【韓国ドラマ】ロボットじゃない の感想 優しいメッセージが詰まった最高に素敵なドラマでした!

心の外側までしか届かないドラマと、心の真ん中まで染み渡ってくるようなドラマがあると思うんだけど、「ロボットじゃない」は完全に後者のドラマだったのです。私の琴線に触れるとても素敵なドラマでした。見終わって数日たった今も、ドラマで出てきた小道具のハートボールの光が私の心の中でも確かに灯っている、と思う。

 

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このドラマから伝わってくるのはとてもやさしいメッセージたち。「あなたも誰かにとっての大切なひとりなんだよ。」「人間もロボットと同じように学習する生き物なんだよ。だから今からいくらでも学んでいくことが出来るよ。」そんな風に言われているみたいな気分になるのです。そしてじんわりとそのメッセージたちが私の心で温かい光を放っています。

「伝えたいこと」が真ん中に芯としてしっかりあるドラマはやっぱりとても見ごたえがあるものになるのだなあ、と思いました。一貫したぶれない視点で作られたドラマ。

主役のキム・ミンギュを演じるユ・スンホの演技も素晴らしい。ずっと一人で生きてきたミンギュの心からの叫びがあまりに切実で心に刺さる。裏切られたと知った時の独白のような叫びはまるで現代人が抱える孤独を代弁したかのようにも感じられて。

私は今まで彼を子役で見たことがある以外はアラン使道伝の玉皇上帝くらいなので、あれは演技力がどうかなんて分かるような役ではなかったのですけども、このドラマですごく上手なんだなってちょっとビックリしたりして。彼の声のトーン、話す速度、声色はとても魅力的だな。人を傅かせる声だ、と思ったのだけど、今回がKMの偉い人役だったからなのか、いつもあの話し方なのかちょっと気になるので、他の出演ドラマも見てみたいなあと思わされました。目を伏せたときの長いまつげも美しいし!

そして、ジア役のチェ・スビンもとてもとても良かった。特にAG3のロボットのふりをしてる時のジアが最高にキュートで可愛い。そうか、彼女はジアとAG3のふりをしているジアとAG3の3役を演じてたことになるんですよね。

ジアもずっと自分のことを理解してくれる人を探していたのですよね。ミンギュのような物理的に外側からも見て分かる孤独とはまた違う、人ごみの中にいるのに自分のことを分かってくれる人は誰もいないと感じる孤独。一番理解してほしい近い存在なはずの元恋人や兄からぶつけられる言葉たちはとても痛くて辛い。彼女が誰かの役に立ちたいと発明品を作り続ける気持ちはとても切実なのです。誰にも分かってもらえなくても。

だから、ミンギュがハートボールや傘の意味を意義を理解してくれる存在だと気づいた時に彼女も切実に彼の存在を求めたのだなあって。そしてミンギュが実はジアが発明した商品を全部買っていた!っていうエピソードも素敵。韓国ドラマって「運命」が好きだと思うんですけど、本人たちは気づいていなかったけど実は小さい頃に二人は出会っていた!というのはすでに使い古されているエピソードでもうお腹いっぱい。でもこのドラマで描かれるささやかなその繋がりがとても素敵だなと思いました。

あと、描きたいものがちゃんと決まっているので、それに沿って出てくる小道具たちも本当によく考えられてる印象です。ハートボールも、傘も、隕石の入ったペンダントも、ベルベットのウサギの絵本も全部。ミンギュが電車でジアを見かけた時に、諦めずに彼女を追いかけたのはベルベットのウサギの内容を知っていたからで「AG3が人間になって現れたら、絶対に自分は気づきたい、見つけたい」と思っていからこそですよね。そしてAG3にあげたペンダントをつけていることでジアがAG3のフリをしていたことに気づくのも、本当に練られた脚本だなと思うのでした。緻密に構築されたストーリー。

他の脇役陣もとても素敵でしたね。お気に入りだったのは悪い仕事を請け負ってるのにちょっとおとぼけのマイアミ(キム・ギド)とアルプス(チェ・ドング)の二人。AG3を助けた後の二人の笑顔がとても好きだったな。

そしてサンタマリアのメンバーもみんな好きだったなあ。ホン・ベッキュン(オム・ギジュン)が開発したAG3を元カノのジアと瓜二つの顔にしちゃったり、名前もジアを逆にしたアジ3にしちゃったりしてて、でもその理由がジアのことをもっと理解したかったからなんだなあと思わせてくれるのは良かったです。ちょっと間違うとただ気持ち悪いと思っちゃいそうだけど!笑 あとのメンバーのみんなも優しくて、そんな彼らの思いがきちんとAG3に伝わっていたからこそ、ロボット兵器にしようとされたのを逃げ出して町を一人で歩いて家に帰ってきた途中で町の人との優しいやり取りが出来たんですよね。サニプへの誕生日プレゼントだとみんなでその時のビデオを見てるシーンは私まであの場にいるみたいな気持ちになって感動してしまった。涙!

サンタマリアのメンバーはロボットを作る側なのだけど、ロボットから学んでいることもたくさんあったんですよね。ロボットが感情を学習して学んでいく様子を見て、彼らもそれをしていく。ホン・ベッキュンもAG3を通して、どうしてジアと自分が別れることになったのを理解して、自分に足りなかった部分を知ったり。パイもソネがホクタルに「私たちつき合おう」と言ってるのを見て、彼女もロボットと同じように学んで、女性から告白したっていいのだと、ベッキュンに同じように自分から告白するのとかとても素敵なエピソードだった!!!

それを見て私もいつからでも何歳からでも学んでそれをやればいいんだな、という気持ちになりました。ミンギュもそうで、15年間も一人でいたけど、人と接する方法を学んでそして外の世界に足を踏み出したんだった。遅すぎるということはないのだなって。

こうして書いているといっぱい好きなシーンがありますが、ミンギュが悩んだ末にAG3をリセットするところは涙なしでは見られない・・・!お互いに愛し合って求め合っているのにまるで片思いのような二人があまりにも切ない。

このドラマを見て感じたのは、視聴者はドラマを見ることで自分の中にある物語を再生しているのではないかということ。自分が持っているものしか生まれないのではないかと思うから。それはロボットが自分に好意を持っていたような気がするのは自分の感情を学習して反映しているからなのではと思ったミンギュの気持ちと似ている感覚かもしれない。

 

人に向ける視線が優しい本当に素敵なドラマでした。これはもう私が今年見た中で1位、2位を争うくらいだなあ。こういう出会いがあるからドラマを見るのをやめられないな~って思うのでした。めちゃくちゃ良かったです。

 

 

ロボットじゃないが見れるのは・・・

  

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