【韓国映画】男と女 の感想 一面の真っ白な雪にも覆い隠すことのできないもの

コン・ユとチョン・ドヨン主演の「男と女」を見ました。私がびっくりするくらいハマれなかったのは、たぶん冒頭のせい。チャン・ドヨンの煙草を吸う姿がわざとらしく見えていきなりそこからあれれって感じ。極力煙を体内に入れたくないようなふかしているだけの吸い方に見えて違和感。喫煙の習慣のシーンはヒロインの鬱積した気持ちを表すためだったと思うのだけど、そういう意味ではあんなに何度も小道具として使用したのは逆効果だったのではないかとまで思ってしまう。多分、チョン・ドヨンに対しての私の期待値が高すぎたせいもあって余計にそんな風に思ったのかもしれないなあ・・・

 

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映画って物語の中へダイブするために臨場感に浸ることが必要なんだと思うのですが、私はその冒頭でそれにいきなり失敗してしまってそのまま最後まですごく傍観者でありました。物語の淡々とした描き方も相まって美しい風景で覆い隠した絵空事を見ているような気分だったようです。

でも淡々とした映像作品が苦手だという訳ではなく、むしろ口数や動きが多すぎる方があまり好きではないので、扱っている題材とかストーリーに寄るとは思うのですけどもね。どうやらこの映画はあんまり私にはグッと来なかったな、という感じです。

男と女の違いが端的に表れたラストまでの展開はうまく描かれていると思うんですけど、切ないとか悲しいとかより虚しさを伴う諦念みたいなものに覆われてしまう。分かっていてもこんな風に突き付けられられたくない事実のようだと思ってしまうのです。

男性と女性の特性の違い、覚悟の違い、不倫の結果に起こることの違い。表面上取り繕っても人間の本質は自ら現れてくるのです。雪に覆われてもそれは隠せないのだとあのフィンランドの真っ白な大地を見て思っていたのです。

男のラストの涙がとても嫌だった。それが自分さえ我慢すればという自己犠牲のつもりでもやっぱりそれは結局自分の選択で。どう言い繕っても自らが初めて夢中になってかき回した相手を捨てて家族を選んだのに、その涙は自分のための涙のように見えて、泣いている姿なんて見たくないのだった。

サンミンの夫のパク・ピョンウンがかけてたメタルフレームの眼鏡がとても似合っていて素敵だった。ちょっと神経質だけれど、申し分のない夫。だけど・・・というサンミンの気持ちは分かる気がする。子どものこと、仕事のこと、家庭のこと。それはギホンも同じで。サンミンとギホンの二人の間にあった感情はそれが本当に愛なのかさえ分からない。辛い日常が無ければ二人が惹かれあっただろうかと考えてしまうのだった。

 

好きか嫌いかでいうとあまり好みではない映画でした。けれど、見終わった後につらつらと内容についてふと考えている気がする。人ぞれぞれ色んな状況あってのことだから不倫が悪いとかそういう一方的な視点は私にはないんだけど、それよりも結婚して家族という形式になるということが簡単に断ち切れる関係性ではないんだなという事の方を彼らというか、ギホンの選択で思ったのでした。人は気づいていないつもりでも緩やかな鎖につながれて生きているものなんですね。そんなことを改めて思ったのでした。

 

男と女が見れるのは・・・
⇒Netflix





【台湾ドラマ】年下のオトコ の感想 シュー・ユーティン脚本のドラマ

年下のオトコの視聴を完了しました。タイトルや随所に素敵な言葉が使われているのがシュー・ユーティンが脚本作品らしい仕上がりです。ルビー・リンの出演作は色々見ているけれど、今まではあんまり美人だなあと思ったことは無かったのですが、ここでは綺麗な年上のお姉さんで素敵でした。

 

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デレック・チャンは年下の男の子役に本当にピッタリ。1992年生まれだけど、実際の歳よりも更に若く見える気がする。スーツを着た時の借り物感がすごくてあれこんなだったっけ?と思ったくらい。今までに見た彼が出演していたドラマの狼王子記憶の森のシンデレラではそこまで幼くは見えなかったから、今回のそれは髪型のせいなのか、役作りのせいなのかどちらにせよすごいですね。

チンフイの友達の二人がどこかで見たことあるなあと思ったら、どちらもアテンションLOVEに出てましたね~!前回はどちらかというといじめっ子といじめられっ子という関係性だったけど、今回は仲良し。チャン・グァンチェンとグレッグ・ハンはどちらも1990年生まれだからこれからの役者さんですね。

年下の男の子が出てくるドラマでありがちな展開っていうのがあって、数年後に男の子が立派な仕事について戻って来てハッピーエンドっていうやつ。このドラマもいわゆるそれなんですよね。まあドラマなのでそれもいいんですけど、もうちょっと年上の女性と年下の男性がありのままの状態でもまわりに普通に認められるようなドラマがあってもいいよねなんて思ってしまう。年の差があるとそうやって年下男子がすごく頑張らなければいけないというステレオタイプに最近ちょっと違和感を持ってしまう感覚があります。

なので、このドラマでも当たり前のように家族の反対に合う二人シャオフェイとチンフイなんです。色々あって一度離れるんですが、その後また出会って周りに認められる過程がすごくうまく描かれててここはすごいなあと思いました。シャオフェイの娘がうまい触媒で働く形でチンフイの親は先に娘を好きになっちゃうという流れがうまい。そうやってラストに二人の関係がまわりに受け入れられていくのがとても自然に納得できるので、気持ちよくハッピーエンドを迎えられるという感じ。ちょうどこのドラマと同時期によくおごってくれる綺麗なお姉さんを見てて、向こうはそういう問題が最終的に何も解決しないままなんとなくハッピーエンドっぽい形で終わったのが非常に不満だったので、その点はこのドラマはすっきりして良かったのです。

という感じで終わり良ければ総て良しというのは満更間違ってもいないようで、うまいこと作ってあるなあという印象が最終的には残ったドラマとなりました。デレック・チャンが可愛かったしまあ面白かったかな!

 

年下のオトコが見れるのは・・・

  

【韓国ドラマ】結婚契約 の感想 理由があまりにも切実でストーリーに引き込まれてしまう

契約結婚の視聴を終了しました。これとても良かったんですよね・・・ 契約恋愛、契約結婚をモチーフにした作品は沢山あるし、私も結構見てきた気がするのですが、そういうありふれた内容にも関わらず他のドラマとは一線を画した感があったのは、背景の描写や人間関係がしっかり描かれていたからではないでしょうか。

 

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よくあるのは結婚をしろとうるさい親を黙らせるために仮想結婚を企てるというような軽めの理由が多いと思うのです。だけどこのドラマではその理由があまりに切実で、そのやり方が正しいかどうかは別の問題としてその彼らの思いの切実さに見てる側としても思わず入り込んでしまう感じなんです。

その上、二人の関係というだけではなくそれぞれの家族との関係もしっかり描かれているのが良いんです。肝臓移植をする必要がある母親を助けたいハン・ジフン、脳の病気で余命を宣告されているカン・ヘス。そんな二人の利害が一致して契約結婚をすることになるというストーリーに知らない間にすっかり引き込まれてましたね~

自分が死んだあとに残される娘のために出来ることは何だろうと考えてジフンと契約結婚をすることを選ぶヘス。ああこの娘を思う気持ちゆえのヘスの選択が切なく、苦しい。ヘスの娘のウンソンがめちゃめちゃ可愛くてこれまたたまらない気持ちになるわけですよ・・・

ジフンもいわゆる臓器売買をしようとしているような血も涙もない冷たい人のように見えるけれど、実は彼にもいろいろとトラウマがあります。愛人の子だった彼はつらい境遇にあったのです。母親は自分の元にいるよりはと父親に託すのですが、継母の元で彼が幸せな生活を送ることが出来るわけもありませんよね・・・

彼の母親役を演じるのはイ・フィヒャン。彼女の演技も素晴らしくて、お互いに大切に思いながらも複雑な感情を持つ親子関係が表現されていました。母親は故郷を捨てて来たのに結局会長の愛人になって、若いころは良かったけれど、今は会長にも邪険にされているんですね。それでお酒を飲み過ぎて肝臓を悪くしてしまうのでした。そんな彼女が故郷にいる兄と最終的に和解する姿なんかはジーンとしてしまう。こういう感じで、主役たちだけではなくその周りの人たちの人間関係もしっかり描いているところがこのドラマの良かったところなんだろうな。

あ、ジフンの義兄のジョンフンを演じていたキム・ヨンピルもいい感じにダメ息子で良かったですね。彼が優秀だったらこんなにもめてないんだろうけど、本妻の子よりも愛人の子の方が出来が良いというのは逆境のせいで努力するからよくあることなのかもしれない。

その上、ヘスの義母との関係、そして和解まで描かれていましたもんね。その上どれも不完全燃焼じゃないという完成度の高い脚本だなあ。

ヘスの娘のウンソンが本当に可愛かったんだけど、演じてたシン・リナちゃんは青い海の伝説とか被告人とかにも出てましたね。非常に愛らしくて演技も上手!大きくなってもきっと美人になるだろうなあと今から楽しみであります~
こういうジフンがヘスを好きになる過程でウンソンのことも好きになるのが自然な感じで良かったな。子どもと言ってもやっぱり人間なのでどの子とも気が合うという訳ではないんだと思うんですね。でもその点、ジフンが子どもに慣れていないからこそ人間としてウンソンに接してその上で彼女のことも好きになった感じが伝わってとても良かったな。ヘスへの愛なんだけど、ウンソンへの愛も一緒に育っている感じが素敵だな~って思ったよ!ウンソンのリュックを背負うイ・ソジンに微笑。可愛いよ~~

そうだ!キム・グァンギュがジフンの友人役で出て来たり、チンピラとかごろつきの役が多いイ・ヒョンゴルが料理長で出て来たりも私的にはツボでした。安心感がありますね。

ちょっとファミリードラマ的な部分もあり、でも二人のラブストーリ―としてもドキドキする部分もあり(海でのキスシーンとか!)、16話だけどもっと長いドラマを見たような気持ち。ラストも必要以上のハッピーエンドという訳でもなく、そして人生は続くというナチュラルな感じでいいと思います。思いのほか良いドラマだったなという印象です!面白かったです!

 

結婚契約が見れるのは・・・





【韓国ドラマ】キツネちゃん、何しているの? の感想 よくおごってくれる綺麗なお姉さんとシチュエーションが似てる~

「キツネちゃん、何しているの?」に視聴を完了しました!このドラマを見てみようとと思ったのはタイトルが一体どういう意味なんだろうって気になったせいもあるかな~。で、見たけど結局どういう意味があんまり分かんなかったのですよー でもドラマの中で韓国の漫画のポンポンポロロの中のキツネのキャラのエディのぬいぐるみが出てきたからキツネというのはビョンヒの比喩なんだな~というのは分かった感じ。

ちょっと気になって調べてみたら日本の「はないちもんめ」みたいな歌で韓国に「キツネちゃん何してるの~?」みたいなフレーズが出てくる歌があるらしい。それをもじってつけた様子。ということは韓国の方がこのドラマのタイトルを見たらなんとなくイメージがわくんだろうな~ なるほど。

 

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このドラマは私の名前はキム・サムスンと同じ脚本家の方が書いたものだそうです。そう聞くとちょっと雰囲気が似てるかもしれないなあ。女性が年上というのもまあそうだし、セリフの感じやコメディーっぽいのりが似てる気がしますねー

あとは、よくおごってくれる綺麗なお姉さんとシチュエーションが似てるんですよ!ヒロインの方は家族がいて、男性の方は親がいないもしくは遠くにいて姉と暮らしている。そしてヒロインの家族とまるで親子のように仲良くしてて、男性の姉がヒロインの親友。その上、ヒロインの家族はその男性を可愛がっているのに娘の交際相手や結婚相手としては認めなくて罵倒するっていうところまで同じだなあ。このドラマの方がコメディータッチなので少しは控え目な罵倒だったのでそれが救いだった。私が韓ドラで苦手な部分ってそこまで言うの~~っていうそういう時の言葉たちだったりします。自分が言われてる訳でもないけどしんどくなっちゃうんですよねえ・・・ それはさておき見ながら何かに似てるな~と思ってたけど、こうやって書いてると本当に設定が似てたんだなと改めてビックリしちゃった!

とはいっても二つのドラマは主役二人の雰囲気もイメージもまったく違うので、テイストは似ていないですね。私はコ・ヒョンジョンが出てるドラマを見たのが初めてだったんだけど、ちょっと申し訳ないけど年下の男性に憧れられるようには見えなかったのよねえ。まあ成人雑誌の記者という役柄的なものもあると思うんですけどね。その上、チョン・ジョンミョンもちょっと苦手なので可愛い年下の男の子には見えなかったんだなあ。ってなってくると最早なんで見たの私!?って感じになるんですけど、まあそれはなんとなく・・・ でも妹役のコ・ジュニはやっぱり可愛いし、親友役のアン・ソニョンも面白キャラでわりと好きだし、ソン・ヒョンジュはクリミナルマインドコリアを見たすぐ後でこのドラマ見たからあまりに違う役で凄いなあと思ったし、色々と楽しめるポイントもあったのであります!

でもちょっと謎なのは、最初の方はチョルスがビョンヒを実は好きだったなんて全然分からないじゃないですか?むしろ迷惑な人と本気で思ってるようにしか見えなくて。だから本当は昔から好きだったんだっていうエピソードがだんだんと出てくるのがなんだか頭の中でうまく繋がらなかったんだよなあ。酔っぱらってビョンヒがチョルスに迫った日のチョルスに恋愛感情があるようには見えなくてただ健康な男子だからずるずるとってことなのかと思っちゃったんだよなあ。うーん。

とまあちょっとはまりきらずに見てはいたんだけど、二人はどうなるのかというのが気になってラストまで見れたのでそれは良かったかな。終わり方は嫌いじゃないかなってことで!

 

キツネちゃん、何しているの?が見れるのは・・・



【韓国ドラマ】クリミナル・マインド:KOREA の感想 有名なアメリカドラマのリメイク版 

クリミナル・マインド:KOREAの視聴を終了しました!本家のクリミナル・マインドを見ていないので比較できないんだけど、犯罪捜査モノは好きなので見るのを楽しみにしていましたよー アメリカのドラマを元にしているからいつもの韓国ドラマの犯罪捜査モノとは一線を画しているのかとその点を期待していたのですが、いつも通りであまり画期的なところは無かったって感じかなあ・・・ そういう意味ではちょっと期待外れなところもありましたね。

 

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このドラマはNCIのプロファイラー達が主役のドラマ。そこは本家と同じ。登場人物のそれぞれのキャラクターもきっとアメリカのドラマを元にしてるんだろうけど、どの人もイマイチ魅かれる人がいなかったなあ。すっごい冷酷な人だとか、人が良すぎる人とか、それぞれにキャラづけをもっと明確にすれば良かったのになんて思ってします。ハッカーのナナ・ファンに関してはファッションでぶっ飛んだ個性を出したつもりなんだろうけどうまく行ってなかったしな。ちょっと派手好きなただの普通の人で残念だったな。そして、メインの方たちみんな非常に感情的なんで、そんなんで落ち着いて人のプロファイルなんて出来ます!?みたいな気持ちになってしまったかも。チーム長のカン・ギヒョンからして情に流されるタイプだったので、プロファイラーに向いてなさそうなんて思いながら見てました・・・

あと主要なプロファイラー達はみんな何故か事件の関係者だったりして、事件への関連が順番に描かれるんですけどね。まあね、そういう事も実際にあるんだろうけど、関わりがあり過ぎて、なんて危険な組織なんだ・・・と思っちゃう。まあ警察モノ、検事モノなどのドラマでもそういうストーリー多いですけどね。それにしてもここのNCIの人達は狙われ過ぎだと思うのは私だけでしょうか。リーパー達との頭脳戦を描きたいから仕方ないのかなあ。彼も万能すぎてちょっとどうかと思う部分もあるな。

それぞれのエピソード自体は工夫が凝らされていて、興味深いものも多かったんでそれは良かったです。私が一番印象に残ったのは、12話の「冷たい魔女」かな。アン・ヨジンの我が子を思う気持ち、最終的にはその意を汲むチーム長のやり取りは心に残りました。こういうのってどうすることが正解なのか分からなくて色々考えてしまうなあ。

キャスティングはソン・ヒョンジュとかイ・ジュンギ辺りは適任な気がするんでいいんですけど、ムン・チェウォンのソヌ役はあんまりだったかな。私は彼女はタフな役を演じるより、今日の恋愛みたいなキャラを演じている方がずっと自然で似合うと思うんだけどなあ。ソヌという登場人物自体が悩んでいる人ではあるけれど、その役柄について悩みながら演じているように見えてちょっと違和感があったかな・・・ 私の個人的な印象ですけども。

でもこのドラマはかなり力を入れて作ったんだなあと分かるのは各エピソードの犯人や犠牲者役の俳優さんが割と有名な人が多いこと。キム・ウォネ、チョ・ハンチョルとかイム・スヒャンとか。他のこういうドラマだと各話の犯人役はあんまり有名じゃない見たことない俳優さんが多いイメージなんだよな~

 

ま、そんな感じで、あんまりクリミナルマインドを意識せずに、犯罪者の心理分析をするNCIが舞台のプロファイラーが主役のドラマって気分で見るのがいいのかもしれないです。でもあれかな、分析の結果をメンバーが順番に発言していくのとかはアメリカのドラマを踏襲しているのかもしれない。そのシーンになったら「来た来た」と思ってしまうのでありました。普通に面白かったかなと思うんですが、私はちょっと期待しすぎたのかもしれないです。目新しさは無かったかな。

 

クリミナル・マインド:KOREAが見れるのは・・・