな・・・ 名前にそういう風にもじった意味合いを持たせるのは韓国ドラマではよくありますよね。そういう点では韓国語の方が日本語よりも自由度が高くて面白いな~!

そんな名前の通りに正社員であることにめちゃめちゃこだわっているチャン・ギュシクなんですけども、ラスト近くで母親が10年間も契約社員をしていたのに、2年以上契約社員で働いていた人は正社員にしなければいけないという法律が出来たことで首を切られそうになり、それに対し起こしたストライキで命を落とすことになったという過去があったことが判明するんですね。まあその母親が実はミス・キムと関係があった・・・と。そこはいいんだけど、その母親のことを考えるとあれだけ契約社員のことを馬鹿にする発言をしていた彼に対して矛盾を感じてしまうんだなあ。

だって、母親が契約社員で悔しい思いをしたことを知っているのに、その母親と同じ立場の契約社員の女性たちを人間扱いしないであんなに邪険に出来るものなんだろうか?本人が正社員にこだわるのは勝手にすればいいけれど、それとこれとは別の話であると思う。

始めから彼の発言が非常に前時代的で幼稚に思えてしまって、これってギャグなのかな・・・笑うとこなのかな・・・と思いながら笑えないところが多かった。同じセリフでももう少しお茶目に見える雰囲気の役者さんの方が良かったんじゃないかな、なんて個人的に思う。

そういえば、「俺の正社員になれ(嫁に来いってこと!?)」とかミス・キムに言ってたけど、マジで時代錯誤に思えてビックリ仰天ですよ・・・ 少し前の2013年のドラマだとしても無いわ~と思っちゃうんだけどなあ。え、私だけ?

とまあ、実はあんまりノレずに見ていたんですけれど、ミス・キム役のキム・ヘスは面白かったです。マジで何でも資格持ってるしすごい。赤い肌着で踊って通販の商品を売るシーンとかはしごく真面目な顔でやってるのとかが最高に笑いました。いやー私が最近見たキム・ヘスはコインロッカーの女のオンマ役ですから、全く違う演技にさすがと感嘆しちゃいます。
あとラストでミス・キムとチャン・ギュシクがどうなるのかというのはちょっとぼかした感じになっていましたので、ミス・キムはその程度の男には落ちない!という私の希望通りになったと勝手に思っておこう。うん。

ムチーム長役のイ・ヒジュンは良かったですね。青い海の伝説の時みたいに曲者的なイメージのある役者さんだったんですが、ここでは完全にいい人の雰囲気を醸し出していて凄かった。

会社組織って今までと同じような仕組みでは無理があるんだろうな。ミス・キムほどとは言わないけれど、ある程度の割切りはこれからもっと必要になるんだろう。楽しく仕事出来るのが一番だけど、そのためには何を取って何を捨てるかを選択するしかないのかもしれない。正社員にこだわったって10年後にはその会社自体があるか分からない時代ですしね。

ライバル社チャソンのイメージモデル役でチョン・イルがゲスト出演。写真だけですけど!これってイケメンラーメン店のチャ・チスってことですよね?確か食品会社の御曹司だったもんね。

ミス・キムが住んでいる「マチュピチュ」の店員役でイ・ヒョンジェも出てた。イケメンバンドの頃からするとすっかり大人になったな~って感じがする。

 

コメディーなんだろうけど、目下の者にひどい言葉を投げつけるシーンとか結構多くて私はそういうのがあんまり好きではないので、見ててしんどいな~と思うことも多かったです。キム・ヘス演じるミス・キムのスーパー契約社員っぷりを楽しむにはいいと思います。

 

 

オフィスの女王が見れるのは・・・