もうなんていうか見た後にギャフンな気持ちになる映画でありました。これまた私は全くの前情報なく、ただキャスト欄にカン・ドンウォンの名前があったから見てみたよ~ってな感じなんです。そしたら実際に起こった未解決事件を題材にした映画だったんですよねえ。誘拐の未解決事件なんて言ったら悲しいラストというのが予想されちゃうわけで・・・ そんな内容だって知ってたら手を出さなかったかもなのですけど(子どもちゃんがひどい目に合うの好きじゃない)うっかり最後まで見ましたよね。ああ。
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さて、お目当てだったカン・ドンウォンは声だけの出演です。誘拐犯と子どもを誘拐された両親が何度も電話で会話をするんですが、その犯人の声、つまり「あいつの声」を演じたのがカン・ドンウォンです。彼の声は特徴があるので、これは結構良い配役だなと思いました。耳に残りますよね。そして本物の誘拐犯の声も流される場面があるので、その実物の声とカン・ドンウォンの声が全く違うのがこれはあくまでも映画であるという線引きになっているのが良いです。そうでないと苦しい気持ちを引き摺りそうな映画です・・・
それにしても、誘拐犯の言葉に振り回される両親の姿が生々しくて見ている側まで胸が痛くなります。焦り、悲しみ、希望、落胆が何度も何度も繰り返され、消耗していく二人。
結局、未解決、そして時効を迎えたとのことですが、映画の内容を見ていると実に大胆不敵な犯人なんですね。携帯電話も無かった時代に一体どうやって両親の行動を監視することが出来たのか、そしてあんなにやすやすとお金を奪って逃げることが出来たのでしょう。今なら同じような事件が起こってもちゃんと解決できるのでしょうか?映画の中の警察は結局何一つ糸口さえ見つけることも出来ずに両親と一緒で犯人に転がされていた感じでしたね・・・
こういう実際の事件を扱った映画って一体どんな意図で製作しようと思うんだろうなんて考えてしまうなあ。事実は小説より奇なりとはいいますので、題材としては興味深いと思うのかもしれないですね。事件を風化させないという意味では一定の意義があると思うのですが、エンターテイメントとして昇華させきることが出来ないものな気がするなあ・・・なんてことを私は思ったのでした。あ、両親役のソル・ギョングとキム・ナムジュの熱演はすごかったです!