【韓国映画】僕らの青春白書 の感想 1980年代の地方都市が舞台の青春映画

映画「僕らの青春白書」を見ました!イ・ヨヌ監督の作品なんですが、以前見たことのある亀、走るも同じ監督の作品のようです。ほのぼの系が得意なのかな?1980年代の韓国の地方都市が舞台の青春映画なのですが、もっともっと前のファッションに感じてそれよりも前の時代を背景にしたものかと思ってました。イメージではなんとなく裾が広がったパンツなんてもっと昔な気がするんだけど、日本とはまた違うかもだし、ソウルと地方都市とかは違うのかもしれない。

 

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ともかく主演陣は今をときめく人気の顔ぶれが出演していてとても豪華です。イ・ジョンソク、パク・ボヨン、キム・ヨングァン、イ・セヨンの4人を軸に物語が展開していきます。

モテ男のジュンギル役のイ・ジョンソクは、ちょっとダサさが足りなかったなあー。喧嘩に弱くて逃げ回る姿とかは良かったんですが、普通にキレイ過ぎる気がして、イマイチ昔のダサさが物足りない。方言もあんまりかな。うーん。

まああれ以上どうすることも出来なかったのかもしれないけど、一緒につるんでる3人組のあとの二人がいい感じにダサいので、彼だけがすっとし過ぎたように感じて浮いてしまってちょっとつまらないのだった。

クァンシク役のキム・ヨングァンは、カッコつけた番長を思いっきり演じてくれてた感じ!シャツの前を開けて柄Tシャツを着るのが不良の印なんですかね?あの本人としてはめっちゃかっこつけてるんだけど、まわりで見てると気恥ずかしい感じ、青春だなあ・・・ めっちゃパンタロンなズボンなんだけど、身長があって足が長いので妙に迫力があったわ~

ヨンスク役のパク・ボヨンがとても良かったです!ト・ボンスンでのキュートだった彼女のことを思うと、体は小さいけど迫力のある女番長が素晴らしかったなー。突っ張ってるけど一途な女の子って最高に好きです。

おバカなジュンギルは、全然本当のことが見えてないんだけど、この世代って特に男の子より女の子の方が思考が大人っぽいのよねえ。

ソウルからの転校生ソヒ役のイ・セヨンもなかなか良かったです。しかし、いくらソウルから来たとは言え、この時代に高校生のピアスはまだのような気もするなあなんてことが気になったり。まあ、彼女も実はかなりのワルだったという設定なので、そのせいなのかもしれないけど。しかし、イ・セヨンは美少女とワルのどちらも演じられるイメージなので、この配役とてもうまいなあと思いました。

そして脇役でとってもいい味を出していたのが、先生役のこの二人。最高にその時代の人でした。この空気感を醸し出せる彼らは本当にすごいよなあ。彼らがいることで映画の雰囲気がずっとアップしたと思う。

 

内容は可もなく不可もなく。ジュンギルを一途に好きなヨンスク。モテ男を気取っているジュンギルはまだまだガキっぽくて色んな事情が分かっていないでちょっと拗ねて生きてるんだよな。あの感じが青春なのかもなあ。あとで振り返ると「馬鹿だなあ・・・」って恥ずかしく思っちゃうんだけど、その時は分からないんだな。

強烈に心に残るような映画ではないけど、最後もハッピーエンドで見やすいし、お目当ての俳優さんがいる人が見るには良いと思います!

 

僕らの青春白書が見れるのは・・・
⇒Netflix



【韓国映画】その怪物 の感想 登場人物の血まみれの姿を夢に見そうだよ・・・

ぴぎゃあーーーーってな声が何度も出ましたこの映画。イ・ミンギとキム・ゴウンが主演で出てるのか~じゃあ見てみよう~と見始めた「その怪物」でしたが、そういうジャンルだったのねあわわってなったのでした。殺人鬼を演じるイ・ミンギの表情がはまりすぎてて怖い。あくまでも映画だし~と冷静に見ることが出来るタイプだし、他の役者さんの殺人鬼の演技もいっぱい見て来てるし、見てブルブルするなんて経験は今までないんですが、この映画はめっちゃ怖く感じてしまった・・・!もしかしたら、どんな内容の映画なのかという予備知識もないまま見始めたせいかもしれない。殺人鬼としては最高の表情の演技なんだろうけど、めっちゃ怖い。でも目が離せないっていうジレンマに陥りましたです。はい。

 

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テスが顔色いひとつ変えずに人殺しするのとか、自分でタトゥー入れてるのとか(あれって殺した人の数だけ線を入れてるってことですか?)、死体を焼いた灰を土に混ぜてその土で壺を作ってそれをコレクションしてるのとか、ラスト近くのテスとボクスンの血まみれで殺し合う姿とか、そういう物理的に見える部分でももちろん怖いんです。

しかし、この映画がとても怖かったのは、全体的に逸脱感が凄いからなのかもしれない。殺人を淡々と行うテスだけじゃなくて、その兄や母のやり方もだし、対するボクスンも普通からはかなり逸脱した存在。そういう普通が当てはまらない人々がやっていることをこっちから見ているとソワソワした気分になるのですよ。妙に陽気なコメディータッチのところも含めてなんだか見ていて恐ろしいのは、明るさと暗さのミスマッチ感に居心地の悪さを感じるせいなんでしょうか・・・?

イ・ミンギはかなりストイックに役柄に向けて作りこんだんじゃないかな・・・ とても良かったですけど、怖かったよ。えーん。白目の部分がね。特にね。
そしてポクスン役のキム・ゴウンもまともと気が狂ってるの真ん中の人なので行動が全く読めないんですよね。この映画のキム・ゴウンもイ・ミンギとは逆側の迫力があったんだよな。キェ・ナリ役のアン・ソヒョンの存在もストーリーのキーになっていて、ハウスメイドでも印象的だったけど、ここでも自然で素晴らしい演技です。

そして、パク・ビョンウンも出てたんですよー。おひげとリーゼント?みたいな髪型でチンピラみたいな役でした。映画もいろいろ出演しているんですねー!

コメディー要素と残虐な要素の同居、そして悪人に対抗する人物も警察官とかじゃなくてちょっとおかしい女の子、などいわゆる予定調和をぶっ壊す要素を取り入れて不協和音を奏でるという手法なんだろうな。そしてその作用で見た人の心に良い意味で不穏な印象を残すことになるのかな・・・と思います。反対に、なんだかな~と違和感を感じるだけの人もいるのかもしれない。

私はよくも悪くも心に残る映画になりそうな気がします。だって夢に見そうですもん・・・ ただ、見ててちょっと疲れたのは確かでございます。追いかけっこ&血まみれ!

 

その怪物が見れるのは・・・
⇒Netflix

【韓国映画】観相師 -かんそうし- の感想 時代の流れというものは人の能力を超えたところにあるのだ

映画の「観相師 -かんそうし-」を見ました!Gyao!で配信してたので、そういえばこれ見たかったやつー!と飛びついたのでした。モチーフは「観相」なんですが、時代背景は違うけれど、ドラマの王の顔でも扱われていましたよね。手相とか観相とか要はこういう相を持っている人には○○な人が多いという事象を集めた統計学だと思うので、絶対的なものではないけど、母数が多ければある程度信憑性が高くなるのかもしれないですね。

 

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それにしてもキャストが豪華で凄いです。ソン・ガンホ、チョ・ジョンソク、イ・ジョンジェ、イ・ジョンソクなんて一人で主役をはれる役者たち。そんな俳優さんが脇役を演じているので、見ごたえがあるに決まっているのでした。見る前に知っていた出演者はソン・ガンホとイ・ジョンソクだけだったので、見てる途中でどんどん出てくる大物に豪華~と驚きました。

キム・ヘスが芸妓姿がとても美しくて迫力。ネギョンをこき使おうとだまして取った証文を盾に今度は首陽大君の額にほくろを作るのを手伝わされるという話の流れが非常にうまく出来てて感心してしまいました。

その他の点でも伏線がきちんと回収されていて、この映画は脚本がとてもよく出来ているのです。ネギョンの義弟のペンホンについてが最後まですごかった。ネギョンの観相で、ペンホンの喉仏は短気を起こして失敗すると言われているんだけど、官吏になりたい甥のジニョンにこっそりと都に行くお膳立てをしてしまい(ジニョンは観相によると官吏になると不幸になる相が出ている)、ジニョンは無事に官吏になるもののある出来事があって視力を奪われる、そしてそれをペンホンがキム・ジョンソのせいだと早合点して首陽大君にキム・ジョンソが彼を討つ計画を立てているとチクリに行く(実は首陽大君のしわざ)、その結果キム・ジョンソが殺され、ジニョンは不幸な最期を迎える。そしてペンホンは喉仏を自分でつぶす、という流れ。

抗えない運命の大きな流れに翻弄される姿がとても怖かったのでした。

ネギョンの息子役のジニョンを演じたイ・ジョンソクも薄幸な感じが非常に似合う。最近堂々とした役ばかりを見ていた気がするのだけど、意外とこういう不幸を一身に背負った雰囲気も出せるのだと発見した気分です。

古装も割と似合うんですねえ。初めて見た気がする。多分。しかしジニョンが最後まで気の毒な役でした。首陽大君はネギョンを殺すよりも息子を殺す方がネギョンのダメージが大きいことを知っていたので、矢をジニョンに向けたのでしょうか・・・

散々、「首陽大君は逆賊の相だ」と聞かされつつも、首陽大君の登場はじらされるんですが、イ・ジョンジェが出てきた時にわーおって思いました。傷もいっぱいつけていかにも悪そうにメイクしてあるせいもありますが、私が想像していた逆賊のオオカミの相の期待に応える顔だったので、ちょっと興奮しました。いかにも悪そうで最高でしたな。こういう時は先にキャスティングを知らない方が楽しかったりしますねえ!

そしてちょい役の内官役に見覚えのある顔が!秘密の森のキーになる役だったユン課長じゃないですかー イ・ギュヒョンも気になっている役者さんであります。

 

最初は田舎の貧乏だけどほのぼのした家族ののんびりした風景が、都に行ってからの時代に翻弄され具合のスピード感が凄かった。見ている方も一緒に巻き込まれたような感覚を味わうのはその対比が効果的に作用しているせいだろうな。大切なものを失い、自分の力の限界を知り、一つの時代の移り変わりを体験した後に海を眺めるネギョンの表情に表れた感情は何だったんだのだろうか・・・ 無常感だったのかな。

 

観相師が見れるのは・・・

【韓国映画】食客 の感想 伝統料理を守るために必要なのは技術よりも精神なのだなあ・・・

キム・ガンウ見たさに映画「食客」を見てみましたが、全体的に淡々とストーリーが進んでいくので役者さんの演技を楽しむという感じではありませんでした。映画だとちょっと時間が足りなかったのかな、という気がする。なので、同じ原作でドラマもあるみたいなのでもしかしたらそっちの方が面白いのかもなあなんて思います。

 

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キム・ガンウ演じるソン・チャン×イム・ウォニが演じるオ・ボンジュという構図なのですが、対決時の料理のテーマが刺身とか牛の解体(ドナドナが頭の中で流れた・・・)なので、料理って感じがしないんですよね。食材を選ぶ目利きの部分が料理人の技量として大きな部分を占めるのかな。最終の対決は一応もう少し調理するものだったのですけど、それも調理技術よりは民族の味についてという精神的なものでして、想像していた内容とはちょっと違うのであった。

登場する人々の背景はほろっとするところもあったんですけどね。炭焼き職人の話とか。

旧日本軍のことも描かれていて、確かに違う民族に支配されるということは例えば料理のような文化的なものにも影響を与えることになるのだなあ、とそんなことを思ったのでした。もちろん宮廷料理だと伝統を守ることが大切なのだろうけど、庶民の食べ物であると双方の食べ物がミックスされたものが新しい文化として根付いていったりするものですしね。そんなことを言いながら思い浮かべていたのはベトナムのバインミー(フランスパンのサンドイッチ)。あれ美味しいんですよね・・・食べたい(関係ない)

それにしても勝つための手段が審査員にお金を握らすくらいはまあどこでもあるんだろうけど、ふぐ刺し対決で相手の料理にふぐの毒を盛るっていうのはなかなか激烈なやり方だなと度肝を抜かれたなあ。それが出来てしまう人はすでに料理人ではない気がする。プロの資格というのは権利だけでなく義務が発生しますからね(これ何かのドラマで言ってた気がする・・・)

料理というものは技術よりもその背景に宿る精神が大切なのかな、と思った映画でした。

 

食客が見れるのは・・・


 

【韓国映画】探偵なふたり の感想 ソン・ドンイルとクォン・サンウのコンビは良いけど扱う事件がイマイチだったかな・・・

Gyao!で配信していたので「探偵なふたり」を見ました!ソン・ドンイルとクォン・サンウのコンビだったら面白いだろう~と少し期待して見たんだけど、思ったより面白くなかったかな。私は最初の方でなんとなく犯人の目星がついてしまったので、そのせいもあるかもしれません。

 

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カン・デマン(クォン・サンウ)は警察官の夢破れて未解決事件のサイトを作っている探偵マニアなブロガー。ノ・テス(ソン・ドンイル)は凄腕の刑事だけど煙たがられている刑事。いつも警察に顔を出して事件に首を突っ込んでくるカン・デマンを邪魔だと追い払っていたノ・テスだが、カン・デマンにとっては友人の、ノ・テスにとっては後輩の警官が殺人事件の犯人として逮捕されてしまったことにより、二人で協力して事件を解決していくことに、という感じのストーリーです。

二人の掛け合いは確かに面白いんだけど、事件の核心でもある「夫婦関係」の描写に焦点を当てていることもあって、かかあ天下な夫婦の描写がしつこいんですよ。カン・デマンもノ・テスも妻に頭が上がらないってな状況なんですけど、「結婚したら女は変わる」ってよく言われるのって、男が変わるから女が変わるっていう面もあると思うんですよね・・・ なのでちょっとそういうのがくどくて見ててめんどくさいな~と思った。だって、旦那の方が時間があるんだったら、赤ちゃんの面倒を旦那が見たらいいだけじゃん?だって自分の子なんだし。それをちゃんとしないからギャーギャー言われるだけなのでは?

男の人が見たら、奥さんに尻にしかれているあの二人に共感でできるんだろうか?私はそういうのを面白可笑しくネタにしているのをあんまり楽しく思えなくて、せっかくの二人の掛け合いがイマイチに思ってしまった感じ。それにしても、犯人も妻を殺したい夫ばかりで、この映画を見ると結婚したくなくなりそうだな。

カン・デマンの推理が凄かったことを見せたいストーリーなんだろうけど、その詳細もちょっと分かりにくいんですよね。本人たちの夫婦の描写のシーンをもっと抑えて犯人の背景をもっとちゃんと見せないと推理内容が唐突な感が否めません。メインの犯人はすぐに分かったけど、なんでそうかなったかというのがカン・デマンの説明で終わるので「はあそうですか」って気分になったのでした。

 

これはあれですかね?ラストを見ると、続編が作れちゃう感じの終わり方をしてたんですが、人気があったなら続いていく感じ?この二人の組み合わせはコンビとしては悪く無かったので、どんな事件を扱うかで面白さが変わりそうな気がします。

 

 

探偵なふたりが見れるのは・・・
⇒Netflix