【韓国映画】蜜の味 〜テイスト・オブ・マネー〜 の感想 お金って一体なんなのかしら?

蜜の味 〜テイスト・オブ・マネー〜を見ました。キム・ガンウが出演していたから見たんですけどもこれまたなんとも言えない気分になる映画でありました。ユン・ヨジョン演じる財閥ユン家のペク・クモクが秘書のヨンジャク(キム・ガンウ)を誘惑する場面があまりにも強烈だったからですよ!拒めずに言いなりにってしまうヨンジャク・・・ ああ。

 

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監督はイム・サンスで、この映画の前作はハウスメイドです。この映画の中で財閥一家がホームシアターで映画を鑑賞するシーンがあるんですが、そこで流れているのがハウスメイドだったし、他のセリフにも彷彿とさせる場面があったので先にハウスメイドを見てからの方が面白いかも。ここの財閥家のユン・ナミはハウスメイドの映画の中で女中が自殺するのを見てたこどものナミなんですよね。そんな感じで話が繋がっているイメージ。

お金という蜜の味は一度味わったら離れられないというストーリーなのかと思ってると、それを捨てようとするユン・ギョンソン会長がいたり、ヨンジャクもクモクを拒めなかったところからもっとお金の味にはまってしまうのかと思ったらどこか最後の部分で踏みとどまっている印象なので、どこか救いがあるストーリーのように感じました。

ハウスメイドもだったけれど、監督はこの映画も色んな問題に目を向けているのだと思います。メイドが韓国人だけではなく、フィリピン人になっていたりするのも韓国の現状を映しているのだろうし、日々感じることを映画という形で表現しているんだろうな。

見終わった後はやっぱりユン・ヨジョンのベッドシーンが強烈でその印象が強く残ってしまったのだけれど、あとからじわじわと色んなシーンが絵のように記憶によみがえってくる印象があります。積まれた札束とか、キム・ガンウ演じるヨンジャクがお金を前にした時の表情がどんどん変わって行く様とかフィリピンでのシーンとか。そしてなんとなく長く心に残ってふとそういうことだったのかな、とそんな感情を呼び起こすような感覚。

何かひとつそういう風に忘れられないような衝撃をわざと作って、それによって他の部分も相乗的に印象に残るような手法を使っているのかしら?わかんないけど。
でもそのせいでなんだか忘れられない映画になっている気がします。好きとか嫌いとかでは表現できないですが、自問自答を問いかけられるような映画でした。

 

蜜の味 〜テイスト・オブ・マネー〜が見れるのは・・・


【韓国映画】背徳の王宮 の感想 暴君という存在は奸臣とともにあるものなんだなあ

映画「背徳の王宮」の視聴を終了しました。この映画の原題は「姦臣 간신」なので製作者の意図としてはチュ・ジフン演じるイム・スンジェが主役ってイメージなのかな。日本語で直訳すると「奸臣」かそのまま「姦臣」かなあ。そうするとちょっとわかりにくいということで「背徳の王宮」となったのでしょうかね?ただしそうなると一体誰の背徳なんだろうっていう事の焦点がぶれてしまう気がして私はあんまりしっくりこない印象でした。どうしてもわりとタイトルが気になっちゃいます。いつもなんだけど。

 

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キム・ガンウが演じた燕山君はそれはそれは見事な色きちがいの暴君でありました。思いっきり燕山君になり切ってて何の違和感もなかったです。しかし全部とは言わなくてもそれなりに史実に基づいているのだとしたら本当にひどい王様がいたんですねえ・・・ 権力の集中というのは恐ろしい。

そして、いわゆる姦臣のイム・スンジェを演じたチュ・ジフン。王を操るだけでは飽き足らず・・・という意図を持った傲慢不遜な人なんだけど、王に献上する運平を集めて訓練を施しているうちにタニに対して恋心を抱いてしまう。

タニを演じるのはイム・ジヨン。情愛中毒でも大胆な役を演じていましたが、この映画でもそう。彼女は特にこういう昔の衣装の方が美しく凛として見えるので、時代劇がいいと思う。今っぽいドラマではあんまり美人って感じがしないのだな。上流社会とかあんまり好きじゃなかったんです・・・

この映画では剣舞のシーンが一番素晴らしくて、白や黒のトーンを抑えた衣装を着ている方が彼女の奥からじわじわとしみ出してくるような色っぽさが表現できてとても良いと思いました。

そして彼女よりも更に印象に残ったのは、ソルチュンメを演じたイ・ユヨンでした。彼女が演じたソンチュルメは全身から発散される艶やかな色っぽさ。タニとは全く対照的な役で素晴らしかったです。なんとなくイ・ユヨンの顔に見覚えがあると思ったら愛の迷宮-トンネル-でチェ・ジニョクの娘役を演じてた女優さんなんですね。あの時はあまり感情をあらわにしない役だったのでまさか同じ人だと思わず。劇中で誘うように歌っている声もまた魅力的で、非常に良い女優さんだなと思いました。「アトリエの春,昼下がりの裸婦」で国際映画祭で主演女優賞を取ったり、この映画でも新人賞を取ったりしてるんですね~ 納得の演技でしたもん。ふむふむ。これはまた見たい映画リストに入れておこう。

エロティックなシーンも多いですけれど、基本的には美しい絵面が多いのでまあそんなに抵抗なく楽しめました。男性陣が主役なのかもしれないんだけど、私の記憶に残ったのは完全にタニとソンチュンメの女性二人ですね~ 二人の絡みは女性から見ても美しくドキドキしてしまいましたよ!

 

背徳の王宮が見れるのは・・・


【韓国映画】スキャンダル デジタルリマスター版 の感想 いつだって罠にはまるのはゲームを仕掛けた側なのだ

ペ・ヨンジュン主演の映画「スキャンダル」を見ました!こちらは2003年に公開の映画だけど、私が見たのはデジタルリマスターされたもののようです。やっぱりヨン様が出てるし、人気の映画なのかなあ。

 

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この映画の元になっている原作はフランスの小説「危険な関係」だそうです。それはなんとなく映画の紹介文で読んで知っていたんですが、「偉大な誘惑者」の感想を書いてる時に同じ小説を元にして制作されたドラマだと気づいて、あ~なるほど!と繋がって分かったことが沢山有りました。映画とドラマという尺の違い、視聴者層の違いというのもあるので、時代背景や設定はかなり違いますね。ラストも全然違う。

で主要な登場人物を対比させるとこんな感じかな。
チョ・ウォン(ペ・ヨンジュン)=シヒョン(ウ・ドファン)
チョ氏夫人(イ・ミスク)=スジ(ムン・ガヨン)
チョン・ヒヨン(チョン・ドヨン)=テヒ(ジョイ)

同じ役柄だけど、脚本や演じる人によって全く違う息を吹き込まれるんだなあって思うと興味深いです。 映画版の方が原作に忠実なんではないかとなんとなく思う。

この映画でのイ・ミスクの貫禄や、ちょっとエロティックな内容でもあるのでペ・ヨンジュンの肉体?もさすがですが、ダントツは静謐な美しさのチョン・ドヨンですね。演技派というイメージはあったけれど、こんなに美しい人だとは知らなかったんです。こういう禁欲的な美というのはやはりあるんだなとシミジミ思いました。あからさまではなく奥から匂い立つもの。そしてだからこそゲームを仕掛けた方のウォンもいつの間にか自分が罠にはまってしまったんでしょうね。

チョ氏夫人の気位の高さ故に認められなかったウォンへの思いも切ない。自分のことを愛していると思っていたウォンが自分の手を離れたと分かった瞬間に悟る自分の気持ち。風に舞う花びらが儚く消えてしまう様を追う表情が過ぎし日々を物語るのでした。

映画は全体的に淡々と描かれているように思えたんですがそれが良かったです。三人ともポーカーフェイスで自分は熱くなったりしないと思っているのに、いつの間にか抜けられない沼にはまってしまう。そしてかぶっていた仮面がはがれて心のままに行動した後、思いもよらない方向から悲劇的な結末を迎えてしまうのでした。

彼らが迎える最後がさらっ描かれていて、それがすごく印象的でした。悲劇をことさら強調するのではなく、あっさりとしている。でもそれが反対に余韻を残す感じ。え、そんなに簡単にそうなっちゃうの・・・みたいな。

そんな感じでラストは断然この映画の方が好き。やっぱりドラマとして視聴者に受けるものを作ろうとすると「偉大な誘惑者」のようななんだかんだみんなハッピーエンドって感じになっちゃうんだな。時代背景的に簡単に人が死ぬって訳にもいかないのかなとは思うんですけどね。

まあともかく心ってものは自分で自分のことを分かっていにると思っていても、自分でどうにか出来るものではないんだなあと思いました。難しいものですね。

 

スキャンダル デジタルリマスター版が見れるのは・・・
⇒Netflix






【韓国映画】監視者たち の感想 チョン・ウソンの悪役が最高&突然のサイモン・ヤムにビックリ!

韓国映画「監視者たち」の視聴を終了いたしました!Gyao!で配信してたので見てみたよ~ 全体としては展開も早いしスリリングで目が離せなくて面白かったです。とにかく良かったのは初の悪役の演技だったらしいチョン・ウソンの存在感ですね。わたしの頭の中の消しゴムをは間違いなく見たのに全く同じ人と思えない。表情も変えずに冷徹に人を殺す男なのに時々揺れる瞳にぞくぞくします。

 

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そんなチョン・ウソンが演じるジェームス率いる犯罪集団(といっても更に彼に指示をする上の人がいるけど)とそれを監視、追跡する韓国警察特殊犯罪課の「監視班」との攻防を描いたストーリーです。監視班の追跡方法はどちらかというと人海戦術。組織内で役割を分けて分業してるって感じなので、1対1のサシの勝負の緊張感みたいなのが無いんだなー 監視班に所属している刑事たちは特殊能力があるっていう売りなんだけど、どうなんだろう?見ててあんまり追跡のプロフェッショナルって感じがしなかったよ?それすぐにばれるんでは?みたいな。入れ替わり立ち替わりバトンタッチしていく連携は小気味いいんですけどもね・・・ ハン・ヒョジュの尾行が特にわざとらしく感じられてしまって残念でした。全く町の人々に紛れてない。

犯罪集団と監視班の攻防に重きを置いたせいもあるんだけど、ジェームスも何やら訳アリっぽいけどその部分の描写は匂わせる程度、ユンジュが監視班に新人として着任してから周りのメンバーと慣れていく過程の描写も雑で彼女が警察として何を目指しているのか、どうして監視班に入ることになったのか、監視班で任務を遂行するということは通常の警察としての業務が出来ないこともあるというのをどう納得してやっぱり監視班の仕事を頑張ろうと思ったのか全然見えてこないのでわりとモヤモヤしながら見ていました。そういう人間ドラマ的な感情の部分はわざと省いたのかもしれないけど、その分表面的な犯人追跡劇になってしまった気がします。私としてはそこが物足りない。まあリスの身の上に起こったことだけでも犯人逮捕に全力を挙げるチームの気持ちは理解できますけどね。でもやっぱりそれ以前の事情は描かれていないので追跡ゲームを見ているような気分に陥ってしまうのは否めない。

そしてあるシーンで突然登場するサイモン・ヤム!ビックリして変な声が出ちゃった。自分でもヤバイと思うけど後ろ姿が写った瞬間にサイモン・ヤムと分かった!すごいな。それでピーンと来て調べてみたら、この映画は香港映画の「天使の眼、野獣の街」のリメイクなんですって。ジェニー・トー製作、レオン・カーファイ主演なんて聞いたらこっちの方が見たくなっちゃったよ。もちろんサイモン・ヤムも出てますね。香港の路地での尾行なんて考えただけでもワクワクする。雑多感が韓国の市場どころじゃないもんね。

色々な場所に伏線がはられていて、リスの「警察の制服なんて葬儀の時に着るもんだ」というユンジュへの言葉はそういうことだったんだなとあとで分かったりとそういうのは面白かったです。あとはカメラのアングルや編集はかっこよかったな。階段のシーンが好きだった。

なんだかんだと気になるところはあるけれど、それでもやっぱり一気に見れちゃうエンターテイメントな作品に仕上がっていると思います。わりと面白かったです!

 

監視者たちが見れるのは・・・





【韓国映画】今日の恋愛 の感想 の感想 お天気キャスター役のムン・チェウォンがとってもキュート!

パク・チンピョ監督の「今日の恋愛」を見ました。私が見たいと思いながらまだ見ることが出来ていない映画キム・ミョンミン主演の「私の愛、私のそばに」が4作目、「あいつの声」が3作目の監督らしい。ということを調べていて今知りました。監督作品の内容のふり幅がわりと大きいなあ。わお。知らなかったら同じ監督だと分からない作品たちのような気がします。

 

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さて、この映画でのムン・チェウォンの舌足らずのしゃべり方がこの役にピッタリ。彼女はどちらかというとキツめな性格の女の子の役が多い気がするんだけど、この映画のヒョヌみたいなキュートな女の子の役の方がしっくり来ると思う。最近見たクリミナルマインドコリアのソヌは私はあんまりしっくり来ませんでした。

韓国ではお天気キャスターがお色気振りまき系の人が多いのかな?ドラマの嫉妬の化身でもそういう描かれ方でしたよね。だからこの映画の中のヒョヌもそういう感じのお天気キャスターだったけど、健康的なセクシーさでとっても可愛かった!肌を出しても淫靡な感じがなくて明るくって彼女のキュートさで楽しく見れた感じ。そんな可愛い女の子なんだけど、媚を売る感じが無かったり、酒癖が悪かったりとサバサバしてるのが好感を持てて魅力的。

イ・スンギは小学校の教師役だったんですけど、これまたピッタリはまり過ぎてすごい。そういう意味ではカン・ジュンスとキム・ヒョヌのキャスティングは完璧ですね!

そして、ヒョヌの不倫相手として、プロデューサー役でイ・ソジンが出演しています。それを見て思い出したんだけど、花よりおじいさんの中の打ち合わせしているシーンでイ・ソジンが映画の撮影中で、事務所が一緒のイ・スンギが主役だから自分も出してもらってるみたいなこと言って笑ってる時があった気がするんですよね。それってきっとこの映画だったんだな~!突然つながった!笑 彼の役も合ってて良かったです。セクハラおやじからさりげなく自分を助けてくれる紳士的なPDにヒョヌが惹かれてしまう気持ちが理解できる感じ。まあ結局ヒョヌとつき合っちゃうので本当に紳士的ってじゃないけども・・・

 

という訳で、配役はとても良かったんです。非常に魅力的な登場人物たちだと思ったし、前半はとにかくヒョヌのキャラのおかげで楽しく見てたのだけど、後半は定番のストーリーになって来てちょっと退屈してしまった・・・ 子どもの頃からつかず離れずの友達以上恋人未満という感じの二人が最終的に恋人関係になるという感じのって韓国ドラマでよく見る気がしてしまう。そして離れて初めて相手の存在の大きさに気づくみたいなのもありきたりだし、フリーフォールみたいな絶叫マシーンのくだりはめっちゃ冷め冷めで見てしまったなあ。ああいうの白々しくって感動出来なくてね・・・

そもそもヒョヌがジュンスの気持ちを知っている癖に18年間も便利に使ってそばに置いてるのも嫌だし、それでも好きだからと何でも許しているジュンスみたいなのも嫌なので、ラスト彼らがうまく行っても知らんやん勝手に好きにしてって気持ちになってしまったのかも・・・

私、恋愛映画はあんまり向いてないのかもしれない!見る時の自分の心情にも左右されるのかもなあ。でもどちらかというとハッピーエンドより、切ないのが好きかもしれません!

 

今日の恋愛が見れるのは・・・