さあ満を持してやっとこさっとこ空海の感想を書きますよー ミッションアンダーカバーよりも前に見たと言えばどれくらい私の中で温めていたのかが分かりますよね・・・ そう、ゆうに1ヵ月は経っております。その間に日本語吹替じゃないインターナショナル版とかいう字幕版が上映始まったりして、ああどうして見るのをもう少し待たなかったんだ私のバカバカみたいな気持ちが沸いてきて余計にやり切れなくなっていたのでした。
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映画によっては何度も見たいものもあるし、実際に覇王別姫などは何度も見たんだけど、ほら見る前に映画館の椅子に座って、さあどんな映画だろう・・・って楽しみで期待してドキドキして待っているのはあの高揚感は初見の一度だけじゃないですか?だから字幕版を映画館で再度見直したいかというと今回はそんな気にはならないんですよ~!!ぜえはあ
そして、日本に入って来る作品はドラマでもテーマとかけ離れた邦題になっていることもとても気になるんだけど、映画は更にドラマよりも時間が限られている分、タイトルがその作品に与えるパワー配分が大きいのだという事をヒシヒシと感じたりもしたのです。あーなんで「空海」なの?「王妃」って誰?楊貴妃だったら「貴妃」なんじゃないの?と、せっかく作品全体に張り巡らされたチェン・カイコー監督の美意識がそれで台無しになっていますやんっていう気持ちで悶々。
だからつまり何を言いたいかというと、初見で「妖猫伝」というタイトルのままで字幕で見たかったなってことです。それだったらどんなに良かっただろうか。
というような配給側がマーケティング上、多分良かれと思ってやったであろうことが消費者の需要とかけ離れていて作品に対しても視聴者にもひどい仕打ちをしているのではないだろうか?という映画の内容ではないところで、うーんうーんと考えてしまうような感想を持ってしまった訳です。だからなんか自分でも勿体ない気分だし、作品にも申し訳ない気分なんです。
さて、それはもう置いといて、映画はどうだったかというと。
私はチェン・カイコー監督の世界観と黄軒(ホアン・シュアン)の演技を見に行ったので、その点ではとても満足しました。
あれだけ隅々まで気を使って作られた豪華なセットをあれだけのスピード感で映し出す。好奇心で溢れた無邪気な笑顔で町中を走り回る黄軒(ホアン・シュアン)の後ろ姿の動きの美しさ!くるくる変わる表情がとても素敵だったよ・・・ はあ良き。
めくるめくような早い動きでの撮影方法はまるでアニメの映画を見てるみたいだと思った。ほら魔女の宅急便とかリトルマーメイドみたいな感じの動き。特に妓楼のシーンがすごくて、ああこんなにお金をかけて細部まで美を追求したのにじっくり映さずに滑るように撮ってしまってはもったいないなんて貧乏根性丸出しの考えが頭をよぎりました。あの妓楼で踊っていた玉蓮はチャン・ティエンアイ!太子妃ラプソディーの時より美しさに磨きがかかっている!
CGの多用も「妖猫伝」だと思っていたら最初からもっと何の疑問も無く受け入れられそう。私なんか猫がよく出て来るな?ああなるほどと分かるまでに時間がかりましたもん。
あと、吹替だと中国の人名が漢字を日本語読みの音を聞くわけで、それだとなんだか頭に入ってこない。ここはやっぱり名前の漢字を字幕で見る方が理解がしやすいんだろうな。スピーディーなシーンが多いのでなおさら。漢字から得る情報量は思った以上に多い。
もう一つ、これはやっぱり中国人の常識の知識があればもっとなるほど!ってなって面白いんだろうと思う。長恨歌という詩のタイトルは知っていても楊貴妃のことを詠んでいるなんて知らないもん。あとは李白は白楽天の30年くらい前の時代の人とかそういうのも知らないもんな。まとめて唐時代の詩人って程度の知識だもの。どうだろう?私が知らないだけで日本人だったらそれくらい知ってるものかもしれないですけども・・・
そして詩だけは中国語の美しい発音で読まれるのを聞きたかったな・・・とその点は非常に口惜しいです。
そういえば、私、もしかしてこの映画で日本人の俳優さんも出てることだし、見たら日本のドラマとか映画も見たくなるなんてことはないかなと淡い期待もちょっと持ってたんだけど、その思いは脆くも崩れ去りました。染谷将太の空海の表情は何ごとにも動じない超然とした微笑みを表現したいんだろうと理解したけど、ただのニヤニヤにしか見えなくてね・・・ 監督この表情で良かったんですか!?ってこの部分だけは思ってしまったよ。
はー思ってたことをなんとか文字に出来ただろうか。
映画としては私は結構好きだし面白かったのに、それを素直に言えないくらいに他の事にモヤモヤに打ち消されてしまいそうでした。でもやっと書けてすっきりした!
んー 字幕版は映画館でもう一回見たいとは思わないけど、DVDが出たらゆっくり堪能したいかもな。好きなところだけ目を皿のようにして見たいな!