【韓国映画】観相師 -かんそうし- の感想 時代の流れというものは人の能力を超えたところにあるのだ

映画の「観相師 -かんそうし-」を見ました!Gyao!で配信してたので、そういえばこれ見たかったやつー!と飛びついたのでした。モチーフは「観相」なんですが、時代背景は違うけれど、ドラマの王の顔でも扱われていましたよね。手相とか観相とか要はこういう相を持っている人には○○な人が多いという事象を集めた統計学だと思うので、絶対的なものではないけど、母数が多ければある程度信憑性が高くなるのかもしれないですね。

 

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それにしてもキャストが豪華で凄いです。ソン・ガンホ、チョ・ジョンソク、イ・ジョンジェ、イ・ジョンソクなんて一人で主役をはれる役者たち。そんな俳優さんが脇役を演じているので、見ごたえがあるに決まっているのでした。見る前に知っていた出演者はソン・ガンホとイ・ジョンソクだけだったので、見てる途中でどんどん出てくる大物に豪華~と驚きました。

キム・ヘスが芸妓姿がとても美しくて迫力。ネギョンをこき使おうとだまして取った証文を盾に今度は首陽大君の額にほくろを作るのを手伝わされるという話の流れが非常にうまく出来てて感心してしまいました。

その他の点でも伏線がきちんと回収されていて、この映画は脚本がとてもよく出来ているのです。ネギョンの義弟のペンホンについてが最後まですごかった。ネギョンの観相で、ペンホンの喉仏は短気を起こして失敗すると言われているんだけど、官吏になりたい甥のジニョンにこっそりと都に行くお膳立てをしてしまい(ジニョンは観相によると官吏になると不幸になる相が出ている)、ジニョンは無事に官吏になるもののある出来事があって視力を奪われる、そしてそれをペンホンがキム・ジョンソのせいだと早合点して首陽大君にキム・ジョンソが彼を討つ計画を立てているとチクリに行く(実は首陽大君のしわざ)、その結果キム・ジョンソが殺され、ジニョンは不幸な最期を迎える。そしてペンホンは喉仏を自分でつぶす、という流れ。

抗えない運命の大きな流れに翻弄される姿がとても怖かったのでした。

ネギョンの息子役のジニョンを演じたイ・ジョンソクも薄幸な感じが非常に似合う。最近堂々とした役ばかりを見ていた気がするのだけど、意外とこういう不幸を一身に背負った雰囲気も出せるのだと発見した気分です。

古装も割と似合うんですねえ。初めて見た気がする。多分。しかしジニョンが最後まで気の毒な役でした。首陽大君はネギョンを殺すよりも息子を殺す方がネギョンのダメージが大きいことを知っていたので、矢をジニョンに向けたのでしょうか・・・

散々、「首陽大君は逆賊の相だ」と聞かされつつも、首陽大君の登場はじらされるんですが、イ・ジョンジェが出てきた時にわーおって思いました。傷もいっぱいつけていかにも悪そうにメイクしてあるせいもありますが、私が想像していた逆賊のオオカミの相の期待に応える顔だったので、ちょっと興奮しました。いかにも悪そうで最高でしたな。こういう時は先にキャスティングを知らない方が楽しかったりしますねえ!

そしてちょい役の内官役に見覚えのある顔が!秘密の森のキーになる役だったユン課長じゃないですかー イ・ギュヒョンも気になっている役者さんであります。

 

最初は田舎の貧乏だけどほのぼのした家族ののんびりした風景が、都に行ってからの時代に翻弄され具合のスピード感が凄かった。見ている方も一緒に巻き込まれたような感覚を味わうのはその対比が効果的に作用しているせいだろうな。大切なものを失い、自分の力の限界を知り、一つの時代の移り変わりを体験した後に海を眺めるネギョンの表情に表れた感情は何だったんだのだろうか・・・ 無常感だったのかな。

 

観相師が見れるのは・・・

【韓国映画】渇き の感想 パク・チャヌク監督の独特の世界観が堪能できる心がザワザワする映画

この「渇き」は、パク・チャヌク監督の人間ではない存在の三部作のひとつだそうです。ちなみにあと二つは「サイボーグでも大丈夫」「イノセント・ガーデン」だそう。私が見たことのあるパク・チャヌク監督の作品は「オールドボーイ」のみなんですが、当時映画館で見て、あまりの衝撃に帰り道を茫然としながら自転車に乗って帰ったのを憶えています。暴力表現とかへの衝撃でなくて、復讐に至る理由になった愛の切なさの奔流みたいなものに飲み込まれてしまったんですよね・・・ 今でもはっきりと覚えてるので相当衝撃を受けたと思われます。

 

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そう考えるとやっぱりパク・チャヌク監督の作品は映画館で見た方が断然いいな!と思いました。この渇きは家で見ても集中して見ましたけれど、やっぱり堪能するには映画館だな・・・と改めて思いました。

独特の美意識とわざと場違いなシーンを差し込むようなところ、そして固定カメラじゃなくて手持ちカメラで画面ごと揺れるような撮影方法をしているシーンがあったりと、なんだか人の心を不安にさせて、観客の固定概念とか常識みたいなものを壊しガードを外した状態にして映画の世界に入り込ませるみたいな、そんな感じがします。だからやっぱりそれを全身で楽しむためには映画館で他の音や色をシャットアウトして見るのが良いんでしょうね~。

この映画もすごく良かった~とはっきりそう言える気持ちの良い感想ではなくて、心がとにかくザワザワする感じ。だから良かったとか素晴らしいとかじゃなくて印象に残る映画という感想がふさわしいのかな・・・と思うのでした。

まあ、色々なシーンが心に残ってるんですが、蛍光灯が煌々と光る部屋の中、身動きの出来ないキム・ヘスクの目だけがぐりぐりと動いている様子とか、夫を殺したもののその罪の意識からかソン・ガンホとキム・オクビンが見る水浸しの夫の幻想とか、ほらやっぱり思い出してもザワザワする・・・ 間違いなく心に何か楔を打ち込まれる感じがあるなあ。

ソン・ガンホは特別カッコいいという訳ではないと思うのに、その映画の世界に観客をいざなう力が本当にある俳優さんだなあと見る度に思います。どの作品のどの役でも確かにソン・ガンホなのだけど、ソン・ガンホではなく役の中の人だなと。キム・オクビンもバンパイアになってからの弾けっぷりが常軌を逸してて最高でした。

 

バンパイアが出て来るから、タイトルの「渇き」が意味するのは血が飲めなくて喉が渇いているという意味なのかと思ってたけれど、愛に飢えた心の渇きを描いていたような気がしました。見終わったあとにまたじわじわと来る感じです。

 

 

渇きが見れるのは・・・


【韓国映画】義兄弟 SECRET REUNION の感想 二人の男の孤独が触れ合うのを見た

gikyoudai

ソン・ガンホが出演する映画というと、なんとなくそれだけでもう面白いに違いない!
勝手にそう思って見てみることにしました。
Gyao!で韓国映画もわりとたくさん無料配信しているので、時々チェックしてみるのオススメです。

でも、考えて見たらソン・ガンホの出てる映画は二つしか見てませんでした(;・∀・)
シュリシークレットサンシャイン
でも、全然違う役なのに、すごい存在感だったんだよなあ。

特に私はシークレットサンシャインは、忘れられない映画です。
見終わった直後はなんだろうこれ?って感触で映画館を出たんだけど、
あとかわじわじわと、『シークレットサンシャイン』という言葉の意味が
じわじわと染み込んでくるようなそんな映画でした。

なんとシークレットサンシャインも今Gyao!で無料配信中なんですよ~
でもなんとなく映画館で見た時の余韻のままでいたい気もするので、
もう一回見るのはためらわれる・・・!




そんな感じで、この映画は何の心配もなく見始めたんだけど、

ソン・ガンホもカン・ドンウォンもとても役に合っていましたね。

内容は実はとてもシンプルな内容で、
男の友情について描いてる、言ってみればよくある話でもある。
でも、映画に引き込まれてしまうのは、
二人の役者さんそれぞれからの匂い立つような孤独感、切なさなのかも。

なんだか、環境は違っても同じ人間、それも同じ民族なんだもんね。
少しずつ孤独な二人の魂が近づく様子が描かれるのが、素敵なんですよね。

最後はほっとすると同時に、本当にこうであればいいという祈りにも似た気持ちを見た気がする。

そして、ちゃんとコミカルな部分もある、でも男くささもある、
とてもバランスの良い映画で、アッという間に見終わった感じ。

それにしても、韓国は映画もドラマも同じ役者さんがたくさん出てるんだな~!
脇役の方たちは、ほとんどどこかのドラマで見たことがある人ばかりで、韓国では映画がたくさん作られてるんだなあって実感した。

 

私が好きなのはあとからあれはこうだったのかな・・・とか思って、余韻が残るような映画なんだけど、そういう意味ではちょっと物足りなさも少しありつつ、
でも、この映画は終わったときにはすべてすっきり終わった感じで、
それはそれで、とても綺麗にまとまった映画で良かったかな!

面白かったし、かっこよかったです!
カン・ドンウォンの目つきがとても良かったです!!!

 

 

義兄弟〜SECRET REUNION〜が見れるのは・・・