【中国映画】芳華-Youth- の感想 いつの時代も人間の本質は変わらないのだと思った

こちらの映画「芳華-Youth-」は映画公開当時に見に行ったのですが、やっと感想を書きますよーっと。どれくらいたったのかはもう考えたくないくらい前であります。そんなん多いですな・・・すいません。ただ、見てもすぐに内容を忘れてしまう作品もあれば、時間がたっても色鮮やかに心の中に残る作品もあり、この映画は完全に後者でありました。

 

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「シュウシュウの物語」や「花の生涯」で知られるゲリン・ヤンの小説が原作となっているのですが、彼女も実際にこの映画の舞台となる文芸工作団に属した経験があるとのことです。劇中にも本人を模したと思われる小穂子が出て来て、彼女が語り手となって話が進んでいきます。小穂子は最終的には小説家になっていた気がするので、やっぱりゲリン・ヤンの分身なんだろうなあ。そして、どうやら監督のフォン・シャオガンも若き頃に文芸工作団に属していたようなので、彼らの文工団への思い入れもたっぷり詰まっているのが伝わってきます。

1970年代後半という、毛沢東死去、文革終了、中越戦争という激動の時代を背景に描かれるのは文工団に属する若者たちの青春。正に「芳華」というタイトルがピッタリな、芳しい華のような青春時代のお話のはずなのだけれど、時代に翻弄される部分もあって見ているとどうしても胸が苦しくなってしまうのです。

けれど、違う時代の違う国の風景なんだけど、人間の本質というものは変わらないのだなあという感慨にも耽ったのでした。言ってみれば戦争のさなかの切羽詰まった状況、だけどやっぱり誰かを愛したり、憧れたり、いじめがあったり。ほら、今の私たちと何も変わらない・・・ 現在の方が物質的には便利になっていたとしても、同じように悩み、傷つき、生きている。

そういうことがしみじみと感じられて、とても身近に感じて、自分から遠い世界のお話だと思えなかったのが、なんだか余計に苦しいような切ないような気持ちにさせられた理由なのかもしれません。

そして、ラストのリウ・フォンとシャオピンの二人を見てとてもロマンチックだな、なんて、思ってしまったんです。終わり方が素敵。

文工団の解散後、みんなの生活はそれぞれバラバラになってしまって、お金持ちになる者もいればそうでない者もいて、一定の基準から見たらきっと不幸な人生を送った方の二人なのだろうけど、結婚という明らかな制度の枠組みの外側にいてさえ、それでもお互いに寄り添って生きている二人。結婚という契約ではなく、ただお互いを必要として傍にいる二人のそんな関係性に憧れてしまうなあ。だから、彼らの関係の結末こそがとてもロマンチックだと思ってしまった。

それから、わたしに文工団みたいな青春時代があったかしらと考えてしまったんですよね。懐かしく、そこがなかったら生きていけないような場所。
私は学校生活に対してそこまでの思い入れもないしな・・・なんて考えて寂しく思ったんですが、考えてみれば、大好きだったバンドのライブがそういう場所だったのかもなあ、なんて。たくさんの友達ができて、一緒に地方のライブにも行ったりして。バンドの解散の時に私たちがたくさん涙を流したのが、映画の中の彼らが文工団を無くした時の気持ちに似ているかもしれないなんて思ったのでした。

客観的に作品を楽しむという気持ちで見ても、映像もとても美しく楽しめる映画なんですが、私はこの映画を作品として見る以上に、自分の中の感情を引っ張り出されるような不思議な感覚を得た映画でした。とても良かったですよ!

 

芳華-Youth-が見れるのは・・・







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