フライングギロチンってなんちゅうタイトルや!と思いながらもこの映画を見たのはやっぱり出演陣の豪華さのせいですよね。それに監督もインファナルナル・アフェアのアンドリュー・ラウなんですよ!彼もほんと色々なタイプの映画を撮ってるなあ~ まあちょっと苦い後味はなるほどという感じもある。ちなみに見た後に彼が監督だと知ったのでした。そうそう最近になって気づいたんですけど、私はどちらかというとどの監督の作品かというよりも、どの役者さんが出演しているかで見る作品を選んでいる気がしますね~
この映画はホァン・シャオミン、イーサン・ルアン、ショーン・ユーの3人が主役といえるかな!
天狼役のホァン・シャオミンが最初出てきた時に、彼とは分からなかったんですよ!でもよく見るとやっぱり彼でした。長髪におひげとなかなかワイルドな姿なんですけど、なかなか素敵。いつも男前だな~とは思うものの、割れ顎が気になって気になって。この姿だと、そこがおひげに隠れて見えなくて、むしろ素直にイケメンだなと思いました。天狼という役もカッコよかったですしね。
暗殺部隊「血滴子」の隊員の冷役がイーサン・ルアン。この映画、フライングギロチンってなんのことやと思ってしまうんですが、つまりその血滴子の暗殺のための道具なんですね。分かりにくい。見ててそれを知っていくとなるほどな、とは思うんですけど、視聴前に想像するのはもっとバッサバッサ斬るちょっと明るめなアクション的なイメージ。まあアクションではありますけれども、もっともの悲しさがあるんですよね・・・ 原題が「血滴子」でありまして、彼らの行きつく悲しい結末を描いてる訳で、フライングギロチンになってしまうとやっぱりなんだか違うよなあ・・・
あとイーサン・ルアンは嫌いではないんですけど、王朝の陰謀の時の三蔵法師の弟子みたいなののが似合ってる気がする。というのもそこでも書いたんですけど、彼はとにかく手指が非常に美しい人なんですね。どうも暴力が似合う手じゃないように感じてしまうのだなあ。そんな理由で私はこの役はあんまりかな。哀愁のこもった眼差しは良かったんですけどね。
血滴子のメンバーも実はとっても豪華!少林問答のチョウ・イーウェイ(坊主似合うね!正しくは辮髪だけど)や、ジン・ボーランも出てました。彼らの無邪気な姿が踏みにじられるのを見るのは辛かったな・・・
この映画のストーリーの舞台は清王朝。政権を握っている満州族が漢族を迫害していた頃の話。天狼は漢族を扇動するリーダーでそんな彼を排除しろと血滴子に命令が下る。その後の彼らはどちらも悲しい結末を迎えるのだけど、その後、満漢融合の志がかなったという歴史を考えると、少しはその気持ちも和らぐような・・・気がしませんよ!やっぱり彼らの姿を見るのが苦しかったよ!民族とか国とか関係なくみんなが幸せでいられるといいな。
そうそう、一体どのあたりで撮影をしたのでしょうか、天狼たち漢族が隠れている里の風景がただただ美しいです。それさえも奪われてしまうけれど。フライングギロチンも西洋の武器に取って変わられて、血滴子たちも必要ないと簡単に捨てられてしまうし、なんだか切ないストーリーだったなあ。もっとそういう心構えをしてから見たかったかも~~