どうしてもやっぱり悲しいのですよ。北朝鮮を描く韓国映画を見ると。
そしてこのレッドファミリーもやっぱり苦しく切ない気持ちが溢れます。そして一体幸せってなんなんだろうなって考えてしまう。今の自分の立場から考えると、きっとある程度欲しいものも手に入れられる、やりたいことも制限されない西側諸国の方が幸せなんだろうなと想像するものの、例えば北朝鮮の本当の実態は知らない訳であって。だからそれが想像の範疇を超えない以上は、どちらが幸せかなんて簡単には判断してはいけないのだろうかとも思うのでした。
さて、この映画のストーリーは、北朝鮮から韓国に送り込まれたスパイのお話。彼ら4人はぱっと見は家族のようだけれど、本当は他人で偽の家族を装っているだけ。そんな中、隣の家族の日々の喧嘩などのやり取りを見て初めはバカにしているんだけれど、だんだんとそのペースに飲み込まれて行ってしまうんですね。そしてそんなスパイ一家に最終的にその隣の家族に対する暗殺命令が下されるが・・・という感じ。
だから、この映画は、物質的な意味での韓国への憧れという部分ではなく、たわいもない喧嘩をしながらも家族一緒に暮らしていることに対しての憧憬が描かれていたので、その点は納得感もあり、ぐっと揺すぶられるものがありました。スパイのメンバー達は結局、祖国に残した(というか人質に取られてる感じなのかなあ・・)本当の家族を守るために命令に従っているのですよね。だから彼らも人一倍家族を思う気持ちは強い。だからこそ、その隣の家族のやり取りをバカみたいだと思いながらも羨ましく思う気持ちが見ていて苦しい。そして一緒に家族のふりをしている仲間たちがだんだんと本当の家族みたいになって行くような感情の動きなんかも見ごたえがあって良かったなあ。
最後、お決まりだなと思いつつも、隣の家族のやり取りを完コピするスパイ家族に姿には思わず涙します。そう来るんだろうなと展開は見えたものの、それでもやっぱり泣いちゃったなあ。コメディーっぽく面白い部分もありつつ、直球で泣かせに来られたなという感じでした。
はーとにかく韓国人だとか北朝鮮人だとかの区別なく、みんなが幸せに暮らせる世界でありますようにとそんなことを切に願っちゃいますね・・・ 本当に心から。