同じドラマを何度も見ることはあまり無い私。でもGyao!で配信されているのを知って、思わずもう一回見てしまったのがこのThe K2。そう考えるとどうやらかなりこのドラマが好きだったんだなあ~と改めて。他には君の声が聞こえるも見直したかな・・・ あのドラマが韓国ドラマって面白い!って初めて心から思わせてくれたきっかけになったんですよね。
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やっぱりこうして2度目だと見え方が違う部分も出てきますね。まず思ったのは、このドラマはあくまでもアクション活劇なんだなってこと。だって民主主義の国家で起こるとは思えないほど政治家同志が暴力で解決して簡単に政敵を殺そうとするなんて非常に乱暴な展開。チ・チャンウクがかっこよく戦うシーンが必須なのでそうなってるんだろうけど、なので言ってみれば荒唐無稽なストーリーであり、韓国で起こっていることというよりは架空の国で起こる非現実的なものと思った方がいいのかもしれない。いや深読みしたら国民が知りえない影の部分で起こっている政治闘争を皮肉って意図的に描いているのかもしれないけど。さすがに現実はここまで「選挙で勝てなそう。じゃあ相手を殺しちゃえ!」って世界ではないと思うのだけども。知らんけど!
だからこういう設定を「ありえない~」と思っちゃうと楽しめないドラマなのかもなあ。私は2度目に見てやっと冷静にそんなことを考たくらいなので、全然気にならずにドラマの設定に入り込めてたんだな~と思うのでした。
でも、このドラマの良かったところはそういう「政敵を殺すという手段で追い落とそうとする」「クラウドナイン」「鏡」「傭兵」「スペインの修道院に閉じ込められた少女」など、非常に特殊で非日常的な設定を使って大風呂敷を広げたけれど、最後にはすべてちゃんとその設定を回収し、収集をつけている点が素晴らしいところだと思います。特にコンピューターデータベースを「鏡」と名付けているのとか痺れます。モチーフの細かい設定が秀逸なのだよなあ。視聴者の想像力を掻き立ててくれる。
そうだなあ。アンナとジェハの関係性はもう一度見てもっと打算的なものに見えてしまいました。本人たちは無意識だけどお互いを利用している気がする。
ジェハは助けられなかったラニアに対して罪の意識を感じていて、復讐はパク・グァンスを殺せば達成できるけど、罪悪感を払拭し彼自身の心を癒すためには「最後まで誰かを守ることが出来た」という成功体験なのだと思う。その対象がたまたま守られるべき可哀そうな境遇のアンナになっただけのような気がする。そしてアンナも誰かに守られることが必要で、自分の近くで「人を守ることを誰よりも遂行する男」であるジェハがその人材としてちょうど良かったんだと思う。
一度目に見たときはジェハが癒しの天使のように見えたのだけど、今回はあんまりそういう意識はなかったかも。それよりも上記のように彼も気づいていない打算的な面が見える気がしてしまった。
ともかくそんな風に見えてしまうものだから、彼らが惹かれあう必然性が見えないんですよね。でもこのドラマを沢山の人に見てもらうには表面上はラブストーリーというラッピングが必要な気がするので、フォトジェニックな二人のロマンスが必要だったんだろうな、なんて穿った見方までする始末でございます。まあそれくらいこの二人の恋愛には心が動かなかったということですね・・・おお
アンナという人物設定に圧倒的な魅力を付加できていないのもそう見える理由のひとつなのかもしれない。天使のようなというには陰の気が強い気がして、無垢さがもつ惹きつけられて抗えない強烈なパワーみたいなものが感じられない。ユジンに復讐をしたい気持ちが強すぎるせいでソンウォンに利用されても気づかないのが純粋さ故といえば聞こえはいいけれど、ただ愚かなだけに見えてしまう。そしてその時に誰よりも信頼しているはずのジェハにそれを伝えないのが更にアンナのジェハへの愛を疑ってしまう理由の一つなのです。
で、ユジンのジェハへの思いは何だったのか、というのはなんとも答えが出ないでいる。でもともかく誰かに名前をつけてあげるのってとても官能的なことだなって思ったのでした。「キム・ジェハ」はユジンがK2にあげた名前。ラストで本名が出てこないのもやっぱりどこかユジンとジェハの結びつきを示唆している気になっちゃうし、ユジンが最終的にクラウドナインから逃げるのを諦めたのはもちろん「鏡」がない世界は自分がないも同然だからというのも理由だろうけど、「愛は分け合えない」からジェハを手放したのかなって。それとも実際に手を下した訳ではないにせよアンナから母親を奪ったのは自分が原因だからアンナへの贖罪としてジェハという存在を譲ったのかも。いや、もう色々どう考えてもアンナよりユジンの方がずっとジェハという存在を切実に必要としていたように思えてしまうのでした。愛というよりはジェハのようなまともな思考を持った権力やお金では動かない自分の心で動く人がそばに必要だったのかも。それも全身全霊をかけて行動することが出来る信じられる人が。
私にとっては、複雑なユジンの心がこのドラマでの一番の見ごたえのある部分だったのだなあ、と改めて思ったんのでした。
だから2度目もじっくり見て(アンナとジェハのシーンは飛ばしてしまったけど)今回はユジンの心をの動きを追うのがとっても楽しめたんですよ!本当よくできてる面白いドラマだなと思いましたー!
そしてチ・チャンウクは好きな役者さんなんだけど、やっぱりアクション系のドラマがいいんですよね。イケメン青果店とか蒼のピアニストとかも見たけど、普通の役を演じると必要以上に情念とかじっとりした雰囲気を感じてしまうので(私が見たドラマの役のせいもあると思うけど)、あんまり悩んでいる姿を見ないですむアクション系の方がバランスが良い気がしてしまうのでした。彼のアクションシーンが好きというよりは(かっこいいけど)そういう感じかなあ・・・ 個人的な感覚ですけども。