【香港映画】インファナル・アフェア3 終極無間 の感想 「明日が過ぎれば無事だ」という願望は叶わない

インファナル・アフェアシリーズの最後を飾るにふさわしい完結編の3作目です。自分が生き残るために仲間を売り続けるしかないラウの辿り着く先はとても苦しい。救いのない無間地獄を出ることが出来ずにとどまり続けるしかない。自分自身への絶望感とともに。

 

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ヤンとラウを結びつける触媒としてのリー医師の存在の使い方がとてもうまいと思うのだった。

ケリー・チャンのクールそうな少し神秘的な存在感が精神科医としてとても効果的で。それぞれ本来の自分と対極をなす場所にいるヤンとラウが本人が気を付けていても思わず本音をこぼしてしまう場所。その秘密はあまりにも重く、それを聞いてしまったものの心にも波紋を作り出す。

リー医師のカルテを盗み見ることで自分とヤンを重ね合わせていくラウ。けれど、やっぱり彼はどんなに自分が善人だと思いたくてもそうなることは出来なかったのだった。

完膚なきまでに、突き付けられる現実というのは実に辛いものだ。とっさの判断に本性が出てしまうというのは本当で。自分は善人で警官になり切れると思ったラウが躊躇なくヨンの眉間を撃ち抜けてしまうのはやっぱり彼が黒社会の人間だということをあまりにも端的に表していて、ラウの絶望とともに視聴者にも絶望感をもたらす。丁寧に丁寧に描いてきたそれまでのストーリーがそこにきちんと集約されて、納得感とともになんとも言えない気持ちになる。絶望感?諦念?とにかく苦しい。

そしてラウは結局、自分がしてきたことの報いを受けるが如く、死ぬことも出来ず、生き地獄の中をさまよい続けるしかないのだった。

 

人生は因果応報なのだろうか。ヨンの殉死が不幸だったのかというとそうではなかったのかもしれない。あの苦しい生き方を終わらせることが出来るのは「死」しかなかったとしたら、それこそが救いだったのだろうか?そんなことを考えつつ、映画のストーリーはきちんと終焉を迎え、話の展開は回収されているし、綺麗にまとめられているのだけれど、心の中の苦しさの余韻だけは見終わった後に更に大きくなり、その存在感を増すようなそんな映画だったと思うのでした。

 

インファナル・アフェア3 終極無間が見れるのは・・・



【香港映画】インファナル・アフェア 無間序曲 の感想 シリーズ2作目はラウとヤンの11年前のストーリー

「インファナル・アフェア 無間序曲」はインファナル・アフェアシリーズの第2作目。1作目から11年遡った香港が舞台で、若い頃のラウとヤンはアンディ・ラウとトニー・レオンではなく、エディソン・チャンとショーン・ユーが演じています。

いやー この映画もずいぶんと前に見ていたんですけど、2と3を続けて見てしまったせいで自分の中でそれぞれの作品の感想を分けることが出来なくなっちゃいまして。舞台となっている時代はずいぶんと違うんですけどね。なんとなく。

それで、もう一回見てから感想を書くことにしました。なのでゆるっと2回目の視聴をいたしました。

 

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ストーリーに関しては1作目の世界観が持続しているし、香港返還の頃が描かれていて興味深いのですが、キャスティングがちょっとだけ気になるのでした。

ヤンのショーン・ユー→トニー・レオンの流れはわりと良い感じと思う。

しかし、ラウのエディソン・チャン→アンディ・ラウは正直なところ、あんまりしっくりこないかな。ラウのイメージにエディソン・チャンがなんだかちょっと重ならない気分です。皆さんはどうなんでしょう?

まあ、今回はどちらかというとアンソニー・ウォンのウォン警部と、エリック・ツァンのサムに焦点が当たっているストーリーなので、ラウとヤンはそこまで気にはならないともいえるけど。

この二人のやり取りが見どころです。ウォン警部がサムをボスに据えようとするのは、最善ではなくても少しでもマシな状況にしようとしてなのだけど、結局、ボスが入れ替わっても同じことが起こるという皮肉。繰り返される悲劇。

味のあるおじさん俳優パラダイスですな・・・

誰もかれもはまってしまった蟻地獄から抜け出せず。ヤンもまた任務に終わりはなく、結局警官に戻ることは出来ないまま出口もなく。

彼らの姿を見ていると、苦しいのか悲しいのか空しいのかなんとも形容のしがたいやるせなさが募りますね。そして考えてみたら全作品の11年前の物語だったということはそれだけの期間、彼らがその地獄にいたという事ですから、そう考えると映画に出てこなかった部分まで想像してしまって尚更辛い気持ちになるという感じ。おお・・・

 

さて、その他の登場人物も香港映画で見慣れた方ばかりで大変安心感があります。

ルク警視役のフー・ジュンの演技も印象的です。今作ではまさかの展開に涙ですよ・・・ 最近は彼はレッド・クリフとかにも出てすっかり有名になったけれど、私にとって彼は「藍宇 〜情熱の嵐〜」のチェン・ハントンなんだよなあ。あの映画も時間が経っても色濃く印象に残っている映画であります。

ハウ役で出演のン・ジャンユーは大好きな俳優さんの一人。癖のある悪人役を演じてるのが一番好きなので、今回のハウ役は私には物足りないかなあ。半分インテリの黒社会のボスって感じかな。でも、彼が出てるだけでいいんですよ。ほんとそんな存在。

マリー役のカリーナ・ラウのとても良かったです。ラウにとっての「マリー」という名前にそんな前日譚があったとは・・・という感じですね。このエピソードはうまく考えられてるなあ。

このアンドリュー・ラウとアラン・マックの作品には限らないかもしれないけど、裏社会を舞台にした香港映画の魅力は、非常にウェットなのに、突然のドライさの描写なのかなと思ったのでした。それともウェット過ぎるがゆえにそれを断ち切るために極端なドライさが出現するのかな、などとラウやサムの選択に思うのでありました。

 

インファナル・アフェア 無間序曲が見れるのは・・・



【香港映画】インファナル・アフェア の感想 香港映画を見ると次は男に生まれたいと思うのだった・・・!

 

Gyao!で映画で配信されているラインナップを見てみたら、
今なら1/11までインファナル・アフェアが無料で見られるんですよ!!!

今のように韓国ドラマを見るようになる前は、
どちらかというと映画、それも中国と香港映画を好んで見ていた私。

インファナル・アフェアって有名だから見たっけな?と思って見始めたんですが、
まだ見ていませんでした!!!
なんてこった!アンディ・ラウとトニー・レオンの双頭が主役だというのに、
見ていなかったなんて私のバカバカ!と思うような映画でした。

この香港映画の空気感というのはなんとも言えないものがあります。
男性が主役の映画はやっぱり香港映画が一番カッコイイと思う。
昔から、男たちの挽歌を初めて見た時から、この思いは変わらないのだけど、
ヒリッとしたこの画面を見たくて映画館に何度も足を運んでいたんだなあと思い出す。
そして、まあカンフー映画を見た後にはカンフーを習いたいと思うのと同じ感覚なんだろうと思うけど、こういう映画を見た後は必ず、次は男に生まれて来たい!と思うのが常なのでした。

単純なんで!!!!




 

多くを説明しないのに、きちんと分かるように作られていて、
「映画」というのパッケージの作品として素晴らしいなあと思います。
分かりやすいのに見応えがある・・・!

鏡張りのビル、それに映る空、屋上の風景
シーン一つ一つが心に残る。

そして、どの俳優さんも他の映画で何度も見たことある人たちばっかりなのに、
どうして他の映画の時の匂いを全く感じさせないんだろう。
それも映画だからこそなのかも。

トニー・レオンとアンディ・ラウの表情が素晴らしくて、
目が離せなくて、最後までどうなるのかドキドキしながら見た。

映画館で見たかったなあと、ちょっと後悔したけれど、
でもこのタイミングで見れただけでも良かった・・・!

久しぶりに見たケリー・チャンもとても美しくて懐かしい気持ちになっちゃった。
これは、インファナル・アフェア2と3も見なくちゃいけないなと思いました。

めっちゃ良かったです!
興味のある方は無料配信中に是非~!

 

はあ、カッコ良かった・・・

 
インファナル・アフェアが見れるのは・・・



このブログがどんどん韓国ドラマから範囲が広がっていっている!わわわ!