SPLシリーズの第3弾「SPL 狼たちの処刑台」の視聴を終了いたしました~ 第2弾のドラゴンマッハは大好きだったので、期待度大で見たんですが、今回はちょっと後味の悪さが後を引いてしまう印象ですかね。このシリーズは容赦のない殺伐とした感じを目指しているのかな~とは思うし、そういうのが嫌いという訳ではないんだけど、因果の始まりの部分がそれはちょっとなあと思ってしまうのですね。うーん。
ところでウィルソン・イップと言えばイップ・マンシリーズの監督ですね。なるほどねー まあしかしちょっと違うテイストです。この映画はクライム・アクションという感じ?
さて、ストーリーは香港警察のリーの娘がウィンチーがタイの友人のところに旅行に行った際に臓器密売組織に拉致されてしまい、娘を奪還しようとリーが現地に乗り込むのですが、タイ警察にその組織の協力者がいて、娘の心臓は現地の有力者に狙われていた!という感じ。
こうやってストーリーの大筋だけ聞くと、リーが大暴れして娘を無事に取り戻してめでたしめでたしの痛快アクションものになりそうな雰囲気があるじゃないですか!?だがしかし全然そんなことはありませんのでちょっとビックリしてしまうのであった。
まず、そもそもリーの娘のウィンチーがタイに旅行に行くきっかけというのが、娘が妊娠してしまい、彼氏と結婚したいと父親のリーに告白するのですが、リーはその彼氏を淫行容疑で逮捕させ、娘には堕胎手術を受けさせるという血も涙もない対応をするせいなんですね。まあね、映画を見ていた時にはもう少し年上の設定だと思ってた娘がどうやら15歳だったらしいし、父親からしてみたら結婚なんてありえない!という気持ちだったかもしれないけれど、それにしても結婚したいと思う程好きなんだからせめてちゃんと話し合うべきですよね。まあその非人道的(だと女性の立場からすると思ってしまう)な父親の行動が結局事件の発端になってしまう訳なんですね。それが、ラストの結果に行きついてしまうという事なんだけど、そこに繋げるためには、この部分の描写が乱暴に過ぎる気がしてしまう。まあ言ってみれば、この時点ですでにドン引きというか、主人公を好きになれないっていうか。そんな気分ですよね。
あと、パタヤ警察としてトニー・ジャーとウー・ユエが出演しております。タイが舞台だし、トニー・ジャーが大活躍すると期待するじゃないですか!?これまた予想を裏切られて、割と早い時点でいなくなります。ちょっとした特殊能力があったり、どう見ても素晴らしい動きをしてて負けることなんてなさそうなのにね。ここで、まず一番初めの「あれ?」って気分。しかしウー・ユエは最後までいるので良かったです。たまたまですけど最近よく見てるウー・ユエはかなり動きが素晴らしく美しくて良かったです。ルイス・クーはアクションというより、顔と表情と気迫が良かったかな。
まあでも考えてしまうなあ。娘を愛するが故に彼女を救うために敵に容赦ない訳なんですが、でも同じ人がその愛する娘に対して容赦ないことをするという。それは愛なんでしょうか?娘への愛だったのか、結局自分への愛だったのか。そこの矛盾に気づいてしまったからラストはあれしかなかったのかな。うーん。そう考えるとこの映画自体が登場人物たちに対しても容赦ないような気がしてしまうのであった・・・ ずずずーん。