どんどん見るアジア映画の地域が広がっている私ですが、今回はタイの映画!ハッピーオールドイヤーを見て来ましたよ。最近、タイの映画やドラマも日本に入ってきますよね。今のところは「その他映画」のカテゴリーに入れたけど、インド映画みたいにタイ映画のカテゴリーを作る日が来るかも!?
こちらは断捨離がテーマのストーリーなんですが、実際にこんまりさんの映像が出てきて、改めて全世界で断捨離が流行しているんだなあと驚きました。そして、物と記憶、思い出はこんなにも強く結びついているものなのかと実感したのでした。物を捨てられないのは、本当は物じゃなくて、思い出を捨てられないからなのかもしれない。
この映画の中の主人公のジーンもそうで、実家をリフォームして事務所にするために断捨離を始めるんだけど、いわゆる借りパチしていた物がたくさん出てきて、最初はぽいぽい捨てられてるんだけれど、罪悪感から持ち主に返しに行くことを始めるんですね。そして友人にも、元彼にも会うことなると。そして見ないふりをして蓋をしてきた思い出に決着をつけるという経験をすることになるのです。
多分、そんなに借りパチする!?(っていうか借りパチって伝わるかな?借りたまま自分のものにするってことです)と思ってしまいそうなとこもあるんですけど、もしかして、彼女は父親との件によって、そういう風に見たくないものから逃げて無かったことにするという性質になってしまったのではないかな、なんて思えたのでした。だから、彼氏ともきちんとした別れを告げずに思い出を箱にしまい込んで忘れたフリして逃げて。でも結局、見ないふりしても心の奥には忘れられない記憶として刻み込まれていて、彼女のようにきちんと向き合わないと昇華できないのかもしれない。もちろんそうしてパンドラの箱を開けてしまうことで起こってしまう出来事も色々あるのだけど、でもやっぱり彼女が迎えた新年は彼女が抱えていた思いをやっと心の奥から空に開放してあげれたようなそんなハッピーオールドイヤーだったな、と思うのでした。
ああ、しみじみと思い出しても良い映画だったな。主人公の女の子も非常に良かったんですが、私はジーンのお兄さんの存在がとても好きでした。彼の存在が無かったら、もっと見ててしんどい映画になった気がするんです。でも、彼の雰囲気やトーンが優しくて、痛みを分け合ってくれるその存在がジーンにも観客にも寄り添ってくれるような気がしてとても良かったです。新しい年を迎えたことだし、私もパンドラの箱を開けて、断捨離に挑戦しようかな!そこには希望もあるのだと信じて。