【韓国ドラマ】THE K2 の感想② もう一度見たらドラマの印象がずいぶん変わったかも!

⇒1度目に見たときの感想はこちら

同じドラマを何度も見ることはあまり無い私。でもGyao!で配信されているのを知って、思わずもう一回見てしまったのがこのThe K2。そう考えるとどうやらかなりこのドラマが好きだったんだなあ~と改めて。他には君の声が聞こえるも見直したかな・・・ あのドラマが韓国ドラマって面白い!って初めて心から思わせてくれたきっかけになったんですよね。

 

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やっぱりこうして2度目だと見え方が違う部分も出てきますね。まず思ったのは、このドラマはあくまでもアクション活劇なんだなってこと。だって民主主義の国家で起こるとは思えないほど政治家同志が暴力で解決して簡単に政敵を殺そうとするなんて非常に乱暴な展開。チ・チャンウクがかっこよく戦うシーンが必須なのでそうなってるんだろうけど、なので言ってみれば荒唐無稽なストーリーであり、韓国で起こっていることというよりは架空の国で起こる非現実的なものと思った方がいいのかもしれない。いや深読みしたら国民が知りえない影の部分で起こっている政治闘争を皮肉って意図的に描いているのかもしれないけど。さすがに現実はここまで「選挙で勝てなそう。じゃあ相手を殺しちゃえ!」って世界ではないと思うのだけども。知らんけど!

だからこういう設定を「ありえない~」と思っちゃうと楽しめないドラマなのかもなあ。私は2度目に見てやっと冷静にそんなことを考たくらいなので、全然気にならずにドラマの設定に入り込めてたんだな~と思うのでした。

でも、このドラマの良かったところはそういう「政敵を殺すという手段で追い落とそうとする」「クラウドナイン」「鏡」「傭兵」「スペインの修道院に閉じ込められた少女」など、非常に特殊で非日常的な設定を使って大風呂敷を広げたけれど、最後にはすべてちゃんとその設定を回収し、収集をつけている点が素晴らしいところだと思います。特にコンピューターデータベースを「鏡」と名付けているのとか痺れます。モチーフの細かい設定が秀逸なのだよなあ。視聴者の想像力を掻き立ててくれる。

 

そうだなあ。アンナとジェハの関係性はもう一度見てもっと打算的なものに見えてしまいました。本人たちは無意識だけどお互いを利用している気がする。

ジェハは助けられなかったラニアに対して罪の意識を感じていて、復讐はパク・グァンスを殺せば達成できるけど、罪悪感を払拭し彼自身の心を癒すためには「最後まで誰かを守ることが出来た」という成功体験なのだと思う。その対象がたまたま守られるべき可哀そうな境遇のアンナになっただけのような気がする。そしてアンナも誰かに守られることが必要で、自分の近くで「人を守ることを誰よりも遂行する男」であるジェハがその人材としてちょうど良かったんだと思う。

一度目に見たときはジェハが癒しの天使のように見えたのだけど、今回はあんまりそういう意識はなかったかも。それよりも上記のように彼も気づいていない打算的な面が見える気がしてしまった。

ともかくそんな風に見えてしまうものだから、彼らが惹かれあう必然性が見えないんですよね。でもこのドラマを沢山の人に見てもらうには表面上はラブストーリーというラッピングが必要な気がするので、フォトジェニックな二人のロマンスが必要だったんだろうな、なんて穿った見方までする始末でございます。まあそれくらいこの二人の恋愛には心が動かなかったということですね・・・おお

アンナという人物設定に圧倒的な魅力を付加できていないのもそう見える理由のひとつなのかもしれない。天使のようなというには陰の気が強い気がして、無垢さがもつ惹きつけられて抗えない強烈なパワーみたいなものが感じられない。ユジンに復讐をしたい気持ちが強すぎるせいでソンウォンに利用されても気づかないのが純粋さ故といえば聞こえはいいけれど、ただ愚かなだけに見えてしまう。そしてその時に誰よりも信頼しているはずのジェハにそれを伝えないのが更にアンナのジェハへの愛を疑ってしまう理由の一つなのです。

 

で、ユジンのジェハへの思いは何だったのか、というのはなんとも答えが出ないでいる。でもともかく誰かに名前をつけてあげるのってとても官能的なことだなって思ったのでした。「キム・ジェハ」はユジンがK2にあげた名前。ラストで本名が出てこないのもやっぱりどこかユジンとジェハの結びつきを示唆している気になっちゃうし、ユジンが最終的にクラウドナインから逃げるのを諦めたのはもちろん「鏡」がない世界は自分がないも同然だからというのも理由だろうけど、「愛は分け合えない」からジェハを手放したのかなって。それとも実際に手を下した訳ではないにせよアンナから母親を奪ったのは自分が原因だからアンナへの贖罪としてジェハという存在を譲ったのかも。いや、もう色々どう考えてもアンナよりユジンの方がずっとジェハという存在を切実に必要としていたように思えてしまうのでした。愛というよりはジェハのようなまともな思考を持った権力やお金では動かない自分の心で動く人がそばに必要だったのかも。それも全身全霊をかけて行動することが出来る信じられる人が。
私にとっては、複雑なユジンの心がこのドラマでの一番の見ごたえのある部分だったのだなあ、と改めて思ったんのでした。

だから2度目もじっくり見て(アンナとジェハのシーンは飛ばしてしまったけど)今回はユジンの心をの動きを追うのがとっても楽しめたんですよ!本当よくできてる面白いドラマだなと思いましたー!

そしてチ・チャンウクは好きな役者さんなんだけど、やっぱりアクション系のドラマがいいんですよね。イケメン青果店とか蒼のピアニストとかも見たけど、普通の役を演じると必要以上に情念とかじっとりした雰囲気を感じてしまうので(私が見たドラマの役のせいもあると思うけど)、あんまり悩んでいる姿を見ないですむアクション系の方がバランスが良い気がしてしまうのでした。彼のアクションシーンが好きというよりは(かっこいいけど)そういう感じかなあ・・・ 個人的な感覚ですけども。

 

The K2が見れるのは・・・




  

【韓国ドラマ】THE K2 〜キミだけを守りたい〜 の感想 守るために血まみれになって戦うジェハが人を癒す救いの天使のように見えた

⇒2度目に見たときの感想はこちら

The K2は、実はかなり前に視聴終了していたのですが、なかなか感想が書けなかったのです。面白くなかったからなの?と言われるとその反対で私にはとっても面白くてむしろぐるぐる色んなことを考えすぎて言葉にできなかった感じです。

見る前は、チ・チャンウクがかっこよく少女時代のユナを守るドラマだろう、くらいに思っていて、ヒーラーでもアクションや守る役がとても良かったから、このドラマでもカッコいいだろうな!と軽く思っていました。

確かにカッコ良いし、二人のラブストーリーととらえることも出来る気もするけど、思ったよりもかなり壮大な物語で、登場人物も曲者がいっぱいで超見応えがありました。私はすごく面白かった!

 

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しかし、使われているのが童話をモチーフにしたドイツ語の曲が多いので、これの歌詞が分かるかどうかでドラマの理解度も変わる気がするかも。韓国ドラマは挿入歌の歌詞がドラマの内容にかなり直結していることがあるから訳は必須な気がします。

よく流れる曲に、「森に入っていく少女、森にいる魔女、狼」が歌詞に出て来る訳ですが、はじめはもちろんユナ演じるアンナが少女で、ソン・ユナ演じるユジンが魔女だと思って見ていたんですが、途中からあれもしかして、ユジンが少女なのかもしれない・・・と思わされます。

それにオオカミがK2の事なのかな・・・?と思って見ていたんですがそうとも言い切れない感じもして。そしてどうやら、チャン・セジュンやパク・グァンスやチェ・ソンウォン等、少女を利用しようとする人たちの事も表しているのかなと思えてきました。

そして、昔は少女だったユジンはまわりのオオカミたちに裏切られ利用されることで魔女になってしまったのではないかと。アンナもK2という存在がいなかったら少女から魔女になってしまったのかもしれないと。

そしてユジンを最後にまた少女に戻したのは、K2。
彼は血まみれで傷だらけになってまで本能で純粋な物を徹底的に守る天使のように見えました。それは何か使命を帯びたような。そして彼のその行動が人の純粋さを引き戻す触媒のような存在だったのかな、と思うのです。

裏切られ傷ついて来たユジンは自分を守るために魔女になり、幸せでは無かったけれど、自分が間違っていると気づきたくないが故に止まることも出来ず。
でも、車のブレーキが利かない罠を仕掛けられた時に血まみれになっても体をはって最後まで彼女を守ろうとするK2という存在に言葉で散々騙されたきて何も信じていない彼女がもう一度信じられるものを見つけた時から少しずつ少女の部分を取り戻して行ったような気がします。

このドラマのアクションシーンは美しさよりも泥臭ささえ感じるような闘いを表現しようとしていたのはそのせいかな、と。ただ相手をすいすいと打ち負かして行くのではなく、チ・チャンウクも傷を受け、血まみれになり、痛そうに見える状態でないといけなかったのは、そこまでしてもユナやユジンを守るという姿が必要だったのかな、と思ったのです。

K2もなんだかんだとユジンを守ったのは、最初は彼の職業柄の義務感からだったにせよ、どこか彼女の中に少女の純粋な部分を見ていたように感じて、彼女のことを口では悪い女と言っていても、それでも初めは憐憫、孤独の共鳴そして時を経てなにか愛のようなものを彼らの間に感じ、そのヒリっとした甘くはない関係性を見ることが一番の楽しみでした。

表面的には、アンナとジェハの恋が主軸のようにも思うんだけど、その部分には途中から全く興味が沸かなくなってしまいました。
2話くらいまでのユナは純粋な少女という役柄にピッタリだな~と思っていたのですが、途中から純真さが消えて、あざとさが目についてしまうような気がしました。最後のスイッチを押した時とか。う~ん。
アンナに簡単に惹かれるK2には魅力を感じないのだった。

K2の愛の始まりは不幸な境遇にいる女性への同情や哀れみからのように感じる。ラニアに対しても、アンナに対しても。最後までアンナへの感情が愛情に見えなかったのはそのせいなのかもしれない。

そういえば、実際にオープニング曲でのキャストの紹介が、チ・チャンウクの次がソン・ユナで、その次がユナだったのを見て、あれ?ユナが先じゃないんだ~と思ったんですが、その順番も意図的で、製作者もどこかユジンに主軸を置いて作った物語だったんだな~と思うんですよね。

とにかく、ソン・ユナの演技は素晴らしくて、唇を噛む姿とかまさに芝居がかってるんだけど、そういうのもやや仰々しいこのドラマにとても合っていたなあと思います。

イ・ジョンジンもいやらしい弟役を素晴らしく演じていたし、バッドガイズでアクションが素敵だったチョ・ドンヒョクがJSSの打撃隊長で出てたり、いろいろと見どころたくさんでした。

そして、ユジンの秘書のキム室長のシン・ドンミがすごく良かったです。
昔の1%の奇跡の事務員役とかからは想像も出来ないような常軌を逸してユジンを信奉する秘書が素晴らしかったです。最後にユジンと一緒にとどまると思ったのに脱出してあれ?と思ったのだけど、彼女には復讐という目的があったんだなと納得できたし。

 

このドラマはもしかしたら苦手な人もいるかもしれないんですが、私のように非日常感のあるドラマが好きな人ならオススメです。そんなことある訳ないじゃん~と突っ込んでしまう人にはつまらないかもなあ・・・。

 

そして、結局のところK2がユジンを救えたのか、救えなかったのかというと、私は救えたように思ったのです。身体は救えなかったかもしれないのだけど、心を救ったのだと思うのです。彼女のすべてであった鏡をK2にあげることでどこか執着を手放すことができて、少女に戻って消えられたのだから。

そう考えるとやっぱりK2は闘って血まみれのその姿で人を癒す救いの天使のように感じるのでした。そしてそうやって誰かを守ることができたという事実で彼も救われたのだろうか?

 

⇒2度目に見たときの感想はこちら

このドラマが見れるのは・・・