感想を書きたいか書きたくないかというと書きたくないくらい、あんまり好きじゃない映画でありました。監督の前作品の薄氷の殺人も好きじゃなかったから、どうも私はこの監督と相性が悪いみたいです。
とても評価が高いようなので、その点は大変複雑な気持ちなんだけど、その映像の個性的な美しさとか、映像美とか、物語の展開とか、ちょっとどこかクスっと笑える描写を入れてくるところとか良い部分も分かるんですけども、それを差し引いても、女性描写にどこか「うっ」という拒否感を拭えないんですよね。そこの部分がスルー出来ない。
私が嫌悪感を感じてしまうのは、女性の扱い方かなあ。確かにラストはその弱い立場の女性たちがお金を手に入れて胸がすく感覚もあるのかもしれないので、その点は前作よりはまだましかもしれないけれど、それでもね・・・ いやもうほんとレイプシーンまで個性的な演出のひとつのネタみたいな扱いで、おいおいおいって思ってしまう。こういうのを無意識に平気で描けてしまうところが無理なんだなあ。でも、受け取り方は人それぞれだと思うので、あくまでも私の意見でありますが・・・
今回のヒロインは水浴嬢という水商売的な職業の女性ではあったけれど、だからといってたまたま出会った男が弱みを握ったからって勝手に欲情して犯していいってことにはならないでしょう?そういうのがさも当たり前みたいな状況ってなんなん?世の中ってそういうものだと、受け取るべきなんだろうか?社会の暗部を描いてるってことかもしれないけどもそれでも。
映画の中でレイプが描かれるものすべてに対してこういう感情を持つ訳ではないし、ストーリーとして必然的に不可欠なものであればここまでそんな気持ちになることはないんです。でも今回はそうではないと思うし、もっと軽く無意識にこういうシーンを作り出している感じに抵抗感があるのかなと思う。スタイリッシュな演出をこんなところに使わないで欲しい。勘弁して欲しい、とそんな気分。
ってな感じで、ストーリーや役者さんの演技をどうこう思う前にとにかく苦手だ・・・という気持ちしか沸かない映画なのであった。他のことは全部ぶっとんでしまった。まあともかく、多分この監督の作品は私は避けた方が良いのかもしれないなあと思うくらい視聴後に謎の疲労感を覚えましたな。
面白かったと思った方すいません。こんな意見もあるよってことで流してくださいませ。