【中国ドラマ】霜花の姫〜香蜜が咲かせし愛〜 の感想 愛と執着の違いって何だろう

昨日、私だけのスーパースターの感想も書いたし、この機会にダン・ルンの他の出演作の感想を書いちゃうぞってことで、本日は「霜花の姫〜香蜜が咲かせし愛〜」について書こうと思います。

私は古装ファンタジーが大好物なので、まあだいたいこういうジャンルは好きな方だと思うんですが、このドラマに関してはロマンチックさよりも実は殺伐とした雰囲気があってあまりノリきれなかったな~ 設定的には、天界と魔界などが出てきたり、業を乗り越えるために人間界に修行に行ったりする感じが、三生三世の世界観と少し似てると思うのですけどね。しかし、親世代の因縁からしてすでにドロドロしていたり、ヒロインが愛を封じられているせいなのか分からないけど、切ないとか悲しいとかいう感情以上に登場人物たちの極端な選択に翻弄されて疲れてしまう感じがあるんですよね。

運命の愛というのはあるのかもしれないけど、このドラマの登場人物たちの思いは、主人公たちも含めてみんな重すぎる。そういう愛をああ素敵と思えるか、怖いと思ってしまうかは、本当に紙一重の描写なんだろうと思うんですが、今回は後者の感覚が強くなってしまったな。

決定的に私にそう思わせたシーンは錦覓が旭鳳を親の仇!と刺した時ですかね。天界だからどうにか生き延びたけどさ、いやいや普通はあれ死んでるし、後悔してももう遅いじゃないですか。っていうか、いくら「愛が分からない」と言っても、友人として長く過ごしてきた訳だし、旭鳳を親の敵として殺すにしても、事前にもっとちゃんと調べて行動するべきなのでは?と、人間の本質の部分での錦覓に疑問を抱いちゃうよね。あ、人間じゃなかったか!でもまあこの辺りから、見るのがしんどくなって、離れるのも愛のカタチのひとつとして綺麗におさめて欲しいと思ってしまったし、二人を応援する気が消え失せてしまった!

そしてサブキャラ達もみんな執着が凄くて、ひたすら怖いし。もう少し、優しく温かい愛情をもって見守るみたいな登場人物を作った方が良かったのではないかと思ってしまうよ・・・

なので、一番好きだったのは、鎏英と暮辞の二人ですね。別れる日が近いからというのもあるけど、二人が思い合う姿を見ているのが一番好きだったな~ チェン・ユーチーもとても可愛いし、鎏英のパパも包容力のある素敵な大人だったしね。彼女は白い衣装の方が似合う気もするけど、魔界の黒衣装もキリッとして素敵。今、彼女が主役の両世歓を見てますが、めちゃめちゃ可愛くて見とれちゃいます。ここでも捕吏も、お嬢様も演じてて、とても良いです。

そうそう、潤玉役のレオ・ローもどこかで見たことあると思ったら、マイ・サンシャインでウォレス・チョンの演じる役の大学生時代を演じてたんでした。彼の古装が似合いますね。前半の優し気な感じはとても良かったんだけどな~

まあそんな感じで、ちゃんと最後まで見たんですけど、もう少しほんわかとしたストーリーだったら好みだったのになあと思いました。前半はとても良かったんだけど、後半はひたすら極端!なんで!?みたいな気持ちで見ちゃったな!

 

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【中国ドラマ】私だけのスーパースター〜Mr. Fighting〜 の感想 喪失と再生の物語

こちらのドラマ「私だけのスーパースター〜Mr. Fighting〜」も随分前に見終わっていたドラマです。今となってはストーリーを思い出しつつ、複雑な思いを抱きながら感想を書くことになってしまいました。これからダン・ルンの出演した作品の扱いはどうなっていくのでしょうか・・・ 脱税の罪で芸能活動が出来なくなるというのは、なんとも辛い。本人次第で避けられる事態だと思うので、なんとかできなかったのかと思ってしまいますね。作品自体にも共演者にも罪はないのに作品がお蔵入りになってしまうとしたらやりきれない気分です。

更にこのドラマのストーリーが、10年前に芸能界デビューをした主人公のハオ・ゾーユーが、マネージャーのフー・ズーやその父親、そして事務所の社長と再起を目指して頑張って行くという内容なので、またこのドラマみたいにダン・ルンも再起できるといいなと思いつつ。中国のお国事情の詳しいことまでは分からないけれど、なかなか厳しいのかな。

さて、このドラマで一番ステキだったのは、フー・ズーのお家の様子。今もこんな感じの住宅がまだあるのか分からないけど、少し懐かしさを感じるようなセットが彼女の家族の暖かい雰囲気とマッチしてて、すごく良かったです。何よりもフー・ズーとお父さんとそれにプラスして事務所の社長のやり取りが本当に素晴らしくて。あの家に迎え入れられたことで、ズーユーが変わっていくのが納得できる感じでした。

なので、このドラマはダン・ルンが主役なのだろうけど、むしろ彼の取り巻きの人々がいてこそ成り立つドラマだったなと思うのでした。何度も繰り返す喪失に力をもらえる感じ。

そうそう、ドラマの中で見たことある食べ物が出て来たんですよ!

私が、陽光城とか華僑服務社で買ったことのある烏江ザーサイです。

なるほど、小袋はそんな風にそのまま食べるんだ!という発見でした。確かにこれと白米があれば、それだけで大丈夫ってのは分かるわ~ 美味しいもんね。

このドラマでのマー・スーチュンは素朴な女の子を全身で演じてて良かったんですよね。どのドラマを見ても全く違う役柄を違和感なく演じてて、好きな役者さんの一人です。当たり前のように演じる役によって体形も変えていて凄いなと思う。もうね。ほんとお父さん役のハン・トンシェンの演技がとても良くて、心に残っているドラマのひとつです。

 

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【韓国映画】7号室 の感想 シン・ハギュン×ド・ギョンスの攻防が見どころ!

今回は、少し前に見た韓国映画「7号室」の感想です。シン・ハギュン×ド・ギョンスが主演です。ド・ギョンスは映画やドラマで俳優として活躍しているイメージですが、私が彼の出演作を見るのはこれが初めてかと思ったら、大丈夫、愛だで一度見てますね。しかし、主役級のを見るのは初めてです。なんとなく、良い人側も悪人側もどちらも演じられそうな顔つきだなと思うので、役者さん向きな気がします。

ストーリーは、DVDルームの社長のドゥシク(シン・ハギュン)とバイトのテジュン(ド・ギョンス)の攻防がメインです。やっと買い手が見つかったDVDルームなのに、不慮の事故でバイトが死んでしまい、売買が成立するまではと死体を7号室に隠すドゥシク。そして苦学生のテジュンは高額の報酬のためにクスリを預かるがそれを7号室に隠すと。その7号室を開けたいテジュンと開けたくないドゥシクのやり取りが見どころです。

そういった感じで、ほぼDVDルームで話が進んでいくシチュエーションブラックコメディという趣なので、とにかく主役の二人のやり取りがすべてという役者さんの技量に頼った部分が大きい作品なのかなと思います。確かに二人のやり取りはリズムも良く面白くはありましたね。

まあただ、そこに頼り過ぎた部分があるのかなという印象もあり、予想を覆すような展開が無くて、ラストまでそのまま終わっていく感じ。だから、面白いんだけど、すごく面白い訳ではないと感じてしまったかな。

ブラックな要素に降り切れてる訳でもなく、予想できないサスペンスでもなく、大筋はすごく面白くなりそうな題材なだけに、もう少し面白く出来そうなのにな~と見た後に思ってしまうのがちょっと残念でした。でもそれなりに面白かったです!

 

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【韓国映画】はちどり の感想 それでも世界は美しいと信じたいんだ

「はちどり」は、どこか胸の奥がチリッとする映画だった。

積み重なる「女の子なんだからこれはしてはいけない。こうしなければいけない。」は、心を疲弊させる。それは多分、一生付き纏うものなのだ。

もちろん、女性にせよ、男性にせよ、どちらもそれぞれに不自由が存在するのは理解しているのだけど、不自由の種類は違う気がする。「男らしさ」はもっとやれと要望、要求を求められるイメージ、「女らしさ」を求められる時、それは抑圧、制限として現れることが多い気がする。正確には私は女性側のことしかきちんと理解できていないとは思うのだけど、私の経験から言うと、能力があっても「女だから」という理由でやる必要はないとやらせてもらえないことがよくあった。例えば勉強、仕事、家庭など本当に全ての場面で。体格差のせいで出来ないとかそういう部分を差し引いてもあまりにもそういうことが当たり前のように存在していて、生きて行くためにそれに対する感受性を鈍くする練習を積んできた気がする。けれど、この映画を見てそうやって隠してきた感覚があらわにされて、そのせいで胸がチリっと痛んだのかもしれない。

私はこの映画の中の家族で見られるほどの男尊女卑を経験した訳ではないし、暴力をふるわれていた訳ではない。けれど私も兄がいてずっと比較されて生きて来て、家族からの言葉に確かに傷ついて、ウニのように孤独だった自分を思い出してしまうのだった。

映画を見た瞬間のその雫は岩をうがっただけなんだけど、内容を思い出す度にその雫が落ちて穴が大きくなり、最後には底まで開いた穴から涌き水のように感情が徐々に湧き出てくる感じがした。しばらく、余韻に浸っていたし、未だにこの映画のことを思い出すと感情が溢れてしまう。劇場公開時の今から1年半前くらいに見たのに!

それにしても。監督が表現したいことをここまで繊細に具体的に映像化できてしまう才能に感嘆してしまう。この感じはロングデイズジャーニーの映像を見た時と少し似た感覚かもしれない。

理不尽な世界でやっと見つけた確かな光のようなもの、それは先生もだし他の大切なものも突然失ってしまうし、永遠ではなくて。そんな風に見つけた光は掴むことも出来ずにたやすく消えてしまうけれど、それを諦めずに繰り返す。またそんな存在に会えるのかもしれないと、そこに残ったのは確かな希望なのだった。私たちの生活とはそんなささやかな光を集め続けることなのかもしれない。

大事にされていないと思っていた自分の存在だけど、病気になった時に心配する両親の姿を見て、実は大切にされていたと知ること。だけど、親も昔からの男尊女卑の時代のルールに従って生きていて、それが当たり前の意識として存在していることも思い知らされる。誰かに認められたいだけなのに人々はそれぞれあまりにも生きることに疲れている。

画面に映しとられた木漏れ日があまりにも美しく、理不尽な世の中だけれど、それでも世界は美しいと信じられる気がした。もしかしたら「信じたい」かもしれないけれど、そう思わせてくれることが既に希望なのだった。

私たちは理不尽と希望の折り合いをつけてしなやかに生きて行くことが出来るのだろうか。

 

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【韓国ドラマ】空から降る一億の星 の感想 抗えない運命に絡め取られる二人

「空から降る一億の星」の視聴を終了いたしました。これは日本のドラマに疎い私でもタイトルを聞いたことがあるくらいの日本のドラマの韓国リメイク版です。しかし、日本のドラマの方はいつもの如く見てないので比べることは出来ないんですけどね。

しかし、日本の方のキャストを見てびっくりしたのは、明石家さんまが出てたってこと!韓国版ではパク・ソンウンが演じてた兄の役か~ 全然タイプが違う気がするので、どう違うのか比べてみたくなりました。キムタク→ソ・イングク、深津絵里→チョン・ソミン辺りはまあ想像の範疇かなって気はする。でも「悪い男」の意味がキムタクの方が色気を利用した男の悪さが強くなる気もするかなあ。

あと、日本のドラマだと「実は小さい頃に出会っていた」という設定があんまり一般的じゃないというか、そういう幼い頃からの運命の恋みたいな描写がどのドラマでも出てくるって感じじゃないから、その要素がこのドラマで効いて来る印象がある。でも韓ドラだと珍しくない設定だから、このドラマの悲恋が特別じゃないように見えちゃったかなあ。面白くなかったとかじゃないんだけど、既視感を感じてしまうような、そんな感じはあったかな~

さて、韓国版について。ラストが、ああこういう悲しい感じねとしみじみしちゃったんだけど、切なさとかとはちょっと違う感情かもしれない。でもこのストーリーに出て来た登場人物たちが運命の渦の中に巻き込まれて逃れること出来ないのを見ると、人生ってそういうものなのかもしれないなんて考えたりしました。ムヨンもジンガンもジングクも、運命に絡め取られて身動きが出来ないのが苦しい。

ドラマ自体の大筋はサスペンス的な要素、運命的な愛と見ごたえもあったんだけど、細かいことがわりと力技な展開やなと思うところは多かった~ 例えば、ペク・スンアとチャン・ウサンとの交通事故で、ムヨンだけあんな風にほぼ無傷で生き残るとかあります!?んな訳ない!みたいな風に色々気になることはありました。

ソ・イングクはただのイケメン役よりはムヨンのような癖のある男の役があってて良かったし、見てよかったです。そうそうThe Witch 魔女ですっかり好きになったコ・ミンシちゃんも出てたんですよ!やっぱり可愛いかった~

 

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