【中香映画】ゴールデン・スパイ の感想 香港映画はアンディ・ラウ主演でも油断できないゾ!

アンディ・ラウ主演のゴールデン・スパイを見ましたよ~っと。まあ彼はかなりたくさんの映画に出演している俳優さんだし、内容にこだわりなく出演するというのは以前から知っていたので、こんなことがあっても驚かないのであります。そう、このゴールデン・スパイはアンディ・ラウとリン・チーリンが主演だからと言って油断してはいけない映画であります。ヤバいです。

ぶっ飛び切っていたらそれはそれで面白いし楽しめるのだけど、そうだなあこの映画に関しては「なんじゃこりゃ」感が満載であります。どこがって言われたらいっぱい上げられます。俳優陣はかなり豪華なんだけどねえ。なぜこうなったのか。ううむ。

まずやっぱりストーリー展開が訳わからんことが一番かな。どうしてもスパイ物って使い古されたネタではあるので、奇をてらった内容にしようとすると登場人物が多くなったり、入り組んだ複雑なものになりがちなのは仕方がない。けれど2時間弱という限られた時間枠なのだから、その複雑さを視聴者にはわかりやすく見せるように作るべきかなって思う。最後まで明かすべきでない部分ももちろんありますが、それを際立たせるためにも他の部分は理解できるように筋書きを見せて欲しいものであります。そういう意味ではやっぱりウォー!はやっぱりうまくできてたななんて思ったりする。比べたらコラー!って怒られそうだけど、同じスパイ物ってことで。

あとは敵役がとんでも案件になってた事かなあ。日本人というものを誤解しているような人物像なのは外国映画にありがちなので別にいいんですけど、トン・ダーウェイが怪演というほど振り切れてはないので、見てて気恥ずかしさがすごい。どうせならもっと古典ファンタジーものに出てくるような鬼と妖怪とか異形の者みたいな設定にしちゃった方が良かったかもね。制作陣が意図してるような強敵感がないから面白くないのだよね。だってさ、最後の対決が謎のフェンシングだよ?え?それ日本も関係ないし!確かに新しいです。他にはない。でもズコーってぶっ倒れました・・・
山本の取り巻きの女性たちは確かに強いし美しいけど、アクションシーンが同じようなのを繰り返し過ぎ。それはアンディ・ラウが出てるシーンでも同じで、アクションに力を入れてるのは分かるけど、最後の方はちょっと飽きてスマホ片手に見てしまったのでした。あかん。

あと気になったのは、「赤い傘」って何かの象徴なのかな?ってこと。博物館も赤い傘博物館だったし、ラストシーンのビーチのHAPPY BIRTHDAYも赤い傘だったし。あれはもう徹底的に頭に????を100個くらい浮かべさせてくれたからいっそ潔いほどの訳の分からなさだったので良かった(?)けどね。なんですかあれ?

そんでもって、結局、チャン・チンチューが演じてた妻のリンもただの保険屋さんじゃなかったの?強かったことが途中で判明したけど、実は彼女もエージェントだったってことですか?私の理解力のなさのせいかもしれないけど、よく分からなかったなあ。そうだとしたらシォウにあなたは一体何者なの?なんて聞くのかなとか。

ただし、そういう分からないところがあるからと言ってもう1回見て確認したいと思えないのがこの映画って感じかな。アンディ・ラウはあんまり優柔不断な役は似合わないのかそこまでかっこよく見えないし、女性陣はチャン・チンチューもリン・チーリンも美しかったけど、山本の女性部下チームも人数が多すぎてすべての美女の印象が薄れてしまった気がするなあ。

ま、そんな感じで香港映画ではたま~にあるこういう感覚。久しぶりに味わって非常に懐かしい気持ちになりました。おススメはしないけど、うわ~って気持ちを味わいたい人にはいいかもしれませんよお!

 

ゴールデン・スパイが見れるのは・・・

【中国映画】夏、19歳の肖像 の感想 心の中の大切な場所に消えずにずっとあるもの

「夏、19歳の肖像」を見ました~!原作の島田荘司の小説はほとんど読んでいて、確かこの映画の原作も読んだはずなんですけど、主人公が足を骨折して入院したっていうのは記憶にあったものの、他の部分はほとんど覚えてなかったのか、こんな話だったっけ?と思ってしまったのでした。原作も青春ミステリー小説といえる内容だけど、それよりもっとラブストーリー感が溢れていたせいかもしれませんね。しかし、映画としてなかなか美しく仕上がってて、これはこれで良かったかな。

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この映画の監督が、チャン・ロンジーで共犯の監督だと聞くと、この作品を映画化しようとしたのが分かる気がします。青春というもののを描き出す時に、無垢さが残酷さを知っていくというような過程を好む方なのかな~なんて。なんとなくそんなこと思ったりして。そしてとにかく映像が美しくて、過ぎ去っていく青春を思って胸が痛くなるような気分になります。残るのはチリっとした痛みと、それでも忘れえぬ美しい思い出。

今回は、映像の美しさも心に残りますが、断然主人公の二人が絵になる美しさ。ファン・ズータオとヤン・ツァイユーの家出シーンの二人の姿がお美しいです。タオ君は切れ長の目が美しいのは知っていましたが、ヒロインのヤン・ツァイユーの美しさも全く引けをとりません。むしろ彼女の匂い立つような美貌に目を奪われてたかも。まるで自分もカン・チャオになったような気持ちで画面の彼女の姿を見つめてたような気がします。だがしかし、カン・チャオのやってたことって完全にストーカーだよ!ってな行動なので、これが映画の中じゃなくて、現実でやってたらドン引きではあります。怖いね!

あと、ヤン・ツァイユーはどこかで見たことがあるかなと思ったら、芳華でリン・ディンディン役で出てた彼女ですね!華々しく着飾らなくても美しい人だなあ・・・

そして、あ!と思ったのは、カフェの店長役でモー・ズーイーが出演していたこと!一瞬怪しい人なのかと思わせる雰囲気がピッタリだったな!台湾ラブストーリーでの演技がとてもよかったので、もっと彼の出演作を見たいんですが、なかなか見つからないんですよね・・・ キャストにも全然名前が出てないし!百度まで見て気のせいじゃないよねって確認しても見つからなかったからエンドロールでもう一回探しましたよ。

ちゃんと名前が確認できて嬉しい!間違ってなかったわ~

私が原作を読んで想像していた主人公のイメージとこの映画でのタオくんがリンクしない部分がおそらくあるんだろうな~ なので、重ならない部分もあって、同じもののように思えなかった部分もあるんですが、同じ小説を読んでも人によって思い描くイメージがこんなに違うんだなと逆に非常に興味深さを感じられて面白かったですね。ラストも素敵にまとめられてて美しい映画でした。

 

夏、19歳の肖像が見れるのは・・・






【中国映画】薄氷の殺人 の感想 なんともいえないしんどい後味が残った・・・

鵞鳥湖の夜が公開したら見たいな~と思っていたので、予習がてら見たディアオ・イーナン監督の前作、「薄氷の殺人」ですが、映画全体の出来とは違う観点でどうにもこうにも見ててしんどい気分になる作品でありました。ある一点がどうしても受け入れられなかったんだろうな。展開とか構成とか空気感などは非常に興味深いんですけどもね。

 

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あとあれですよね、邦題にもの申したくなりますよね。「白日焰火」という白昼の花火が大変重要な意味を持つのになあ。邦題をつけた方は、スケートのシーンが印象に残ったのでしょうかね。

さて、ストーリーとしては、映画の流れや映像の特異な美しさなどの部分など、全体としては面白い映画のように思えるのだけれど、でもそもそも描かれているものに対する嫌悪感が拭えないのは私が女性だからかもしれない。

おっさんたちの薄汚い欲望にさらされるヒロインというものが「美人だから仕方ない」とか「スタイルがいいから仕方ない」「未亡人だから仕方ない」と受け止められるかどうかが、この作品を評価できるかどうかの境目なのだろうけど、私には仕方ないと受け止められないのであった。それは多分「肌を露出しているから、派手な服を着ていたから、だから痴漢にあっても仕方ない」と言っているのと同義のように感じてしまって、私は決してそうではないと思っているので、同じくこの映画を冷静な気持ちで見られないのであった。ファム・ファタールなんて言葉でウー・ジージェンを表すのは男の身勝手だよ・・・

それはすでに冒頭の部分から感じてしまったのですが、刑事が妻と離婚する際にもう一回だけって真昼間から駅でレイプしようとしているシーンからもう無理だった。そうあれはまだ二人がまだ夫婦だとしても違うとしてもレイプだよなと思うのです。あれを男ってそんなもんだ、とか彼は愛に不器用だからなんて言葉で理解なんてもしたくないんだけど、それが伏線で全体的にそれが罪じゃないっていう流れなんだよなあ・・・ううむ。

そういう目で見ていくと、刑事、クリーニング屋の店長、ナイトクラブの店長などが勝手に彼女に欲望を抱いて、彼女を追い詰めてるだけの話やん?と思ってしまうのであった。だからってもちろん殺人はあかんけども、その前提にあるおっさんたちの罪を罪とも思わずにやっている部分を見てると嫌悪感しか湧かないのであった。それをなんかおさまりの良いサスペンスだ~なんて賛美する気には全くなれないな。ただ、田舎ではよくあること、昔はよくあることだったのかもしれないけど、それにしてもなあ。人間の業を描いてるんだよ~って言われそうだけども、それってあくまでも男性側からの視点じゃない?ぞっとする。

最後の彼女のほほえみは、捕まって刑務所に行くことでああいう男たちからとうとう逃れられることへの喜びなんだと思う。刑事のことを馬鹿なやつと思っているのと同時に彼女が犯人だと突き止めてくれて、そういうやつらとおさばできることへの感謝というか嘲笑というか。そんな風に受け止められてしまったな。ファム・ファタールとかじゃなくてさ、ほっといてくれよって感じだろうな。彼女からしてみれば。

そういう猥雑な人間の性をわざと描いているのか、無意識に描いているのか、監督の他の作品も見てみたい気がする。ま、多分、鵞鳥湖の夜は見ると思うので、そこできっと分かるでしょう。

という感じで印象的な映像の素晴らしさや構成の妙とかそういう観点では全く語れなくてすいません!私にとってはただひたすら、なんだかなあ・・・と感じてしまうストーリーでした。ま立場が違えば見え方も違うよねっていうことで、こんな感想があってもいいんじゃないでしょうか!知らんけど!

 

薄氷の殺人が見れるのは・・・


【中国映画】リセット 決死のカウントダウン の感想 パラレルワールドってそういう事だっけ?

映画「リセット 決死のカウントダウン」を見ました!私がこの映画を見た目的はリウ・チャンであります。麗姫と始皇帝の際の彼の凛々しさが印象的で他の出演作を見たいと思っていたのでありました。ヤン・ミーも好きだしねってことで期待して見たんですけどね。うーん。ところで製作にジャッキー・チェンも関わっているらしいです。色んな作品を手掛けていますねえ。

 

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さて、まずはお目当てだったリウ・チャン。彼って背も高くてシュッとしたイメージなんだけど、眼鏡&セーターのちょっとポヤポヤした感じの役。彼も学者役なんだけど、あんまり知的には見えない感じ。

多分、彼が演じてる大雄は夏天にほのかな好意を持っている感じなのかな~って気がするので、あんまり切れ者って感じじゃなくて、優しい感じの役作りなのかな。
あっ、クール担当はこの映画ではウォレス・フォなのかもしれないか!

とはいえ、普通にかっこいいんですけども、この役は彼でなくてもいいかもな・・・と思ってしまったりして。クールな役を演じてる彼を見たいんだけどなあ。この映画ではあんまり活躍するシーン無かったので寂しかったし、他に日本で見れる出演作は無いのだろうか~!!!

さて、ストーリーの話に戻りますと、まず一番最初に実験成功〜ってみんなで喜び合うシーンがあるんだけど、あれ?この人たちこんなに演技わざとらしい人たちだったっけ?と驚くくらい違和感があります。全体的になんかそんな感じなんだよなあ。これは本人たちの実力というよりは演出のせいじゃないかな?だって出演者の方たちを他の作品でも何度も見てるけど、感じたことのない感覚ですよ。多分、リウ・チャンという目的が無かったらそこの最初の部分で挫折するかもしれないレベルでなんか変な気持ちになりましたな。

夏天は豆豆を助けるために奮闘して、何度も時空を超えて、夏天が3人になっちゃうんですけど、パラレルワールドの概念ってそもそもそれで合ってます?みたいな感覚に陥ります。元の世界に戻って、何度も時空を超えるとその度にまた新しいパラレルワールドがそれぞれ出来て、3人が同じ場所に介することはないのでは無いかと思うんだけど、量子物理学的にその点はどうなんだろう?ただのタイムトラベルと思えばあり得る設定なのかな?分からん。まあでも同じ人が3人一堂に会するっていうのが息子を助けるためにこの映画ではとても大事なポイントな気がするので、あんまり考えてはいけない気もします・・・

まあでも良かったのはオリジナル夏天が何度もタイムリープするうちに脳細胞の一部が破損するかなんかでどんどん凶暴になっていくんですけども、その凶暴なヤンミーがとても良かったことかなあ。彼女かなり顔がキリッとしてるから殺し屋似合うかもしれないねえ。素敵なママよりはそっちの演技のほうがハッとしたね。

そういえば、ウォレス・フォも悪役的なのを見るのは初めてだったかも?彼ってあんまり表情豊かな感じがしないので、いっそこんな風なちょっと極端な役の方が合うのかもと思いました。私は悪役の方が好きかもしれない。

それにしても母性愛というのは、非常に凶暴なものにもなり得るのかなというのが感想。ちょうど、韓国ドラマのウォンテッドを見た後だから余計にそこについて考えてしまうのかもしれない。自分の家族だけを守るために他の人達が傷つく事に対する無関心の罪について描かれてたドラマだったのですよね。
だからこの映画の中で出てくる、自分、自分の家族、自分の子どもさえ無事だったら他の人は死んでも構わないと思う心がとても恐ろしい。それはウォレス・フォが演じた崔琥にも言えますね。彼も自分の家族に会いたいがために豆豆を殺し、ネクサス社を爆破までするんですから。愛って裏を返すと他者に対する暴力にもなりうるということなのでしょうか・・・

どうもメインのストーリーについてというんではなくて、設定について色々と物思いにふけってしまう映画だったなという印象であります。

さてさて、夏天の息子の豆豆なんですが、三世三生を見た人なら、あ!と思うであろう子が演じてます。そう、阿離役のハマー・チャン君ですよ。またまた親子役であります。怖い目に遭ってめっちゃママーママーって泣いてて演技だけど可哀そうだったよ・・・

そして意外なところで、キム・ヒウォンが出演しています。なぜ急に韓国の俳優さんが!?と思ったんですが、チャン監督は韓国の方のようなので、その縁なのかも?しかし、割とあっという間に殺されて出番はあんまりないし、せっかくの個性的な役者さんなのに活かせてない感じが非常にもったいないですなー

 

ジャッキー・チェンがプロデュースってことでアクションシーンもあるし、細かいことを気にしなければそれなりに楽しめるのかもしれません。私は気になることが沢山あってあんまりだったかな!

 

リセット 決死のカウントダウンが見れるのは・・・




【中国映画】ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝 の感想 本気を出したチェン・クンの美しさに圧倒される~

映画「ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝」を見ました!龍門と聞くと、「ドラゴン・イン/新龍門客棧」って映画があったよな~と思い出すんですが、どうやら今作はその3年後という設定でやっぱり関連があるらしいです。ドラゴンインはツイ・ハークが製作・脚本で監督はレイモンド・リーですが、ドラゴンゲートは監督・製作・脚本ともにツイ・ハークです。確か、ドラゴン・イン辺りで初めてドニー・イェンを見たんじゃないかなあ・・・ あの悪徳宦官役もなかなか印象深かったな~

 

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ツイ・ハークがこうして続編を作りたくなるのも分かる気がする「龍門」という場所が美しく、そこに隠された秘宝があるとなると非常にロマンチックでフォトジェニックな物語が撮れますもんね。砂漠という場所は神秘的で心惹かれます。

こういった武侠ものだと、CG使い過ぎとかワイヤー使い過ぎより、昔ながらのしっかりしたカンフーがいいと言われたりもしますが、それも一理あるし分からないでもないんだけれど、私はツイ・ハークのように新しい手法に果敢に挑戦していく監督が好きです。最近考えるのは「変わらないために変わり続けることが必要」という事についてです。映画も同じでどんどん新しい技術が出てくる中、変化することを恐れないということが、実は大切な部分を変えないために必要なことなのではないかと思うのでした。そういう意味でもこの映画は私はとても好きだったな。色んな剣が飛びまくってたので、本当は映画館で3Dで見たいものですねえ!

まあストーリーはちょっと辻褄が合わない部分があるような気もしますが、60年に一度現れる秘宝とか、ジャオとリンの関係とか、遊牧部族の王女チャンの存在とか、もうそれだけで楽しくなってくるような設定なので、あんまり細かいことは気にならない~ 私が香港映画に慣れてるからかもしれませんが!

ジェット・リー、ジョウ・シュン、チェン・クン、 グイ・ルンメイなどキャストが豪華なのも凄いんですが、それぞれのキャラが立っているのに個性が喧嘩していないのが良かったです。砂漠という特殊な場所が舞台だからでしょうか!

さて、この映画のもう一つのお楽しみ部分がフォンとユー・ホアティエンの二役出演していたチェン・クンの美しさ!!!!

薄汚れたような役でもその造形の美しさは隠せないけれど、ユー・ホアティエン役の時みたいに本気を出されると溜息しか出ない。人間です?

こんな美しい宦官役見たことない・・・ 美しい冷酷な男は現実では会いたくはないけど、スクリーン上ではどうしてこんなに魅力的なんでしょうね。

この中世的な妖艶さよ・・・ 且つユー・ホアティエンとフォンでは纏う雰囲気が全く違ってそれも素晴らしいです。この映画は彼の美しさを堪能するだけでも見る価値があると思う~~

めくるめく宙を舞うアクションシーンと、美しい悪役で私は非常に楽しめる映画でした!そしてツイ・ハークの「剣」への思い入れを感じられて良かったです。

 

ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝が見れるのは・・・