【香仏合作映画】ラスト・ブラッド の感想 三つ編みセーラー服と日本刀のチョン・ジヒョンはクール!

映画の「ラストブラッド」を見ました!チョン・ジヒョンが主役ということで見てみたんだけど、原作が日本のアニメ、映画自体は香港とフランスの合作映画ということで一体どんな感じなのか視聴前は全く予想できない感じ!

私は結構、外国から見た日本のイメージのとらえ方に興味があるので、なかなか面白かったんですよね。日本って全然こんなんじゃない!って思って見ちゃうといろいろ気になって楽しめないかもしれないかなあ。そういえば大学時代の友人が卒論で映画の中で描かれる日本像みたいなのを研究してたなあ。その時に外国映画で日本が出てくるのをいくつか教えてあげたけど、今ならこれも教えてあげるなあ~なんて思ったのでした。

 

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チョン・ジヒョンの表情はとてもクールでかっこよかったけど、セーラー服に三つ編みというのがシュールですよねえ。そして、日本刀というミスマッチ感がなかなか圧倒的。最近、中国の時代劇もよく見ているのせいで思ったのが、剣と刀というのは造形的にも象徴的にもかなり違う印象を受けるような気がしました。剣よりも刀の方がどこか禍々しいような気がする。鬼には刀が似合うのかもしれない。

といいつつ、映画の中で一番気になったのは、鬼なの?ヴァンパイアなの?っていう部分ですよね。言葉は文化と連動して表す範疇が変わると思うのだけど、外国語では異形の者が「鬼」ですべてを含むのかしら?日本語を使う者の感覚としては鬼は角が生えた鬼であり、ヴァンパイアは血を吸う吸血鬼であり、別物の感覚なんだけどな。でも今こう書いてて「吸血鬼」って言葉には「鬼」という文字を含むじゃないですか!!!!!そうか、ヴァンパイアって鬼の一種なのか!!!?感想を書きながら自分自身で新しい気づきとともに自己完結!!!笑

アクションシーンはまさにアニメを実写化した感じの動きですね。日本の時代劇とは違う。日本の殺陣はどこか不文律のお約束があるもんな~ その部分はアクション監督がコーリー・ユンなのを知れば納得。まんま香港映画のワイヤーアクション感があるかな。

最大の敵が「オニゲン」っていうネーミングセンスだけはようわからんなあと思いつつ(鬼の源だから?)、血が丸く飛び散るイメージとか、米軍基地の町とか、視覚的にも工夫されている部分も多くて、わりと面白かったです。サラッと見るには悪くないかな!

 

ラスト・ブラッドが見れるのは・・・



【香港映画】ホワイト・バレット の感想 良くも悪くもとんでもない映画を見ちゃった気分だよ!

いやーほんととんでもない映画を見ちゃったな~って感じです。凄いんだけど何がなんだか訳が分からん気もするんだなあ・・・ ルイス・クーとウォレス・チョンが出てる!いいじゃな~いってな気分で見てみたんですが、そうか冷たい雨に撃て、約束の銃弾をのジョニー・トー監督の作品だったんですねえ。どおりでラスト近くの銃撃戦に納得であります。

 

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原題は「三人行」で、そのタイトルの通り病院で三人の心理戦が繰り広げられます。頭部に銃創を追って運び込まれる強盗団のメンバーのチョン(ウォレス・チョン)、チョンに仲間の居場所を吐かせたいチャン警部(ルイス・クー)、脳外科医のトン(ヴィッキー・チャオ)の駆け引きはそれぞれの立場の違いや隠したいことなどがあって面白いです。

チャン警部は、部下に銃を使ってチョンを脅させたところ、部下が実際に撃ってしまったことを隠そうとして、証拠をねつ造したりあげくの果てにはチョンを殺そうとまで思い詰めるんですね。警察として犯人逮捕を一番に考えるが故に暴走してしまったんだろうけど、それは医者の倫理観とは相容れない訳で、トンとも揉めてしまう。

強盗団だっていうのに、妙にインテリくさい男チョン。医者の倫理観の痛いところをついてくる彼の言葉に翻弄される医者のトン。しかし、彼は銃弾を取り除く手術を拒否したものの鼻血なんかも出てきて悪化。味方が病院に乗り込んできて銃撃戦になるんだけど、助けが来て逃げるもんじゃないの?復讐するんだとしても、病院で病人も職員も警察も関係なくとりあえず撃ちまくるなんて自分たちも死んでしまうんじゃないかい?謎。

ま、ジョニー・トーの作品で銃撃戦が無いのなんて考えられないんだろうなと思うんですけどね・・・ だけどあの展開には脳みそがついて行かなかったぞー

ウォレス・チョンはこういう胡散臭い役も出来るのね。つかみどころのないチョンの役は結構良かったですよ。

優秀な脳外科医のトン。しかし最近の手術は失敗が続いている。そんな時期にやってきたチョンとチャン警部に困惑する彼女。

手術が失敗して下半身がマヒした患者が銃撃戦から逃げる際に階段から車椅子ごと転げ落ちたら歩けるようになったっていう顛末には苦笑を禁じ得ないよー!っていうか君は自殺未遂を起こしていたのに銃撃戦から逃げるんかい!?っていうところにまずツッコミました。やっぱり人間ってそんなもんよねとは思うんだけどもさー

そして、ジョニー・トーの映画といえばこの人!のラム・シューおじさんも出演しています。お尻にナイフを刺されたあの駐車場のくだりはラム・シューフィーチャーのためだよね?なんだったんだあれ。

そして懐かしい顔が!古惑仔でおなじみ謝 天華(マイケル・ツェー)ではないですか!お元気そうで何よりだわ~ 昔に見た人でもちゃんと顔を覚えてるもんなんだな~と。好きで何回も見た映画ですからねえ・・・

 

さて、銃撃戦はそれをそこでする必然性があるのかという点には疑問ありますが、映像としてはすごいです。めくるめくよ。スローモーションだったり、あっちからもこっちからも360度で上からも下からも撮影されてて、わーおって感じ。撮影の構図がぶっ飛んでるんですよ。すごいなー 病人もめっちゃもんどり打ってるけど、そこまで大きな銃でもないのになあとかちょっと冷静になりつつも面白かったです。

映像もなんですけど、その時の挿入歌の歌詞がなんだかすごいんですよ。これをここで流されても訳が分からないよ!って感じなんですよ・・・

古きを温(たず)ね 何事にも驚かず
師を尊び道を重んじすべて縁に従う

花鳥風月の美しさを愛でる
人生とはただそんなものか

いにしえの師が我々に残した言葉
今は若き人々の言葉に耳を傾け
彼らに何を望むか考えてみよう

目を閉じて口をつぐみ
耳をふさげば誰もが幸せ
誰もが知り気づいているのに
あなたも私も傍観するだけ

Ivana Wongの「之乎者也」という曲みたいです。歌詞が気になり過ぎて字幕をわざわざ書き起こしてしまいましたよ・・・ そうか主題歌なのか。銃撃戦のシュールさに拍車をかける歌でありました。

そして、病棟から墜落しそうになるチョンを結局は助けるトンとチャン警部。そして体をはって助けようとしたチャン警部の手を放さなかったチョン。さてこれで心を入れ替えてめでたしめでたしなのかというとそうではないところが香港映画らしさだと思うんですよね。自信を取り戻してチョンの手術をするトン。上司に警察がチョンの頭を撃ってしまったのだと告白して退職するチャン警部。しかし、トンが執刀したチョンの手術は失敗して、チョンは回復しないままであった・・・というラスト。なんだか誰も救われない感じが何とも言えないねえ・・・

そういう感じで、すごくよかったーとかじゃなくてなんだったんだあれは、みたいな気分になる映画だったんだけど、忘れられない1本になることは間違いないというこの視聴後の複雑な気持ち。でもキライじゃないっていう。表現できない!難しい!笑

 

ホワイト・バレットが見れるのは・・・
⇒Netflix



【中国香港合作映画】ラスト・シャンハイ の感想 久しぶりに見た呉鎮宇(ン・ジャンユー)に大興奮!

最近、映画を見る機会が多いのですが、そういえばチョウ・ユンファは最近はどうしているんだろうなんて思って見てみたのがこの「ラスト・シャンハイ」であります。もちろん歳はとったなあとは思うけど、あの存在感は健在でありましたなあ!そして他の出演者に誰がいるかを何も知らずに見ましたが、おお!という人が結構出ていたので、見て良かったわ~!

 

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サモ・ハン・キンポーもほんと色んな映画で見るからどんだけ出てるんや!ってビックリするけど、この映画で久しぶりに見て嬉しかったのは断然!呉鎮宇(フランシス・ン/ン・ジャンユー)であります。やっほー

少し前に彼のことを思い出して頭に浮かんでですね。香港映画をよく見てた頃に見たあの人はなんて名前だったけな~と考えていたんですよ。そしたらたまたま見たこの映画で出てた!癖のある役を演じているのも全く変わっていない~ そう考えてみるとそうかそうか私は昔から癖のあるおじさんが好きだったんだな・・・と思いいたったのでありました。マオ将軍役のうさん臭さったらたまりません。この映画は彼ありきだと思う!!!

ああ、香港の映画館で彼が主演の映画も見たことあるもんなあ。その時いっぱい見たからタイトルもすっかり忘れてしまったよ・・・ なんだったけなあ。

なんつってン・ジャンユーのことばっかり言っていますが、チョウ・ユンファも良かったですよ。中国服が本当に似合う。年相応に恰幅が良くなったのがまた良くて、素敵な人は歳に関係なく素敵なんだわと思い知るねえ!

そしてチェン・ダーチーの若い頃を演じたのがホァン・シャオミン!この二人が同一人物を演じているのが全く違和感なくてちょっと驚くほど。

ホァン・シャオミンもいい役者さんですね。血気盛んな頃のダーチーの演技も、イエ・ジーチウに恋する演技も良かったな・・・ ジーチウとは結ばれなくてアーバオ (莫小奇/モニカ・モク)と結婚するですけども、アーバオの思いも切なくて、時代に飲み込まれた彼らの運命に涙してしまう。

イエ・ジーチウを演じたユアン・チュアン(袁泉/ヨランダ・ユアン)も美しかったな・・・ 住む世界が違ってしまったと彼女からダーチーの手を振りほどいたけれど、捨てきることが出来ない思いがどこか残っている。でももう二度と手に入ることは無いのだった。

教会での刺客を見て、隋唐演義の徐茂公じゃないかな~と思って調べたらそうだった~ 杜奕衡(ドゥ・イーフン)ですね。出番ちょっとだけだったのにすぐ分かったぞー 特徴のある顔ですもんね。

そして、東京媽祖廟の前を通った時にすごく太い線香が刺してあるのを見てビックリしたんだけど、ホン・ショウティンとチェン・ダーチーが義兄弟の契りを交わすシーンでその太いのが出てきて、本当にあんなに太いのを使うんだなあと思ったという話。

 

時代背景として日本軍が上海に攻め込んでいる時なのなので、どうしてもに日本軍が敵として描かれちゃうんだけどね、それはそれとして。
アクションもストーリーも見ごたえあって結構見いっちゃったな・・・ ちょっぴり苦くて切ない映画だったなあと思うのでした。

 

 

ラスト・シャンハイが見れるのは・・・

【香港映画】天上の剣 The Legend of ZU の感想 やっぱり鄭伊健(イーキン・チェン)かっこいいな!

久々に鄭伊健(イーキン・チェン)が動いている姿を見たくなって「天上の剣 The Legend of ZU」を見てみました。監督も徐克(ツイ・ハーク)だし!彼はどうやら以前にも武侠小説の『蜀山劍俠傳』を元にした「蜀山奇傅 天空の剣」という映画も作っているのだけど、今回も同じ題材を元にしているようで、つまりセルフリメイク作品って感じかな?

 

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中国の武侠ものとか歴史ものとかを見ていると中国人であれば当たり前のように知っている物語とか知識があるんだろうな~と思うことがあるんですが、この映画の原作とかもちょっとそういう部分があるのかな、なんて。崑崙(コンロン)とか峨嵋(ウォメイ)などの地名とかね。つまり私にはそういうのが無いので、最初の辺りはちょっと展開について行けないような気分で見ておりました。

でも、そこまで複雑なストーリーではないので、理解は出来ます。が、元から知識がればきっともっと面白いんだろうな~という感覚はありますね。

でもいいんだ。かっこいい鄭伊健(イーキン・チェン)を見たいという希望は完全に満たされましたから。髪をなびかせてひたすら素敵である!

古惑仔の映画がとにかく好きだったんだけど、今も全然変わってないなあ~。多分、古装片を見るのは初めてなんだけど、彼は基本的に長めの髪の人だから違和感がありませんね。やっぱりかっこいいなあと実感。天宗(ティンチョン)という役も良かったしね。

そして天宗の友人役の辰子(ツァンチー)は古天楽(ルイス・クー)ですよ!彼もかこいいなあと思っていたんだけど、実際に映画で演技している姿を見るのは初めてではないだろうか。天宗と辰子の友情の末路は分かっていても切ないのよね。こういうお約束的なストーリー展開は嫌いじゃない。

そして天宗の師匠の弧月(クーユ)と英奇(インケイ)を演じるのは張柏芝(セシリア・チャン)。彼女もとてもお綺麗でありました。双剣合一というようなそれぞれ剣を持つ二人で力を合わせて初めて技が完成されるっていう設定も武侠モノでよく出てきますよね。今、視聴中のドラマ萍踪侠影(へいそうきょうえい)でもあったし、女と男、陰と陽が一緒になることで完全というそういう思想的なものがあるのかな・・・ 息を合わせないといけないという意味でロマンチックだなとも感じたりする。この映画の英奇(インケイ)と無忌(モウゲイ)に関してはそういう感じはなかったけども。

そして、ジャケット写真などで主役なのか!?と思うくらいに推されている章子怡(チャン・ツィイー)はビックリするくらいいてもいなくてもいい役柄です。人間で将軍の娘なんだけど、人間出てこなくても別に良かったんじゃ?ってくらいなので、訳が分かりませんなー マーケティング上、日本でも有名な彼女の名前が重要だったのかもしれないけど、それ目当てに見た人がいたら怒り出しそうだのーと思った!笑

 

この映画は、武侠モノといってもファンタジー的な超能力を駆使する感じのスペクタクルな闘いなので、それを見ている間は「わーーーーすごいなーーーー」くらいの感想しか湧かない。技とかじゃなくてCGが凄いねっ!めっちゃ幻想的って感じ。でも映像は綺麗なので、これは映画館で見る方が楽しめそうだなと思います。

せっかくなので、「蜀山奇傅 天空の剣」の方も見て比べてみたいな~なんてことを思っちゃうな。ブリジット・リン見たいし。

 

 

天上の剣 The Legend of ZUが見れるのは・・・

  

【香港映画】楽園の瑕 終極版 の感想 ただひたすら幻想的な映像の美しさに浸る

「楽園の瑕 終極版」を視聴しました。楽園の瑕を見たような見ていないような記憶が定かでないのですが、どっちにしても終極版は見ていないのは確かなのでなんとなく気が向いたので見てみましたよ~ あの頃のウォン・カーウァイ作品はほとんど見たような気がするんだけどな。でもそんなくらいの記憶でいいのかもしれない。この映画で出てくる砂漠の風景みたいにその記憶も砂に埋もれてしまうくらいでちょうど良いのかもな。

 

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ウォン・カーウァイ監督作品というのは本当に独特の世界観がありますよね。この映画もそう。金庸の「射鵰英雄伝」に出てくる登場人物の外伝的なストーリーらしいのですけど、一般的な武侠ものとは一味も二味も違います。

欧陽鋒(レスリー・チャン)は西域の砂漠に腰を落ち着けているにも関わらず、なんだかロードムービーの趣があるような気がする。そこを訪れ去っていく人々がいて、出会いと別れを繰り返しているせいかもしれない。通り過ぎていく人々を通してみるのは自分の人生。欧陽鋒の体は旅していないのだけど、心は旅をしているように見える。それは砂漠に吹く風のせいなのだろうか?

それにしても豪華なキャスティング。黄薬師(レオン・カーフェイ)が酒を煽る姿が美しい。

剣士役のトニー・レオン。馬賊との闘いのシーンはカメラも人物の動きに合わせて動くスタイル。傍観者というよりはその戦いのまん中に放り込まれる感覚。これを物足りないと思うか、美しいと思うか。視力を失う役のトニー・レオンの光る白目部分とあれた唇が印象に残っている。

欧陽鋒の最愛の人の役はマギー・チャン。愛していると彼が言ってくれなかったからと兄嫁になる。この心の動きはどこか分かる気がする。忘れたくて忘れて欲しくない。そして忘れることなんて出来ないのに。

 

答えがあるようでない人生のロードムービー。そんなものを見ている気になる。沢山出てくる登場人物の中で、自分の見る時期によって誰の目線でこの映画を感じるかが変わるかもしれないなんて思う。待つだけなのか、追いかけるのか、後ろを振り返るのか、前に進むのか。意味を深く考えるのもいいし、ただ美しい映像と雰囲気に身を任せるだけでもいいのかもしれない。

 

楽園の瑕 終極版が見れるのは・・・