【韓国映画】ある会社員 の感想 「会社員」と「仕事」の意味について考えさせられる・・・

「ある会社員」を見て、非常にアイロニカルな内容の映画だと思いました。と言ってもそんなことを考えないでソ・ジソプのアクションシーンや表情だけでも十分楽しめる映画です。しかし、U-NEXTで前から配信されてて見ようと思ってたんだけど、字幕と吹替のどっちも配信されてて、でも切り替え方が分からなかったんですけど、やっと分かって(ちなみにPCでは右上の歯車マークから変更できます)ちゃんと字幕で見ることが出来たのでした!嬉し!私は断然、字幕派です。吹替だと細かいニュアンスが分からないのがつまらないし、何より声がイメージに合わないことも多いですしね・・・

 

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ある会社で働いているチ・ヒョンド。表向きは普通の会社に見えるが、実は殺人を請け負っている会社で、彼はプロの殺し屋。「与えられる仕事だから」とただ淡々と人殺しを続けていたチ・ヒョンドが、フンの母親のミヨンに出会うことで感情を取り戻し、仕事に疑問を覚え始め、普通の幸せな生活を夢見るのだが・・・という感じの内容です。

韓国において『正社員で働く』ということはすごく大きな意味を持つのかな、と感じます。日本でもそうだとは思うんだけど、「バイト」と「会社員」の隔たりが非常に大きいのだなとドラマや映画での描かれ方を見て思います。仕事の内容は同じだったりするのに世間からの視線という意味で。

だからこそ会社員として「仕事」だと上から指示を受けたら、その内容が何であれ感情を殺してそれをこなす。この映画では「殺人」という一目で非合法だと分かる仕事だけれど、実は普通に上司に指示を受けている仕事が悪事に絶対に繋がらないと言い切れるのだろうか?まさに今、日本でもそれが起こっているのではないだろうか、なんて思ったりして。

「仕事」だからと思考停止で何でもやることの恐ろしさのようなものを感じたのです。例えば企業が得た利益である国の戦争を支援していることだってある。知らず知らずのうちにそれに加担している可能性だってある訳で。それだって遠まわしに殺人に加担していることになるのかもしれない。そこまでいかなくても、もっと小さな悪事でもそんなことがありそう。自分の仕事が何に繋がるのか考えずにやるというのはどこか恐ろしい。

チ・ヒョンドの仕事ほど極端ではないけれど、何も考えずにそんな仕事に加担してしまうと後戻りはとても難しい。映画でも最後の社内での銃撃戦のアクションはすごいけれど、どこかとてもとても悲しかった。

それにしても、ソ・ジソプの動きは美しい。筋肉が体の動きの美しさにつながる訳ではないということを、逃亡者PLAN Bで嫌というほど思い知った今はなおさらそう思う。彼の身のこなし、動き、表情すべてに目が釘付けになってしまう。映画を見ながらこんなことを思った。いつか会えることがあって(そんなことは無いけど勝手に妄想)どこが好きか聞かれたら絶対に「体の動き」って伝えるんだって。なんだそれって言われそうだー!笑

 

抑えた表情の間に少しずつ表れる笑顔に心が痛かった・・・ 幸せな結末なんて最初から想像していなかったけど、思った以上に切なかったです。アルバイト役のキム・ドンジュンも雰囲気があって意外と良かったし、上司のクァク・ドウォンも安定のうまさで見応えありでしたー!

 

ある会社員が見れるのは・・・


【韓国映画】ただ君だけ の感想 主役二人がとても良い!そしてカッコいいソ・ジソプが堪能できる~

良い。とてもカッコ良いソ・ジソプが見れる映画です。
目の見えない女、元ボクサー男、とそんな孤独な二人が出会ったら、男が命落として角膜を女にあげることになるとかなんじゃないの!!?という予想は良い意味で裏切られたので、ホッとしました。

 

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ハン・ヒョジュは今まで「良い」とは思ったことはあるのですが、「すごく良い」とは思ったことが無いんです。でもこの映画の彼女は薄いお化粧で、飾らない感じが素敵でした。目の見えないのも必死で生きているところもとても伝わってきたというか、そんな感じの演技でした。

ソ・ジソプを「あじょし」と呼ぶちょっと舌足らずな声が良かった。甘いけど、媚びは含まれてないのです。そして目が見えないことで卑屈にはならずに気丈に振る舞う姿はチョルミンでなくても心動かされてしまうかも。

「初めて声を聞いた時にいい人だと分かった」とジョンファがチョルミンに言うセリフが好き。人間の中身なんて隠せるものではなくて、きっとそんな風に表に表れてしまうもの。目が見えないからこそ、更に研ぎ澄まされた聴覚でそれをちゃんと感じ取るジョンファ。

ジョンファを愛し始めてからは圧倒的に純粋なまっすぐさで彼女を愛し守ろうとするチョルミン。ドラマをたくさん見て、いっぱいいい俳優さんがいるなあと思ってはいるんですけど、私にとってソ・ジソプってやっぱりちょっと特別かも。本当のご本人がどんな人が知りたいとかは無いんですけど、ドラマとか映画の中のソ・ジソプの表情って他の誰とも違って、本当に目が離せません。この映画でも、ジョンファを見る目、ちょっとした心の揺れなど、その表情のひとつひとつが魅力的です!!!!(力入った・・・)

賭博格闘技の試合の場面などもあり、結構暴力的なところもあるんで、苦手な方は要注意ですが、そこはまあ、生きるか死ぬかの迫力まではないかな・・・ 試合はやや予定調和感がありますが、でもなかなか激しいです。しかし、彼は体の使い方がうまいのだと思う。怪我をした時の体の動かし方などもかなりリアルで、完全に全身で演技をしていると思う!そんなところにも目を奪われます。

盲導犬にとチョルミンがあげたゴールデンレトリーバーが最後にはちょっとしたキーになったりもして、うまくまとめられてます。風景や犬などのそういう癒しの部分と、激しい闘いの部分と対比も描かれていたり、実は二人の関係には因縁があったりして切ないんだけど、でも二人の愛が暖かくてほっとしたり。

脇役陣もよく見る顔がたくさんのベテランで、安心感があります。主役の二人の演技も良いので、見て損はないかな!と思いました~

 

ただ君だけが見れるのは・・・




 

【韓国ドラマ】バリでの出来事 の感想 ドラマ全体を覆う閉塞感がすごかった・・・

バリでの出来事をやっと視聴終了しましたよ!
なんともかんともドラマ全体を覆う閉塞感で息が出来なくなりそうな気分で見ていました。登場人物のお金がある人も貧乏な人でも全員が感情が自由でなくて、ニッチもサッチもいかない感じがなんとも。しかし、そのどんどん深みにはまってしまう感じが反対に魅力のドラマでもありました。

 

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このドラマの存在を知ったのは、ファッション王を見た後に、ラストが一体どういうことだったんだー!と頭を抱えてしまって誰かどういうことか教えて!と見た方の感想をむさぼり読んだのですが、その時にファッション王がバリでの出来事に似ている、と書いている方が多かったのですよね。そしてその時にファッション王みたいなら見たくないなあと思って敬遠したまま時は過ぎ・・・
でも、ソ・ジソプが出てますからいつか見ようと思っていたら、今になりました。

結論から言うと、私はファッション王よりずっと面白かった!です。

ちなみに似ている点は下記のようなところかなと思います。

・主役のライバル同志の男性2人が貧乏な人と金持ちな人である。そしてどちらも貧乏なヒロインを好きになる恋のライバルでもあり、仕事上でもライバルである。
・金持ちの方の男性の父親が暴力的で息子は頭が上がらない。
・主役の女性が貧乏で、貧乏と金持ちの男2人の間で優柔不断である。
・最後に人が死ぬ。
・最初と最後の場面が外国(これは他のドラマでも多いけど)

でも、ファッション王が視聴者に解釈を任せるラストであるのに対し、バリでの出来事はしっかり結論が描かれていて、そこに至るまでの登場人物の心情も視聴者も理解できる形のストーリーとなっています。この違いは大きい!作品全体の出来を左右する!

カン・イヌクは、本当にスジョンを愛していたのだろうか?
スジョンを見つめているはずの場面で、カン・イヌクの目がまるで何も見ていないように感じて、その視線がスジョンを通り越して、貧乏で希望がない自分自身を同じような境遇の彼女に投影しているような気がした。そんな愛情のような自己愛のようなもの。

しかし、ソ・ジソプは手が本当に美しい。多分もうそれだけでも好きだ。

チョ・インソンが演じるチョン・ジェミンもとても強烈で、何でも手に入れられるはずの恵まれた境遇のはずなのに、どこか捨て犬のような目が素晴らしい。
彼の焦燥感は私の心までかき乱しました。

いやーしかしソ・ジソプとチョ・インソンがライバル関係というのは非常に見応えがありました。どちらも決して引けを取らない演技と迫力で最後までどうなるのか分からない展開を更に引き立たせていましたね。が、私はやっぱりカン・イヌクの底のない劣等感に惹かれてしまうかな。

そんな二人に愛されるスジョン役のハ・ジウォン。
このドラマの役柄については悪くはないけど、すごく良くも無いかな・・・と思ったのです。彼女は顔つきがキリっとしているせいなのか、メソメソ泣いたりするのが似合わない気がしてしまう。もう少し二人の間でフラフラと揺れる感情を弱々しく表現してくれる人の方が良かったかな・・・

それに対し、ヨンジュ役のパク・イェジンは金持ちの鼻もちならない女性が得意の役者さんなので、全く違和感なし。二兎を追って結局何も誰も手に入れられない彼女が悲しかったな。

 

ドラマを覆う閉塞感がすべてラストへ繋がっていく展開で、ああそうなるしか無かったよねと思いつつ、切なさもありつつ、でも決して視聴後の感触は悪くはないのでした。とはいえ、見るのにパワーが必要なちょっと疲れるドラマではありました・・・!

 

バリでの出来事が見れるのは・・・

【韓国ドラマ】幸せのレシピ ~愛言葉はメンドロントット 2話まで ソ・ジソプがカフェの店長役でカメオ出演してる~!

そういえば、幸せのレシピ ~愛言葉はメンドロントットにソ・ジソプが出てるという話は小耳にはさんだことはあったんです。

いつか見ようと思いつつ忘れていたんですが、Gyao!で配信が始まったのでとりあえず2話まで見たら、結構テンポも良くて楽しい感じ。
ユ・ヨンソクも普通な感じが良いし、カン・ソラはドリハイ2の時から実はちょっと苦手なんですが、このドラマでは自然な感じでいいかな、と違和感を感じずに見れています。

いちばん気に入ってるのは、ユ・ヨンソク演じるペク・ゴヌが、カン・ソラ演じるイ・ジョンジュを「ジョンジュや~」と呼ぶ声が優しいこと。
今はまだ恋人とかそういう関係でもないのだけど、とにかくその呼ぶ声が素敵なので、これから関係性が変わっていくにつれて呼ぶ声がまた変わっていくのだろうか?と期待してしまう~
今までユ・ヨンソクの声とか呼び方を気にしたことなんてないのですが、とにかくこのドラマでは呼ぶ声が良い!めっちゃピンポイントな注目点だ。自分でも謎です・・・

 

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そしてソ・ジソプがいきなり1話で出てきます。
もしかしてもう出番無いのかな?でもちょっと面白かったので記録~

確か脚本とかの制作が、主君の太陽と同じなので、その関係でカメオ出演してるんだと思うんですが、その設定を大いに利用してて、主君の太陽を見た人ならクスっとなること間違いなし。

済州島のカフェの店長なので、ちょっとナチュラルな感じで素敵です。
指も長くてやっぱり手が綺麗だな~

そして、主君の太陽で懐かしの「こじょっ」って言って消えろって手を振るしぐさがまたここでも見れる!わ~

そして日本語訳だと出てこないんだけど、韓国語だと「テヤン」という言葉が出て来て、これまた懐かしい~

ソ・ジソプ本人も演じながらちょっと笑っちゃってる感じが可愛い。
出演者も製作チームも楽しんでるのが伝わってきます。

 

ドラマのストーリーはまだ始まったばかりなので分からないけど、済州島の景色もとても綺麗で、一面の菜の花とか見てるとほのぼのします。
主役の二人もほのぼのした持ち味が出てて、このドラマに合ってるような。
ゆっくり楽しんで見て行きたいな、と思います!

 

 

幸せのレシピ ~愛言葉はメンドロントットが見れるのは・・・



 

【韓国映画】映画は映画だ の感想 ソ・ジソプの眼差しを思い切り堪能出来る映画なのです。

最近は、韓国ドラマに関しては沢山ドラマを見ていく過程で全体的になんとなくどんなドラマがあるかがちょっと分かるようになってきたところなんですが、韓国映画に関してはあまり見ていないので、知るきっかけとなるとっかかりがありません。もちろん好きな俳優さんが出てるのは見たいな~という気持ちはあるのですが、今のところそこまで手が回ってない^^;

なので、限られた本数から選ぶのが分かりやすいので、Gyao!で無料配信している映画で気になるのが無いかな~とたまにパトロールするのですが、そうしたらソ・ジソプが出ている「映画は映画だ」があるではありませんか!

これは見るしかありません~

 

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ソ・ジソプは、どんな貧乏でもお金持ちでもチンピラでも社長でもどれも素晴らしく演じてくれる俳優さん(だと私は思っている!)ですが、この映画ではその中でもはまり役と言えるヤクザを演じています。
黒いスーツと髭と鋭い眼光にゾクゾクします。ひー
いるだけでその存在感がすごい。

映画俳優役のカン・ジファンとひょんなことから映画に出ることになるヤクザ役のソ・ジソプのダブル主役という体で、最後の喧嘩のシーンも2人の姿に圧倒されるのだけれど、やっぱり役柄的にも完全に悲劇を背負っているガンペの方に肩入れしてしまう。最後のソ・ジソプ演じるガンペの眼差しはあまりにも印象的で夢に出て来そうでした。

映画は映画だ、そしてこれが俺の現実の世界だと突きつけられるような、自分自身に突き付けているような、なんとも言えない気分になるラストでした。

 

衣装のスーツも黒、会長と打つ碁の石もあくまでも黒なガンペに対し、スタは白をまといますが、光が無いと闇が無い訳で対称的な2人は全く違うようでいて、どこかそこまで完全に違うとも言い切れないような部分がそのせいで余計に際立つような気もします。

映画の中で映画を撮影、とかわざと色を対象的にするとかが少し皮肉っぽく感じて、そこは面白いな、と思ったり。

 

ただ、ちょっとだけ気になったのは、主役の男性二人のシーンに関しては、喧嘩や関わりにかなりこだわり気を使って撮影をしていると思ったのですが、女性と彼らのシーンが細やかでなくちょっと雑というか美しく見えないというかそんな気がしてしまったんですよね。あくまでもなんとなくなんですけども。

そして調べていたら、監督のチャン・フンは以前に見た義兄弟の監督でもあったみたいなんですよね。その映画もカン・ドンウォンとソン・ガンホの男性2人が主役なので、あーなるほどと思ったのが、男同士の友情や関係性などそういうのを描くのに重きを置いている監督なのかもしれないな・・・と思ったのです。だからどうしても男性同志のシーンに力が入って、それ以外はそこまで・・・って感じなのかもとなんとなく。
私なども男たちの挽歌の影響を受けているからなのか、そういう男同士の絆ものには弱いので、なるほど納得、気持ちは分かるんですけどね。とはいえ、美は細部に宿ると私は思ってたりするのでもったいない気持ちが少し。

 

最高!という訳ではないけれど、見応えがある部分もあって嫌いじゃないです。
ヤクザの兄弟分と映画ごっこをしようぜと殴り合いのフリをしている時のガンペの無邪気な表情のシーンとか、思い返してみると後から少しずつ胸が切なくなるような余韻が残る映画のような気がして来るのでした。

 

 

映画は映画だが見れるのは・・・