【韓国映画】私を忘れないで の感想 それでも忘れられずに何度でも出会うのだろうか

「私を忘れないで」の視聴を終了しました。私の頭の中の消しゴムに出演したチョン・ウソンが今度は彼自身が記憶を失ってしまう側です。

胸が締め付けられるような切ない救いのないストーリーのようにも思うし、記憶を失ってもそれでもやっぱり何度も出会ってしまうというのは救いのようにも思えて複雑な気持ちになる映画であります。

原題が「나를 잊지 말아요」、邦題が「私を忘れないで」でほぼ直訳ですね。この言葉が誰が発したものなのかというのもポイントだと思うんだけど、英題だと”Remember You”になっているのが興味深い。映画の中で最後にこのセリフを言った声はソゴォンのだったと思うんだけど、英題をつけた人はどうとらえてるのかな?ソゴンとジニョンの関係がお互いに「私を忘れないで」=「あなたを忘れない」であるともいえるかもな、なんて思ったりもする。うーん。深いわ。

 

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この間見た映画の監視者たちではチョン・ウソンはクールな悪役を演じていてそれもめちゃ良かったんだけど、この映画のように情感たっぷりの演技もやっぱりいいですね。ストーリー運びがやや淡々としていて、チョン・ウソンとキム・ハヌルの表情がすべてというような映画だけど、それで十分成り立っていて引き込まれてしまう。

記憶を失った時の表情、そして結局またジニョンに惹かれていく時のソゴォンの表情。記憶を取り戻してしまった時の表情。そしてまた忘れてしまって無へ。

相手の存在を忘れないと生きていけないのに、記憶から消し去ってしまうことは出来なくてまるでメビウスの輪のように何度も繰り返すであろう二人の出会いと別れが切ないです。忘れればすべて過去と言っても本当に忘れてしまうことは出来ないのです。

これも愛のひとつのカタチなのでしょうか。そうだとしてもとても苦しい愛。でも幸せな愛でもあるのかしら。彼らの関係と同じように視聴者の心にも答えが出せない映画のような気がしますね。ただひたすら切ないのでした。

 

私を忘れないでが見れるのは・・・
⇒Netflix



【韓国映画】男と女 の感想 一面の真っ白な雪にも覆い隠すことのできないもの

コン・ユとチョン・ドヨン主演の「男と女」を見ました。私がびっくりするくらいハマれなかったのは、たぶん冒頭のせい。チャン・ドヨンの煙草を吸う姿がわざとらしく見えていきなりそこからあれれって感じ。極力煙を体内に入れたくないようなふかしているだけの吸い方に見えて違和感。喫煙の習慣のシーンはヒロインの鬱積した気持ちを表すためだったと思うのだけど、そういう意味ではあんなに何度も小道具として使用したのは逆効果だったのではないかとまで思ってしまう。多分、チョン・ドヨンに対しての私の期待値が高すぎたせいもあって余計にそんな風に思ったのかもしれないなあ・・・

 

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映画って物語の中へダイブするために臨場感に浸ることが必要なんだと思うのですが、私はその冒頭でそれにいきなり失敗してしまってそのまま最後まですごく傍観者でありました。物語の淡々とした描き方も相まって美しい風景で覆い隠した絵空事を見ているような気分だったようです。

でも淡々とした映像作品が苦手だという訳ではなく、むしろ口数や動きが多すぎる方があまり好きではないので、扱っている題材とかストーリーに寄るとは思うのですけどもね。どうやらこの映画はあんまり私にはグッと来なかったな、という感じです。

男と女の違いが端的に表れたラストまでの展開はうまく描かれていると思うんですけど、切ないとか悲しいとかより虚しさを伴う諦念みたいなものに覆われてしまう。分かっていてもこんな風に突き付けられられたくない事実のようだと思ってしまうのです。

男性と女性の特性の違い、覚悟の違い、不倫の結果に起こることの違い。表面上取り繕っても人間の本質は自ら現れてくるのです。雪に覆われてもそれは隠せないのだとあのフィンランドの真っ白な大地を見て思っていたのです。

男のラストの涙がとても嫌だった。それが自分さえ我慢すればという自己犠牲のつもりでもやっぱりそれは結局自分の選択で。どう言い繕っても自らが初めて夢中になってかき回した相手を捨てて家族を選んだのに、その涙は自分のための涙のように見えて、泣いている姿なんて見たくないのだった。

サンミンの夫のパク・ピョンウンがかけてたメタルフレームの眼鏡がとても似合っていて素敵だった。ちょっと神経質だけれど、申し分のない夫。だけど・・・というサンミンの気持ちは分かる気がする。子どものこと、仕事のこと、家庭のこと。それはギホンも同じで。サンミンとギホンの二人の間にあった感情はそれが本当に愛なのかさえ分からない。辛い日常が無ければ二人が惹かれあっただろうかと考えてしまうのだった。

 

好きか嫌いかでいうとあまり好みではない映画でした。けれど、見終わった後につらつらと内容についてふと考えている気がする。人ぞれぞれ色んな状況あってのことだから不倫が悪いとかそういう一方的な視点は私にはないんだけど、それよりも結婚して家族という形式になるということが簡単に断ち切れる関係性ではないんだなという事の方を彼らというか、ギホンの選択で思ったのでした。人は気づいていないつもりでも緩やかな鎖につながれて生きているものなんですね。そんなことを改めて思ったのでした。

 

男と女が見れるのは・・・
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【韓国映画】蜜の味 〜テイスト・オブ・マネー〜 の感想 お金って一体なんなのかしら?

蜜の味 〜テイスト・オブ・マネー〜を見ました。キム・ガンウが出演していたから見たんですけどもこれまたなんとも言えない気分になる映画でありました。ユン・ヨジョン演じる財閥ユン家のペク・クモクが秘書のヨンジャク(キム・ガンウ)を誘惑する場面があまりにも強烈だったからですよ!拒めずに言いなりにってしまうヨンジャク・・・ ああ。

 

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監督はイム・サンスで、この映画の前作はハウスメイドです。この映画の中で財閥一家がホームシアターで映画を鑑賞するシーンがあるんですが、そこで流れているのがハウスメイドだったし、他のセリフにも彷彿とさせる場面があったので先にハウスメイドを見てからの方が面白いかも。ここの財閥家のユン・ナミはハウスメイドの映画の中で女中が自殺するのを見てたこどものナミなんですよね。そんな感じで話が繋がっているイメージ。

お金という蜜の味は一度味わったら離れられないというストーリーなのかと思ってると、それを捨てようとするユン・ギョンソン会長がいたり、ヨンジャクもクモクを拒めなかったところからもっとお金の味にはまってしまうのかと思ったらどこか最後の部分で踏みとどまっている印象なので、どこか救いがあるストーリーのように感じました。

ハウスメイドもだったけれど、監督はこの映画も色んな問題に目を向けているのだと思います。メイドが韓国人だけではなく、フィリピン人になっていたりするのも韓国の現状を映しているのだろうし、日々感じることを映画という形で表現しているんだろうな。

見終わった後はやっぱりユン・ヨジョンのベッドシーンが強烈でその印象が強く残ってしまったのだけれど、あとからじわじわと色んなシーンが絵のように記憶によみがえってくる印象があります。積まれた札束とか、キム・ガンウ演じるヨンジャクがお金を前にした時の表情がどんどん変わって行く様とかフィリピンでのシーンとか。そしてなんとなく長く心に残ってふとそういうことだったのかな、とそんな感情を呼び起こすような感覚。

何かひとつそういう風に忘れられないような衝撃をわざと作って、それによって他の部分も相乗的に印象に残るような手法を使っているのかしら?わかんないけど。
でもそのせいでなんだか忘れられない映画になっている気がします。好きとか嫌いとかでは表現できないですが、自問自答を問いかけられるような映画でした。

 

蜜の味 〜テイスト・オブ・マネー〜が見れるのは・・・


【韓国映画】背徳の王宮 の感想 暴君という存在は奸臣とともにあるものなんだなあ

映画「背徳の王宮」の視聴を終了しました。この映画の原題は「姦臣 간신」なので製作者の意図としてはチュ・ジフン演じるイム・スンジェが主役ってイメージなのかな。日本語で直訳すると「奸臣」かそのまま「姦臣」かなあ。そうするとちょっとわかりにくいということで「背徳の王宮」となったのでしょうかね?ただしそうなると一体誰の背徳なんだろうっていう事の焦点がぶれてしまう気がして私はあんまりしっくりこない印象でした。どうしてもわりとタイトルが気になっちゃいます。いつもなんだけど。

 

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キム・ガンウが演じた燕山君はそれはそれは見事な色きちがいの暴君でありました。思いっきり燕山君になり切ってて何の違和感もなかったです。しかし全部とは言わなくてもそれなりに史実に基づいているのだとしたら本当にひどい王様がいたんですねえ・・・ 権力の集中というのは恐ろしい。

そして、いわゆる姦臣のイム・スンジェを演じたチュ・ジフン。王を操るだけでは飽き足らず・・・という意図を持った傲慢不遜な人なんだけど、王に献上する運平を集めて訓練を施しているうちにタニに対して恋心を抱いてしまう。

タニを演じるのはイム・ジヨン。情愛中毒でも大胆な役を演じていましたが、この映画でもそう。彼女は特にこういう昔の衣装の方が美しく凛として見えるので、時代劇がいいと思う。今っぽいドラマではあんまり美人って感じがしないのだな。上流社会とかあんまり好きじゃなかったんです・・・

この映画では剣舞のシーンが一番素晴らしくて、白や黒のトーンを抑えた衣装を着ている方が彼女の奥からじわじわとしみ出してくるような色っぽさが表現できてとても良いと思いました。

そして彼女よりも更に印象に残ったのは、ソルチュンメを演じたイ・ユヨンでした。彼女が演じたソンチュルメは全身から発散される艶やかな色っぽさ。タニとは全く対照的な役で素晴らしかったです。なんとなくイ・ユヨンの顔に見覚えがあると思ったら愛の迷宮-トンネル-でチェ・ジニョクの娘役を演じてた女優さんなんですね。あの時はあまり感情をあらわにしない役だったのでまさか同じ人だと思わず。劇中で誘うように歌っている声もまた魅力的で、非常に良い女優さんだなと思いました。「アトリエの春,昼下がりの裸婦」で国際映画祭で主演女優賞を取ったり、この映画でも新人賞を取ったりしてるんですね~ 納得の演技でしたもん。ふむふむ。これはまた見たい映画リストに入れておこう。

エロティックなシーンも多いですけれど、基本的には美しい絵面が多いのでまあそんなに抵抗なく楽しめました。男性陣が主役なのかもしれないんだけど、私の記憶に残ったのは完全にタニとソンチュンメの女性二人ですね~ 二人の絡みは女性から見ても美しくドキドキしてしまいましたよ!

 

背徳の王宮が見れるのは・・・


【韓国映画】スキャンダル デジタルリマスター版 の感想 いつだって罠にはまるのはゲームを仕掛けた側なのだ

ペ・ヨンジュン主演の映画「スキャンダル」を見ました!こちらは2003年に公開の映画だけど、私が見たのはデジタルリマスターされたもののようです。やっぱりヨン様が出てるし、人気の映画なのかなあ。

 

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この映画の元になっている原作はフランスの小説「危険な関係」だそうです。それはなんとなく映画の紹介文で読んで知っていたんですが、「偉大な誘惑者」の感想を書いてる時に同じ小説を元にして制作されたドラマだと気づいて、あ~なるほど!と繋がって分かったことが沢山有りました。映画とドラマという尺の違い、視聴者層の違いというのもあるので、時代背景や設定はかなり違いますね。ラストも全然違う。

で主要な登場人物を対比させるとこんな感じかな。
チョ・ウォン(ペ・ヨンジュン)=シヒョン(ウ・ドファン)
チョ氏夫人(イ・ミスク)=スジ(ムン・ガヨン)
チョン・ヒヨン(チョン・ドヨン)=テヒ(ジョイ)

同じ役柄だけど、脚本や演じる人によって全く違う息を吹き込まれるんだなあって思うと興味深いです。 映画版の方が原作に忠実なんではないかとなんとなく思う。

この映画でのイ・ミスクの貫禄や、ちょっとエロティックな内容でもあるのでペ・ヨンジュンの肉体?もさすがですが、ダントツは静謐な美しさのチョン・ドヨンですね。演技派というイメージはあったけれど、こんなに美しい人だとは知らなかったんです。こういう禁欲的な美というのはやはりあるんだなとシミジミ思いました。あからさまではなく奥から匂い立つもの。そしてだからこそゲームを仕掛けた方のウォンもいつの間にか自分が罠にはまってしまったんでしょうね。

チョ氏夫人の気位の高さ故に認められなかったウォンへの思いも切ない。自分のことを愛していると思っていたウォンが自分の手を離れたと分かった瞬間に悟る自分の気持ち。風に舞う花びらが儚く消えてしまう様を追う表情が過ぎし日々を物語るのでした。

映画は全体的に淡々と描かれているように思えたんですがそれが良かったです。三人ともポーカーフェイスで自分は熱くなったりしないと思っているのに、いつの間にか抜けられない沼にはまってしまう。そしてかぶっていた仮面がはがれて心のままに行動した後、思いもよらない方向から悲劇的な結末を迎えてしまうのでした。

彼らが迎える最後がさらっ描かれていて、それがすごく印象的でした。悲劇をことさら強調するのではなく、あっさりとしている。でもそれが反対に余韻を残す感じ。え、そんなに簡単にそうなっちゃうの・・・みたいな。

そんな感じでラストは断然この映画の方が好き。やっぱりドラマとして視聴者に受けるものを作ろうとすると「偉大な誘惑者」のようななんだかんだみんなハッピーエンドって感じになっちゃうんだな。時代背景的に簡単に人が死ぬって訳にもいかないのかなとは思うんですけどね。

まあともかく心ってものは自分で自分のことを分かっていにると思っていても、自分でどうにか出来るものではないんだなあと思いました。難しいものですね。

 

スキャンダル デジタルリマスター版が見れるのは・・・
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