【台湾映画】目撃者 闇の中の瞳 の感想 そのパンドラの箱は開けるべきでは無かったのだろうか。

台湾映画ってたまにこういう「うわああああ」ってどうしようもない気持ちにさせてくる作品がありますなあ(すごく褒めてる)。という訳で「目撃者 闇の中の瞳」を見ましたけど、声がにならない叫び声をあげながら見ました。こっわ。めっちゃこっわ。ああああああ。見た後からもじわじわと来る怖さです・・・

私は血なまぐさかったり、残酷な映像でも、映像作品として鑑賞する分にはあくまでも作られた物だとどこか頭の片隅にあるからなのかあんまり怖くは感じないタイプ。ただ、痛覚を刺激してくるものはちょっと苦手なので、あまりにも痛そうなのは見たくはないですけどね。

まあなので、ホラーと言っても映像から恐怖を感じるというのはあんまり無いように思うんですが、反対に精神的に人間の心の奥底を表現しているような場合はひどく恐怖を感じます。この映画はまさにそれで、普通に見える人たちの「実は」という部分が明らかになって行くのが恐ろしくて震える。その緊張感が最後まで続いて、構成の妙に感心せざるを得ないです。すごい。と言ってこの映画はホラーにカテゴライズされる訳ではないのかな?サスペンスが正しいのかな?

主人公のシャオチーが開けてしまうパンドラの箱は9年前の驚愕の真実に続いていて、彼が調べ始めたことで止まっていた時計がまた動き出してしまう。それでも調べずにいられなかった理由は好奇心と罪悪感で、けれど更に増えた罪をそれでも飲み込み真実を隠して彼は内務省広報官になるのです。彼のその選択が人間の闇というか、本性というか、賢いやり方といえばいいのか、どちらにせよ、正しさが勝つ訳ではないとあまりにも鮮やかに証明されているようで非常に恐ろしさを感じさせるのです。ラストの広報官になったシャオチーの笑い話も映画のストーリーとリンクしていて、もう最後はその時の彼の笑顔が人間というより化け物に見えてしまう気分。そんな感じで、俳優さんの演技もとても良かったです。

人間の本性を描かれてて凄いと私が思ったホラー映画が、台湾映画に多いのはたまたまかしら。怪怪怪怪物!も凄いと思ったんだな。それぞれ独特の描き方で白日の下に晒される人間というもの。私が惹かれるのは人間の心の奥底を描いた作品なのかなあ~ とにかくまさに「悪夢」の連続に圧倒されること間違いなしの映画であります!

 

目撃者 闇の中の瞳が見れるのは・・・





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