イ・ジュンギとイーサン・ルアンが出演しているので見てみた映画「シチリアの恋」。どこの映画なのかな~と思っていたら中国映画のようです。
これはちょっと久々にハズレ映画を見たな・・・って気分になってしまいました。感動的な愛を描くぞー泣かせちゃうぞーっていう意図は伝わるんですけど、全く共感できないし、どのキャラにも魅力を感じないの。すべてが説明不足でなんのこっちゃな気分でした。
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原題は「謊言西西里」でシチリアでの嘘ってな意味合いかしら。この方がまだシチリアの恋よりは納得だな。どっちにせよ、ジュンホはシチリアから上海に留学してそのままそこで仕事もして、シャオヨウと出会って愛し合うのも上海でなので、シチリアという舞台の必然性は全く感じないんだなー。どっちかというと上海の恋って感じ。シチリアの景色は綺麗ですけど、なんで?と視聴者に思わせる感じ。
内容的には以前に見た韓国映画の「悲しみよりもっと悲しい物語」とストーリーが似ている。愛する人に理由も言わずに別れを告げる男、その理由は自分の余命がわずかだからっていうやつ。ありがち-!
ジュンホが「彼女のために別れを告げる」っていう一方的な思想があんまり理解できないんだな。病気を知った上で彼女が別れたいと思うのか、最後まで一緒にいたいと思うのか、という相手側にもあるはずの選択権を奪っているだけのように感じてしまう。相手を傷つけたくないという言葉でオブラートに包んでいる本当の気持ちは自分が傷つきたくないだけなのかもしれない。
その上、この映画での男は、シチリアで生前葬までしてもう死んだことにして相手に自分を諦めさせようとするのに、その後上海に戻って来て彼女の上の階に住んで見守っているのですよ。そして自分の存在を隠したいのか分からせたいのかどっちやねん!っていう匂わせ的な行動をしまくってましてね・・・ そうねえ、言葉は悪いけど、ちょっとキモイって思ってしまったんだな。最後まで彼女を守るっていう思いでやっていたのかもしれないけど、それは守っていることになるんだろうか?多分守っていたのはジュンホ自身の心よね。むしろ二人を守っていたのは所長だったんでは?いい人でしたな。気の毒。
そして、イーサン・ルアンの存在もよく分からない。最終的にはジュンホが死んだ後にシャオヨウと縁があるのは彼なのかな、という感じなんだけどね。すべての登場人物同志の関係性が浅く浅く描かれていてなんだか心に残らない。
ジュンホとシャオヨウが深く愛しあっているのが全く伝わってこないのが一番残念だったポイントかもしれないな。出会いとか恋に落ちたエピソードはちゃんとあるんだけど、ふーんって感じで胸に染み込まない。そのせいで彼らの行動全部が薄っぺらく見えてしまうような印象がある。あ、この時のイ・ジュンギは余命半年の役には全然見えない健康そうな体型だったのもちょっとな。・・・という訳で私は全然好きじゃなかったんですけど、オシャレっぽい雰囲気と感動的っぽい雰囲気はある映画でした。