少し前に視聴を完了したものの、視聴後にぐるぐると内容について考えてしまってなかなか感想を書けずにいました。このドラマ。
韓国語のタイトルは「오만과 편견」で英訳するとPride and prejudiceなので、ジェーン・オースティンの本のタイトルから来てるのかなと。
それはドラマを見始めてから思ったことで、ジェーン・オースティンの本のタイトルは日本語訳は「高慢と偏見」だから最初は繋がらなかったのですよね。
とまあ、タイトルから少しくらいこれは難しい内容そうだなと気づけばよかったのですが、チェ・ジニョクが出てるし恋愛ものかな~と軽く思って見始めた私には想像もつかない内容で、すっかり圧倒されることとなりました。
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やはり、はじめはチェ・ジニョク目当てなので、彼の演技に注目していた訳なんですが、途中からだんだんとチェ・ミンスが演じるムン・ヒマンの一挙手一投足から目が離せなくなっていきます。
なんとも複雑な人物像をあんなに鮮やかに劇中で実在するかのように演じられると夢中にならざるを得ません。
チェ・ミンスの演技を見て頭に浮かんできたのはこんなこと。
新興宗教の教祖などが非信者から見ると完全にうさん臭い人にしか見えないのに、信者から教祖として崇め奉られているということが結構あります。規模の大小はありますが。
そういう教祖とされる人に信者がつく理由の一つはその教祖が自分自身でも「神に選ばれた人である」とか「ご神託が降りてきた」と本気で思い込んでいることなんだそうです。自己洗脳というか自分自身を騙すほど思い込めると、回りも巻き込まれるのだと聞いたことがあります。
それと種類は違いますが、チェ・ミンスはそんな風に自分自身を騙すほどその役の人であると思い込める役者さんなのかな、と思ったのです。
それくらい全身でムン・ヒマンだったような気がして、私もすっかり引き込まれました。夢中で彼の演技を追って見ていたのです。
「私は罪を犯すことは無いと思っていました」という傲慢、高慢であり先入観の存在は鮮やかに破られてしまい、ドラマは、そんな!まさか!という驚きの連続です。
エピソードをちりばめつつも、その結果どうなったのかというエピソードの回収は無く、視聴者の判断に委ねるという部分が多いのも斬新でした。
もしかして、視聴者自身の「傲慢と偏見」を通して見たらどうなると思いますかという問いをも含んでいたのかも、とそんな風にどんどん、深読みしてしまえるドラマではあります。
最初の始まりから、ハン・ヨルムのク・ドンチが弟殺しの犯人であるという先入観の強さに驚き、ただ、破れた成績表を持っていたというだけでそこまで思い込んでいることに恐ろしさを感じていました。
だからタイトルの「Pride and prejudice」のprejudiceは偏見より先入観の方がしっくり来るかななんてことを思いながら、出て来る人々のそれぞれの先入観による思い込みに震えていました。ドラマに出て来るものほど極端ではなくても、自分の生活の中に存在する先入観の多さに改めて気づいて。
という感じで、なんだか未だに色々と考えてしまうドラマです。
途中からク・ドンチとハン・ヨルムの恋愛とかはどうでも良くなってしまって全くドキドキもしなかったし、感覚的なのかもしれないのですが、ペク・ジニの演技がなんとなく鼻につく感じがしてしまって苦手ではありました。そのせいもあるのかな?
むしろ、イ検事とグァンミのやり取りが、息抜きとしてとっても良い役割をしていたな~と思います。
イ・テファンも醸し出すいい人オーラがこのドラマではすごくマッチしていてとても良かったなあ。今まで見たドラマでは一番合ってる役柄だと思いました。
しかし、検事って正義を貫くためにはこんなに命を懸けてやらないといけない職業なんだ・・・とこれまたなんとも衝撃を受けてしまいましたが、ドラマの中の話じゃなくて現実なのかな・・・どうなんだろう?
気になることも多くて、自分でも結論を導き出せないところがあるのですが、だからといってもう一回見るには重すぎて無理そう・・・
結末についての考察がまとまったらまた書きたいなと思います。