【香港映画】008皇帝ミッション の感想 何も考えずに笑い転げたい時に見るのにピッタリ!

チャウ・シンチーのコメディー映画って実は見たことなかったんですが、本当に何も考えずに笑える映画が見たいな~という気分になったのでお酒を片手に見てみましたよー。ナンセンスギャグの応酬にあっけにとられた感もありますが、これでもか!っていう畳みかけ具合にパワーを感じる映画でもありました。この限度を超えてくる感覚って良い意味で中国っぽさを感じるなあ。日本って「ほどほど」の適量を好む気がするんですよね。それは良い面もあるけど、突き抜けた部分が無くて平均的なものになってしまうという弊害もあると思うんですよね。

 

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一番面白くて好きだったのは、金の国の陰謀で明の皇帝が宇宙人の着ぐるみ着せられてるところで、他の警護官も殺されてしまって零零發(チャウ・シンチー)が必死で闘うシーンかな。磁石の強力さにも笑っちゃうんだけど、丸太棒みたいなのでガンガン、ガンガン殴ってるのが面白くてたまりませんでした。零零發は武術とかできないって設定で、どんくさくでんぐり返りをしたりしてたけど、殴る動作がめっちゃ俊敏で間髪入れずに殴りまくっててるのがツボにはまっちゃった!

カリーナ・ラウもよくこんな映画出てるなあと思ったけど、めっちゃ楽しそうに演じてて見てるこっちまで楽しい気分になってしまうよねえ!出演者がちょっと笑っちゃってるくらいの感じがたまりませんなー。ロー・ガーインのつけ鼻毛とかその絵面にいるだけで笑ってしまうよ・・・耐えられない!笑

 

シリアスな映画ももちろん大好きなんだけど、こういうの見るとコメディーもたまにはいいなあと思いました。人を傷つけない明るい笑いっていうのはいいもんだなあ。チャウ・シンチ―と言えばコメディーなんだろうけど、私はそういうのは全然見れてなくて、彼の出演作はゴッド・ギャンブラーくらいの気がするので、今更だけどもっと見てみたい気になりました!せめて少林サッカーくらいは見るぞー!

 

 

008皇帝ミッションが見れるのは・・・




【中韓合作映画】見えない目撃者 の感想 ヤン・ミーの視覚障害者役の演技は良かった!

中国映画の「見えない目撃者」を見ました!2011年製作の韓国映画「ブラインド」の中国版リメイクだそうです。リメイクなんですが、韓国版と同じアン・サンフン監督が中国版を手掛けているので、設定は変わってもストーリー的には大幅には違わないんじゃないかな~と思われます。私は中国版を韓国版にリメイクしたんだと逆に思い込んじゃっててこっちから見たんだけど、それなら「ブラインド」から見たら良かったかなあとも思いつつ。キム・ハヌルとユ・スンホだったらそっちも期待できそうですよね~

 

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原題は「我是証人」で私が証人ですという感じ。邦題の「見えない目撃者」はなかなか良い感じ!そして、ヤン・ミーの目が見えない女性の役はとても良かったです。顔が綺麗なのでアイドル的存在と思って見てしまってたけど、出演作も多いベテラン女優さんですもんね・・・ 実は演技が上手なんだなあって最近いろいろなドラマや映画を見てたらそう思ってきました。安定感のある演技だなあと。

あともう一人の目撃者であるリン・チョン役のルハンも割と良かったんですよね。演技っていうか彼の年齢とかキャラをそのまま役に生かした感じで活動的で屈託ない若者感がともすればめちゃめちゃ暗くなってしまいそうな内容のこの映画に明るさをもたらしてくれるって感じ。

だってオープニングがまず、ええええええ~!!!って感じで辛いの。ルー・シャオシンの目が見えなくなった&弟が死んでしまった事故の原因が彼女がどんなに後悔しても足りないような内容で、しょっぱなからいたたまれない気分になるんですよね。バンドの練習をしている弟を姉が無理やり連れ出して車に乗せてその後に事故に遭うと。逃げないように弟の手を手すりに縛りつけていたから彼が逃げられずに死ぬという・・・ この部分で心がちょっとやられる感じありますなあ。ちーん。

あとは盲導犬のツォンツォンが!ご主人を守ろうとするんだけど、そのせいで犯人にやられてしまうんですよ・・・ ここはもう一つのめっちゃつらい場面でした。泣いちゃう。ううっ。

タン・ジェン役のチュー・ヤーウェンも怖くて良かったです。インテリなヤバイ奴感がとても出ててゾッとする感じです。悪役が魅力的だとやっぱり全体が面白くなるような気がします。常軌を逸した感じの彼が追いかけて来るのを見ているとかなりドキドキしました。彼の独特の存在感が気になるので、他の出演作も見てみたいところですなー!

 

最後はヒロインが弟のことを乗り越えていく姿が描かれていたりと意外に明るく終わったのでまあ後味は良かったと言えば良かったかな。ラスト近くルハンがステージでアイドル的に歌う場面なんかもあるのはサービスショットって感じで訳が分からん気もするけど、そういうちょっとなあ~な部分を差し引いても意外と楽しめた気がします。ビデオ電話で誘導してるところとかとってもドキドキしたしね!

 

 

見えない目撃者が見れるのは・・・



【中国映画】シチリアの恋 の感想 感動するべきなんだろうけど共感出来ないんだなー

イ・ジュンギとイーサン・ルアンが出演しているので見てみた映画「シチリアの恋」。どこの映画なのかな~と思っていたら中国映画のようです。
これはちょっと久々にハズレ映画を見たな・・・って気分になってしまいました。感動的な愛を描くぞー泣かせちゃうぞーっていう意図は伝わるんですけど、全く共感できないし、どのキャラにも魅力を感じないの。すべてが説明不足でなんのこっちゃな気分でした。

 

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原題は「謊言西西里」でシチリアでの嘘ってな意味合いかしら。この方がまだシチリアの恋よりは納得だな。どっちにせよ、ジュンホはシチリアから上海に留学してそのままそこで仕事もして、シャオヨウと出会って愛し合うのも上海でなので、シチリアという舞台の必然性は全く感じないんだなー。どっちかというと上海の恋って感じ。シチリアの景色は綺麗ですけど、なんで?と視聴者に思わせる感じ。

内容的には以前に見た韓国映画の「悲しみよりもっと悲しい物語」とストーリーが似ている。愛する人に理由も言わずに別れを告げる男、その理由は自分の余命がわずかだからっていうやつ。ありがち-!

ジュンホが「彼女のために別れを告げる」っていう一方的な思想があんまり理解できないんだな。病気を知った上で彼女が別れたいと思うのか、最後まで一緒にいたいと思うのか、という相手側にもあるはずの選択権を奪っているだけのように感じてしまう。相手を傷つけたくないという言葉でオブラートに包んでいる本当の気持ちは自分が傷つきたくないだけなのかもしれない。

その上、この映画での男は、シチリアで生前葬までしてもう死んだことにして相手に自分を諦めさせようとするのに、その後上海に戻って来て彼女の上の階に住んで見守っているのですよ。そして自分の存在を隠したいのか分からせたいのかどっちやねん!っていう匂わせ的な行動をしまくってましてね・・・ そうねえ、言葉は悪いけど、ちょっとキモイって思ってしまったんだな。最後まで彼女を守るっていう思いでやっていたのかもしれないけど、それは守っていることになるんだろうか?多分守っていたのはジュンホ自身の心よね。むしろ二人を守っていたのは所長だったんでは?いい人でしたな。気の毒。

そして、イーサン・ルアンの存在もよく分からない。最終的にはジュンホが死んだ後にシャオヨウと縁があるのは彼なのかな、という感じなんだけどね。すべての登場人物同志の関係性が浅く浅く描かれていてなんだか心に残らない。

 

ジュンホとシャオヨウが深く愛しあっているのが全く伝わってこないのが一番残念だったポイントかもしれないな。出会いとか恋に落ちたエピソードはちゃんとあるんだけど、ふーんって感じで胸に染み込まない。そのせいで彼らの行動全部が薄っぺらく見えてしまうような印象がある。あ、この時のイ・ジュンギは余命半年の役には全然見えない健康そうな体型だったのもちょっとな。・・・という訳で私は全然好きじゃなかったんですけど、オシャレっぽい雰囲気と感動的っぽい雰囲気はある映画でした。

 

 

シチリアの恋が見れるのは・・・



【中国映画】妖魔伝-レザレクション- の感想 独特の怪しい雰囲気が最高の妖魔モノ!

妖魔伝-レザレクション-を見ましたよー!なんということでしょう。マジで美男美女しか出てこない!!!映像自体も秀麗で美しいめくるめくって感じの映画でありました。コンセプトデザインは天野喜孝が手掛けているそうで、あのオープニングの辺りとかなのかな~

 

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原題は画皮2なのだけど、画皮 あやかしの恋を見ていなくても問題ないストーリーなので独立した作品と思わせる邦題もこれはこれでいいのかなと思います。ジョウ・シュンが演じる小唯は500年後もそのまま同じだけで、画皮と同じ役者さんが他にも出ているけど生まれ変わりとかでさえなくて違う役なのですよねー。

画皮を見たときは何にも知らなかったけど、私もちょっと知識が増えまして、画皮は中国の小説「聊斎志異」の一編なのですね。妖怪ものは「聊斎志異」が元になっているドラマや映画が本当に多い!

ちなみに私は今、画皮2の中国のテレビドラマバージョンも視聴中なので、それと比べてなるほどーと思いながら見れたのでその点でも面白かったです。ドラマはまだ途中なので全部は分からないけど、「小唯が氷地獄に封印されていた」「公主の顔に傷がある」「蛮族の王子を生き返らせるために公主の心臓が必要」辺りは同じかな・・・ でも話数も増えると当然登場人物も増えるしで全く違う作品と思って見るくらいでこちらも良さそう。ま、結論から言うと映画の方が完成度が断然高いなと思います。かけてる予算も違うんだろうな。

 

さて、映画の話に戻りますが、この映画の見どころは靖公主と小唯が皮を交換するシーンでしょうか。非常に幻想的でして、水の中で美女二人が抱き合うシーンは異常にエロティックでございます。映画全体で張り巡らされている監督の美意識が特にこのシーンでは炸裂しているなーなんて。見ているとドキドキするくらい妖しい。

ヴィッキー・チャオ演じる靖公主が、武術も出来てとても勇ましいのに恋する乙女なのでそのギャップにたまらない気持ちになります。部下の霍心が自分を愛さないのは自分の顔に傷があって醜いせいだと思って、彼を足蹴にして暴力をふるう公主の姿は切なくも美しい。おお。

霍心(チェン・クン)もマジでイケメンですね・・・ 圧倒的顔力に何も言えないわ・・・ 彼は動きも美しいので、武将とか似合うんですよねえ。目が見えなくなっても闘って勝てるってのはビックリですけどね!ラストで靖公主と霍心が幸せそうに馬に乗って戯れてて、あー良かったですねえって思いましたよ。妖怪のおかげで深まる二人の愛って考えると小唯という存在が不憫に思えますなあ・・・

そして美男美女はこの三人だけでとどまらないのがこの映画!

雀児役でヤン・ミー!あら、これくらいの脇役でも出演するんですね。雀のイメージにピッタリで超かわいかったんですけど。雀児も結局、愛に生きたのよね・・・

そして、ちょっとダークな化粧がいつもと違って素敵なウィリアム・フォンまで龐郎という降魔師役で出てきますよ!これくらいのちょっと痩せてるビジュアルが好きだなー 蘭陵王の時はちょっとねー

お、主要キャスト5人の声は本人で吹替無しみたいー ドラマで見てると吹替が多いんで本人の声がどんなか気になってるんですよね。ジョウ・シュンの声は特徴があって色っぽいよね。印象に残るなあ。

 

画皮も良かったけど、続編のこの映画もまた違った魅力が詰まった映画でした。映像も本当に美しいし、仮面とか目隠しとか使われてるモチーフもカッコよくて雰囲気のある映画になってるなあと思います。かなり好きなタイプの映画でした。中国の妖怪ものはやっぱり好きだな~

 

妖魔伝-レザレクション-が見れるのは・・・




【香港映画】強奪のトライアングル の感想 三監督の特徴が如実に出てて面白かったー!

あっという間に一年が終わってしまいますね。皆様良いお年を!
そして、私の2018年ラストの感想はこれ。香港映画の「強奪のトライアングル」です。リンゴ・ラム監督の訃報を聞いて、追悼の気持ちで監督の作品でまだ見ていない映画を見てみました。この映画は実験的な作品で、3監督が30分ずつ撮影をしたものをリレー形式でつなぎ合わせているらしいんです。ツイ・ハーク、リンゴ・ラム、ジョニー・トーと香港の巨匠ばかりですからね。これは期待しかないですよね。

 

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結論から言うと、私は結構好き!!! 撮影した監督って誰からどういう順番なんだろう?って思ったけど、本当にそのままツイ・ハーク、リンゴ・ラム、ジョニー・トーの順なんだなって分かりやす~い。それぞれの癖が如実に出ていてなんかもうニヤニヤしながら見てしまいましたよ。あの始まり方と話の広がり具合はツイ・ハークで心理戦みたいなところがリンゴ・ラムだし、最後の銃撃戦とコントみたいなノリは完全にジョニー・トーだし。もうラム・シューが出てきた辺りで最高潮にノリノリで見てしまったな~

もちろん整合性が取れない感じの部分はあるんで、そこが気にならなかったら楽しめるんじゃないですかね?好みが分かれそうな映画ではありますが。

でも、こういう実験的な手法を許す製作環境もそうだし、それをやってみようってなる監督さんも役者さんもすごい懐がでかいなあと思うんですよね。結局やってみてイマイチってなったとしても(私は面白かったけど)どうせ面白くないだろうとやらないよりも実際にやってみる方がずっといいと思うんですよねー。うん。私はそう思うなあ。

監督も三人、主役も三人っていうのも面白いなあ。三人寄れば文殊の知恵じゃないけど、化学反応を起こしそしてまとまるのに一番いい人数のような気がする。

それにしても、ルイス・クー、サイモン・ヤム、スン・ホンレイの主役三人が最高でしてね・・・ いい味出てるんですよねえ。ほんとに。
ルイス・クーはホワイト・バレット天上の剣と最近立て続けに見てるけど、ピシっとしたお堅い役がすごくはまっていたので、こういう崩れた感じの役が出来ると思っていなかったんですよね。本作では歩き方からダラっとしてて、役によって体の動きまで変えるタイプの私も好きな役者さんだと実感しました。出演作をもっと見てみよう。
サイモン・ヤムもすごい。悪役のイメージが強いんだけど、しがないサラリーマンみたいな役も完璧。器用だなあと改めて思った。彼が出演しているだけで安心感がありますねえ。
スン・ホンレイも独特の雰囲気が最高に好き。セブンソードと花の生涯〜梅蘭芳〜辺りで見たけど、印象に残って忘れられないタイプ。

その三人の誰が出過ぎる訳でもなく、印象に残り過ぎる訳でもないっていう、そこが一番すごいと思ったところ。バランスがとても良くて美しい三角形なのです。感心する。

 

最初の導入はどうなっちゃうの?と思わせて、最後にちゃんと綺麗におさまった感じでとても面白い映画でした。監督リレーの順番も本人たちでお互いにこの順番がいいんじゃないって決めたんじゃないかなって思うとそういうところも面白いな。そんな風に色々な部分でニヤニヤしながら楽しめる映画でした。見る前に監督がリレー形式の映画だっていう予備知識はあったほうがいいかなとは思いますけども!

 

強奪のトライアングルが見れるのは・・・