【韓国映画】背徳の王宮 の感想 暴君という存在は奸臣とともにあるものなんだなあ

映画「背徳の王宮」の視聴を終了しました。この映画の原題は「姦臣 간신」なので製作者の意図としてはチュ・ジフン演じるイム・スンジェが主役ってイメージなのかな。日本語で直訳すると「奸臣」かそのまま「姦臣」かなあ。そうするとちょっとわかりにくいということで「背徳の王宮」となったのでしょうかね?ただしそうなると一体誰の背徳なんだろうっていう事の焦点がぶれてしまう気がして私はあんまりしっくりこない印象でした。どうしてもわりとタイトルが気になっちゃいます。いつもなんだけど。

 

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キム・ガンウが演じた燕山君はそれはそれは見事な色きちがいの暴君でありました。思いっきり燕山君になり切ってて何の違和感もなかったです。しかし全部とは言わなくてもそれなりに史実に基づいているのだとしたら本当にひどい王様がいたんですねえ・・・ 権力の集中というのは恐ろしい。

そして、いわゆる姦臣のイム・スンジェを演じたチュ・ジフン。王を操るだけでは飽き足らず・・・という意図を持った傲慢不遜な人なんだけど、王に献上する運平を集めて訓練を施しているうちにタニに対して恋心を抱いてしまう。

タニを演じるのはイム・ジヨン。情愛中毒でも大胆な役を演じていましたが、この映画でもそう。彼女は特にこういう昔の衣装の方が美しく凛として見えるので、時代劇がいいと思う。今っぽいドラマではあんまり美人って感じがしないのだな。上流社会とかあんまり好きじゃなかったんです・・・

この映画では剣舞のシーンが一番素晴らしくて、白や黒のトーンを抑えた衣装を着ている方が彼女の奥からじわじわとしみ出してくるような色っぽさが表現できてとても良いと思いました。

そして彼女よりも更に印象に残ったのは、ソルチュンメを演じたイ・ユヨンでした。彼女が演じたソンチュルメは全身から発散される艶やかな色っぽさ。タニとは全く対照的な役で素晴らしかったです。なんとなくイ・ユヨンの顔に見覚えがあると思ったら愛の迷宮-トンネル-でチェ・ジニョクの娘役を演じてた女優さんなんですね。あの時はあまり感情をあらわにしない役だったのでまさか同じ人だと思わず。劇中で誘うように歌っている声もまた魅力的で、非常に良い女優さんだなと思いました。「アトリエの春,昼下がりの裸婦」で国際映画祭で主演女優賞を取ったり、この映画でも新人賞を取ったりしてるんですね~ 納得の演技でしたもん。ふむふむ。これはまた見たい映画リストに入れておこう。

エロティックなシーンも多いですけれど、基本的には美しい絵面が多いのでまあそんなに抵抗なく楽しめました。男性陣が主役なのかもしれないんだけど、私の記憶に残ったのは完全にタニとソンチュンメの女性二人ですね~ 二人の絡みは女性から見ても美しくドキドキしてしまいましたよ!

 

背徳の王宮が見れるのは・・・


【韓国ドラマ】二度目の二十歳 の感想 自分らしさを取り戻すノラの姿に元気が出る!

二度目の二十歳の視聴を終了しました!不倫とか離婚などの話題も扱っているもののさわやかな仕上がりになっているのはちょっとコメディータッチに作ってあるからかな!チェ・ジウ演じるノラが家庭に閉じこもって旦那と息子の世話をするだけだったおばさんから自分らしさを取り戻して本来の美しさを取り戻し溌剌とした姿になって行くのを見るのは楽しかったです。ノラが癌を宣告されて今までの自分、これからの自分を見つめなおすという設定が使われていて、人生が有期限のものであると実感するのって本当に大切なことなんだなあと思います。彼女の場合は結局は誤解だったんだけど、現実的にもそういう事でも無いと変わるきっかけなんてつかめないもんですよね・・・

 

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私の大好きチェ・ウォニョンがこのドラマにも出演していてノラの夫役でした。自分は不倫をしていてノラに離婚を迫っていたにも関わらず、本来の彼女らしさを取り戻す&他の男の影を感じるとノラとよりを戻したくなるなんていう自己中男~~ だけどすべての物事を自分にいいようにとらえる自己肯定感が高すぎるところが逆にコミカルで良かったです。不倫相手を演じてたパク・ヒョジュもちょっと面白要素のあるキャラで二人のちょっとお間抜けな不倫関係がドラマをあまり深刻にしない功を奏してたように思います。なんか憎めない二人でした。

ノラの息子役のキム・ミンジェも良い配役~ チェ・ジウの息子役なんだもんイケメンじゃないとね!彼は偉大な誘惑者の時は全く違う性格の役柄だったけど、育ちが良いとかお金に困ってない感じの役が似合うなあ~ ナウンと美男美女カップルでお似合いでしたなー!

ちょっと苦手だなって思ってたのはイ・サンユンが演じてたヒョンソクのキャラかな。仕事的には成功して大人になっているんだけど、精神的には高校生のままって感じじゃないですか?ノラに対して拗ねて冷たくしたり、やっぱりほっとけなくて優しくしたり、高校時代の恋心を拗らせたままだったりで見ててめんどくさい男って思ってしまった!まあでも彼の存在があったからノラは昔の自分に戻れた部分もあった訳だから、彼に昔のままの子どもっぽいところが残ってて良かったんかな?知らんけど。彼のキャラが魅力的には見えんかった・・・

 

って感じなんだけど、全体的に明るいノリのドラマなのでなんとなく楽しく見てたら完走してたな~ ノラやヒョンソクの友人も絶妙に少しコミカルタイプの配役だったりするのも良かったし、だんだん生き生きとしてくるノラの姿(ダンスのシーンとか!)は見てて気持ち良かったし楽しめましたね。でも私が一番好きなキャラはやっぱりウチョルとイジンのカップルかな~!目が離せない~

 

二度目の二十歳が見れるのは・・・





【台湾ドラマ】HIStory 僕の悪魔 の感想 生まれ変わってもまたあなたを愛してしまう

「HIStory 僕の悪魔」の視聴を終了しました。BLものだとは知ってたもののめっちゃBLでした!純愛なんだけど、身体的な愛情表現も多くてわお!って思っちゃった。まあ大学生という年齢設定だし、欲求に正直な年頃なんだな、うんうん。あ、でも主役の俳優さんはとても綺麗で、特にテディ・レンの足が白くてすべすべで羨ましいわ~なんて思っちゃった。

 

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という感じなんで前知識があった方が見やすいドラマではあります。そういえば台湾ドラマの「恋する人魚」をただいま視聴中なんですが、そのドラマの中でヒロインの職場の同僚がBL大好きっていうキャラなんですよね。普通のドラマの中でそういう設定が出てくるくらいだからBLが市民権を得ているのかしら?台湾は同性婚も合法化されたし、懐が深いんだな~ みんなが心のままに生きられる世界になればいいね。

あと、このドラマは風景がとても綺麗なところで撮影されてて、林みたいなところとか図書館とかなんだかそういう絵の切取り方が良かったです。

そうそう、図書館のシーンで本棚にあった本に目が釘付け。聊斎志異が出てきて興奮してしまった!当たり前のようにあるもんなんだな~!そんなところばっかり見てる・・・

ストーリーとしてはジントンとイーチェンの純愛って感じで、元の世界でも生まれ変わった世界(パラレルワールドなのかな?)でも結局惹かれあう気持ちには抗えない二人。大胆で俺様みたいに見えるジントンが本当は拒否されるのが怖かったり、イーチェンのことを好き過ぎて彼を守るために女性と偽装結婚まで考えるくらいだった・・・というのが一番の萌えポイントだと思われます。

私的には、途中、気の毒に見えたのはジントンのことが好きで偽装結婚の相手を頼まれても受け入れるイージェンなんだけれど、パラレルワールドではジントンの友人と恋人同志になって彼女も報われる設定になっていたんですよ!そういうサブキャラのこともちゃんと考えた配慮のある展開のストーリーになってて感心したなあ。

ジントンの両親の同性愛への無理解というのは少し出て来たけど、同性同士の恋愛だからという意味での葛藤の描写がなくって、ジントンとイーチェンがただ愛し合ってるのは良かったです。興味深く見れたし楽しめましたよー テディ・レンの恋してる演技が良くてキュンとしたしね!

 

HIStoryが見れるのは・・・
⇒Netflix





【中国ドラマ】鹿鼎記 ロイヤルトランプ の感想 型破りな韋小宝という主人公が面白い!

ロイヤルトランプの視聴を終了しました!チャウ・シンチーが同じ原作の小説「鹿鼎記」を元にした映画シリーズを製作してたな~という意味では聞き覚えのあるタイトルではあるのですが、その映画も見た訳ではないのでストーリーは全く知らない状態で見ました。一応、金庸の作品だし武侠小説ってことになるのかもしれないけれど、ほとんどが成り行きまかせで口八丁で世を渡って行く韋小宝の様子はなんだかすごいなあとしか言えません!笑 割とすぐに窮地に陥るのに何とかなっちゃうっていう。

 

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主人公の韋小宝は美人と見るやすぐに妻になれっていうような女好きなんですけども、そんなに沢山の人にそんな調子いいことを言って・・・と思ってたら最後はびっくりの展開になって驚きましたねえ。しかし、この原作は男性にとってはとても羨ましいお話なのかもしれません。腕っぷしが強い訳でもないけど、あんなにたくさん美人の妻を持てるなんて・・・ねえ?女性の側としてはまっぴらごめんなので、こんな話を作ろうと思わないんだけど昔の時代の話だしまあそんなものなのかな?ドラマの中では妻になった女性たちが意外と仲睦まじく助け合って役割分担してたので、それはそれでありなのかしらねえ。いやいやでも謎のモテモテ状態という展開にビックリしちゃった。斬新なヒーロー像だからそう思っちゃうのかもしれない。

主役を演じたハン・ドンは若曦とか他のドラマでもどちらかというと意地悪な役を演じてるイメージだったんだけど、このドラマの中での小宝のコミカルな演技もまあまあ抵抗なく楽しめました。しかし、ストーリーを知ってみるとチャウ・シンチーが主演で小宝を演じると考えるとあまりにもピッタリな気がしてどうしてもそっちの映画を見たいと思っちゃうんですけどね。あの主人公の調子の良さはまさにチャウ・シンチーがコメディーで演じる役そのものな気がしちゃう。

女性陣はキレイどころが沢山出て来たんですが、男性キャストの中で私が一番心惹かれたのは皇帝の父親、行痴を演じていた劉德凱です。仏門に入って坊さんの恰好をしてるんですが、それがとても美しくて、わたしのおじさん好きの血がうずきました。渋い~~

息子の康熙帝もなかなか良かったんですけど、彼が蘭陵王で雪舞を守る韓暁冬を演じていたウェイ・チェンシャンだったんですねー 康熙帝役はやけにすごみがあったからあの優しい韓暁冬とは繋がらなかった!

韋小宝の周りの女性たちは美人揃いでそれも圧巻。色んな団体?グループ?が出て来てくるけど、敵も味方ものらりくらりと頭の回転の良さと口のうまさでかわしてる韋小宝を見てるとだんだんかっこよく見えてくるのかしら・・・ まあ女性に優しいですもんね。その割には意外と簡単に人を殺しててそれが私はちょっと怖かったけども。女性を口説くのと同じ軽さで殺すんだもの。

私もとうとう割とたくさん中国ドラマを見たんだなあ~と思ったのは、見たことがある女優さんがいっぱい出てたから!少年四大名捕で見て以来色んなところで見かけるジア・チン、私の妖怪彼氏で見てからこれまた色んなドラマで見るウー・チェン、古剣奇譚に出てたチャン・モン、ときめき旋風ガールに出てたジャオ・ユエンユエン(百草のライバル役!)などなど!みんなそれぞれお綺麗であんなに美人ばっかり妻にしたら大変だよって思っちゃう・・・

とにかく、映画でもドラマでも何度も映像化されている作品なので、それぞれ見比べてみるのも面白いかもしれない!どの部分をメインで取り上げてエピソードにしてるかとか違いがあって楽しそう。韋小宝がホァン・シャオミンで康煕帝がウォレス・チョンというキャスティングのの2008年のドラマもとっても気になるし、チャウ・シンチ―の映画も絶対に面白そうだから機会があったら見たいと思います!

 

鹿鼎記 ロイヤルトランプが見れるのは・・・




【韓国映画】スキャンダル デジタルリマスター版 の感想 いつだって罠にはまるのはゲームを仕掛けた側なのだ

ペ・ヨンジュン主演の映画「スキャンダル」を見ました!こちらは2003年に公開の映画だけど、私が見たのはデジタルリマスターされたもののようです。やっぱりヨン様が出てるし、人気の映画なのかなあ。

 

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この映画の元になっている原作はフランスの小説「危険な関係」だそうです。それはなんとなく映画の紹介文で読んで知っていたんですが、「偉大な誘惑者」の感想を書いてる時に同じ小説を元にして制作されたドラマだと気づいて、あ~なるほど!と繋がって分かったことが沢山有りました。映画とドラマという尺の違い、視聴者層の違いというのもあるので、時代背景や設定はかなり違いますね。ラストも全然違う。

で主要な登場人物を対比させるとこんな感じかな。
チョ・ウォン(ペ・ヨンジュン)=シヒョン(ウ・ドファン)
チョ氏夫人(イ・ミスク)=スジ(ムン・ガヨン)
チョン・ヒヨン(チョン・ドヨン)=テヒ(ジョイ)

同じ役柄だけど、脚本や演じる人によって全く違う息を吹き込まれるんだなあって思うと興味深いです。 映画版の方が原作に忠実なんではないかとなんとなく思う。

この映画でのイ・ミスクの貫禄や、ちょっとエロティックな内容でもあるのでペ・ヨンジュンの肉体?もさすがですが、ダントツは静謐な美しさのチョン・ドヨンですね。演技派というイメージはあったけれど、こんなに美しい人だとは知らなかったんです。こういう禁欲的な美というのはやはりあるんだなとシミジミ思いました。あからさまではなく奥から匂い立つもの。そしてだからこそゲームを仕掛けた方のウォンもいつの間にか自分が罠にはまってしまったんでしょうね。

チョ氏夫人の気位の高さ故に認められなかったウォンへの思いも切ない。自分のことを愛していると思っていたウォンが自分の手を離れたと分かった瞬間に悟る自分の気持ち。風に舞う花びらが儚く消えてしまう様を追う表情が過ぎし日々を物語るのでした。

映画は全体的に淡々と描かれているように思えたんですがそれが良かったです。三人ともポーカーフェイスで自分は熱くなったりしないと思っているのに、いつの間にか抜けられない沼にはまってしまう。そしてかぶっていた仮面がはがれて心のままに行動した後、思いもよらない方向から悲劇的な結末を迎えてしまうのでした。

彼らが迎える最後がさらっ描かれていて、それがすごく印象的でした。悲劇をことさら強調するのではなく、あっさりとしている。でもそれが反対に余韻を残す感じ。え、そんなに簡単にそうなっちゃうの・・・みたいな。

そんな感じでラストは断然この映画の方が好き。やっぱりドラマとして視聴者に受けるものを作ろうとすると「偉大な誘惑者」のようななんだかんだみんなハッピーエンドって感じになっちゃうんだな。時代背景的に簡単に人が死ぬって訳にもいかないのかなとは思うんですけどね。

まあともかく心ってものは自分で自分のことを分かっていにると思っていても、自分でどうにか出来るものではないんだなあと思いました。難しいものですね。

 

スキャンダル デジタルリマスター版が見れるのは・・・
⇒Netflix