【邦画】外事警察 その男に騙されるな の感想 陰影のある暗い映像が雰囲気があって良い!

キム・ガンウ見たさに「外事警察 その男に騙されるな」を見ましたよー!韓国の俳優さんで出演しているのはキム・ガンウだけかと思っていたら、沢山出ているしなかなか渋い人選で驚き!韓国ドラマを見てない人でも知ってる有名な俳優さんじゃない辺りがマニアックで楽しい。

 

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ストーリーは公安警察の外事課の住本健司が主役なんですけども、彼は「公安が生んだ魔物」と呼ばれている組織の中の異端者的存在。国益を守るためには一般人を利用するなど手段を問わない。

この映画はドラマの続編的なものとして製作されているので、その辺りの住本健司の立ち位置や尾野真千子演じる部下の松沢陽菜との関係性なんかがイマイチ分かりづらいかったんですよね。これはドラマを見てからこの映画を特別編という感覚で見た方がより理解しやすい作品だな~と思いました。私はドラマを見ていないので、映画視聴後に色々調べて納得って感じでした。

渡部篤郎もいつの間にこんなに渋くなったのかと驚いたし、田中泯の存在感はすごいですね。すごい威圧感に圧倒されます・・・

安民鉄(アン・ミンチョル)役のキム・ガンウは実はNIS。警告のために住本健司をグサっとやれちゃう姿は悪くて痺れた~ けど、諜報機関というのは国ごとに独自に捜査をしているので相容れないものなんだなあと思ったのでした。渡部篤郎と向き合う姿が同じくらいの渋さで素敵。身長も同じくらいで対峙している感がとても良いのです。

奥田正秀役のイム・ヒョンジュンもとても役に合っていました。果織に情が湧いている感じの揺れる瞳が良いです。

最初のちょっとだけだけど、ブローカーの男役でパク・ウォンサンも出演してました!いい人の役からチンピラまでどっちの役もはまるな~

そんな感じで日本、韓国どちらのキャスティングも渋くてなかなか好みだったのですが、奥田果織役の真木よう子だけはちょっとどうかなと私は思っちゃいました。見るからにただ者では無い曲者感がありまして、普通の主婦に見えないのですよね。うん。彼女自体がスパイだと言われても違和感が無いという感じなのよね。この果織の配役がもっと普通の主婦感がある人だったら、手段を問わずに一般人を巻き込む住本健司という存在がもっと浮かび上がったのじゃないのかな。

核というなかなか難しい素材をメインに持ってきたり、ダークなところまで踏み込んでいる意欲作で結構面白かったです。陰影を効果的に使った暗い映像も効果的だし、最後のどんでん返しも良かったですね。ちょっとうっすらそうなんじゃないかな、と途中で思ったものの、その明かし方がカッコよかった!

それにしても、「正義」って一体何なんでしょうね。住本健司も彼なりの国益を守るために自分の正義を貫いているのだけど、立場が変わると正義の内容が変わるもの。そのことを理解しつつ、相手のことも尊重して、自分の正義を貫くことはとても難しい。自分の正義が誰かにとっては間違ったことなのかもしれないのだから。

そういうことを考えてしまう映画でありました。

 

外事警察 その男に騙されるなが見れるのは・・・
⇒Netflix




【邦画】空気人形 の感想 心の空洞はどうやったら埋められるんだろう?

邦画なんですが、ぺ・ドゥナ主演ということもあるので「空気人形」の感想もここに残しておこうかと思います。是枝裕和監督の作品は「幻の光」「誰も知らない」「大丈夫であるように -Cocco 終らない旅-」を見たことがあります。っていうか「誰も知らない」だけしか見たことないと思ってたけど、今調べてみたら是枝監督の作品を思ったよりは見てて驚いたのでした。

 

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しかし、とにかくすごいなと思いながら見ていました。是枝監督という人は、非常に緻密に構築された映画を撮るような気がします。というか始めからそう撮ると決めている部分と、撮ってみたらそうなった部分が合わさって最終的には隅々まで思った通りのものが出来上がっているという印象です。どのエピソードも無駄なものが無い。

これはおそらく、撮りたいものが一貫しているためかもしれない。どの映画も誰の目にも止まらないような人の存在を淡々と描き出して浮かび上がらせる。この映画でもそれは変わらない。人の心の空洞。そしてそれでも生きていく人々。安易な解決を提示しない。けれどラストにかすかに見える光。

普通の人形ではなくて、「空気人形」でなければならなかったのは、人から与えられる何かで空洞を埋められる存在でないといけなかったからなんだな。人と関わること、他人から息を吹き込まれることで欠如を埋めることが出来る人形が象徴的に使われている。空虚さを抱えた現代人のメタファーのよう。

純一とのぞみの関係は、空洞を抱えていても関わり合うことでその空洞を埋めることが出来る、けれど自分にとって有効だったやり方が他の人にも有効な訳ではないってことだったのかな。のぞみは自分がもらった空気を同じ様に純一にあげたかったけれど、結局悲しい結末を迎えてしまう。

空気人形が人間に近くなったのは、心を持ったときじゃなくて、空気入れを捨てて一回性の生を選んだ時なのかな・・・ この先は空気が抜ける時はその存在が消える時だと覚悟をした時。でも結局、純一は燃えるゴミ、のぞみは燃えないゴミの置き場へ。確かにのぞみの存在に救われた人もいたと思うのに、彼女はあくまでも最後まで人形だったのでしょうか・・・

 

空気人形ののぞみが心を持ったきっかけの言葉は「キレイ」そして過食症の女の子がラストに発した言葉も「キレイ」。ああ私たちは本当にそんな感情をくれるささやかなモノたちに生かされているのだと思った。

是枝裕和監督の不変のテーマとそれに対する多彩なアプローチの手法に魅せられる映画でした。少し猥雑ともいえる部分を見せることでもしかしたら嫌悪する層もいるし、反対にいつもは彼の作品を見ない人の目に触れる人もいるかもしれない。そういうところに迷いがないんだなあ。

もちろん、ペ・ドゥナの人形のような美しさがこの映画を更に魅力的にしているのも間違いなくて、本当に素晴らしい演技でした。

 

 

空気人形が見れるのは・・・