「聊斎志異」は中国の清代の短編小説集。怪異文学、つまり妖怪や幽霊なんかが出てくるそういう不思議な物語たちが色々集められている短編集です。私はそういうの全然知らなくて今回調べて知ったんだけど、チャイニーズゴーストストーリーや画皮などの映画はこの「聊斎志異」の中の小説のひとつがそれぞれ原作になっているのだそう!なるほどー
そんな「聊斎志異」の本から6作品を原作にしてドラマにしたのが今回見た中国ドラマなんです。1作品ごとに6話ずつ×6本なので、全部で36話の構成となっています。ちなみに聊斎志異を元に製作されたドラマシリーズはいくつかあるみたいですが、今回見たのは原題が「聊斎三」で2010年に放映されたものです。
それ以前には2005年「新聊斎志異」というタイトルのドラマシリーズがあるのですが、これはフー・ゴーやホアン・シャオミン、ジミー・リン、レイニー・ヤンなどが出演してる様子!わお、こっちも見てみたいかも。
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さて、6つ話があるので感想はひとつずつ行きます。今回は「梅女」です。
雲亭役は、ラム・マンロン(林文龍/フランキー・ラム)。香港出身の俳優さんみたい。香港映画で見たことがないかな~と調べてみたけど知らなかった。ともかくこういう書生の服装がとっても似合っててなかなか素敵でした。
雪梅役は、ステファニー・シャオ(蕭薔)。すぐに死んじゃって幽霊になっちゃう。幽霊役だけどもアイメイクそんなにばっちりしてたら憂いとか儚さとか全然感じないんですけど・・・とちょっと思って見てたのでした。梅が入った名前のせいなのか梅の木にとりついた幽霊になってるんですけども、日本では何かにとりついてるのって幽霊よりも妖怪とかなイメージですよね。中国の幽霊は日中でも活動できるようだし、半透明とかじゃなくて人に触れられるしで(でも壁はすり抜けられる)、日本の幽霊観とはちょっと違うようです。そういう違いが面白いな~と思って見ていました。人間と幽霊が結婚する方法もあるみたいだったしなかなか凄いです。
雲亭の友人の継祖役は邵傳。彼も幽霊を好きになっちゃうっていう。そしてそのお相手の淑蘭役は王笛。彼女がなんだか見たことあるなあって思ってたら、蘭陵王の周の阿史那皇后でした。蘭陵王を見ている時には気づかなかったんだけど、意外と色黒なため幽霊っぽさがなくて完全に人間やん?と思いながら見てました。その上、死んで幽霊になってから男に仕返しをするために妓女になったとか言ってて、中国の幽霊の世界は一体どういう構造なのか訳が分からないのでありました。
そして泥の妖怪がラストで完全体になるんですけど、えらい巨大化して怪物みたいになっててビックリして笑ってしまったのでした。そんなノリの物語なの!?って感じでした。
しかし、男性陣が幽霊を好きになっちゃうのはいいけど、そうだとしたらもっと悩むのでは?って思うのだけど、全然迷いなく簡単に愛しちゃう感じだし、ラストも意外とのほほんとしたハッピーエンドで私は怪奇譚を見ていたのではなかったかな?おやおやって感じで色々と面白かったです。
このドラマシリーズの全話を見たらもう少し中国の幽霊観が理解できるようになるかもしれないなあ。そんな感じで意外と楽しんで見れました!