本やドラマを見ている最中は何も思わなかったのに、見終わった後に、「あれ?これはこういうことだったのかな?」と突然思いつくことがあります。
この誘惑も数日たって考えて見るとふとそんな気持ちになりました。
ドラマを見終わってすぐの時の感想は、これがメロドラマってものかあ~と思ったのです。
流れる音楽とかもなんだかそんな感じだし、
チェ・ジウとクォン・サンウの二人についてはほんとそう感じたので。
しかしこのメインの二人については実はあまり印象も残っていないな、と。
そして、思ったのです。このドラマは本当はパク・ハソンの演じたホンジュの死と再生、挫折と復活の物語だったのではないのかな・・・と。
死と言ったら大袈裟ですが、彼女の自殺未遂がすべての始まりだったような気がするのです。
夫の会社の借金のことが一番始めのようにも思いますが、その時点で二人が力を合わせて乗り越えようと思ったら乗り越えられただろうと思うので、そうせずにホンジュが逃げることを選んだのが始まりだと思います。
そして、チェ・ジウからクォン・サンウへの10億ウォンの仕事の話があった時にも、結局彼女は逃げてしまった。ソックンはホンジュが自殺未遂までしてしまうような状態でなければ受けなかったと思う。
だから、やっぱり彼女の選択の結果がすべてなんですよね。
だけど、ホンジュはすべてを誰かのせいにして、逃げ続ける。
そして、悪いのはあの二人だと恨んで復讐をしようとしてしまうのだけど、結局それも自分では何もできないからとカン・ミヌの力を借りて人に頼って成し遂げようとしてしまう。どんどん人を巻き込んで。
でも、結局、最後にはちゃんと気づくんですよね。
「人を呪わば穴二つ」ということに、人を穴に落とそうと思ったら自分も穴に落ちているということに。
この気づきの部分がきちんと描かれていたのが、良かったなと思います。
そして利用してしまったカン・ミヌに別れを告げて、とうとう自分の足でしっかり立つことを選ぶんですよね。
ホンジュは気づいたんだろうな。
本当は自分は不幸せなんかではなくて、自分がまちがったことをしても暖かく見守ってくれる父親や弟がいることに、ささやかでもそこにちゃんと光があったことに。
人は自分が見たいものしか認識することが出来ないから、それまで気づくことが出来なかった光に。
無いものばかりに気を取られて、あるものに気づいていなかったことに。
なんだかそんなことを考えて、なかなか見応えのある部分もあるドラマだったかなという気がしてきました。
苦しかったり、悩んでいる時、これしか方法が無いと思うときにも、本当は自分がそう思い込んでいるだけなのかもしれない、と一度息をついて広い視点を持てるようにしようと、なんだかそんなことを思ったのでした。