一度見たときは、確かにハッピーエンドだと感じた『その冬、風が吹く』のラストシーンですが、
実はちょっと違和感もあったので、ラストシーンをもう一度見直してみることにしたのです。
本当はあれは夢とかファンタジーだったのかも?
サクラ並木の中の横を歩くオ・ヨンのそばを自転車で通り過ぎたのは、
オ・スに見えたのだけど、画面全体がソフトフォーカスがかかっていて、
現実なのか幻なのか区別がつかない・・・
そして、ジンソンとヒソンが、オ・スのところにまたお花を持って行かなくっちゃと話している。
何がいいかな?
ラムズイヤーかな・・・?
ここで、思う。
お花を手向けるってことは、オ・スはあの時にジンソンに刺されて、
やっぱり死んじゃったんだろうって。
でも二人の表情からはオ・スがどうなったのかははっきりとは分からない。
あとは、もし死んじゃってたらジンソンは殺人で捕まっているのかなとも思ったり。
そうではなくて、日常の平和な一コマに見える。
毎日通っているカフェに到着するオ・ヨン
ベランダの席に案内されると、ハーブティーを出してくれたのは、オ・スなのか?
話をする二人
オ・ヨンが座る席のテーブルに置いてある花籠にはラムズイヤーも入っている
視覚障害者は初めてですか?
いえ、以前とても愛した女性が視覚障害者でした・・・
そして実は、顔を隠していたけれど、半年前からここにいたというオ・ス
オ・ヨンはどうやら少し視力を回復している?
ぼんやりとした視界から、だんだんとクリアになるオ・スの表情
彼女は見えなくても、全身で愛を伝えてくれました・・・と
そして、美しい桜の木の下での二人のキスシーンで終わる物語・・・
確かに一度見たときは、二人とも生きていてああ良かったと思ったのです。
それが、きっと悲恋で終わるに違いないと思い込みながら見ていた私にとって、
救いになるハッピーエンドだったから、そう思いたかったんだと思う。
でも、なんとなくふと、本当にそうだったのかな・・・って思い出したのでした。
多分どちらにも取れるようにわざと曖昧に作っているけれど、
実はもうオ・スはあの刺された時に死んでいたのかなって私は思って来ました。
そして、この日はオ・ヨンも亡くなったんじゃないかしら・・・と。
どう考えても成功するような脳の手術では無かったような気がして、
今まで死んではいなかったけど、この日にとうとう死んでしまって、
だからあんな風に見えるようになっていて、
それで二人はやっと会えて、そしてキスをしたのかしらなんて。
あまりにも美しい桜並木がこの世とは思えなくて、
そんな終わりだったのかもしれないと思ったのです。
二人とももうこの世にいないのなら、それももしかしたらハッピーエンドであるかもしれない。
それとも本当は二人とも生きているのかもしれない。
オ・スだけがこの世の人ではなく、オ・ヨンにだけ見えているのかもしれない。
これはきっと見る人の心の中にあるものの投影としてラストシーンの意味を受け取るような、
そんな終わりを見せてくれたドラマなのでしょうか・・・?
チョ・インソンとソン・ヘギョのふたりの耳当たりの良い声が、
更に現実感を失わせるとても美しいラストシーンでした。