【韓国映画】The Wicth 魔女 の感想 起承転結の「転」で落石に巻き込まれて転げ落ちるような感覚!

これはもう久々にバチコーンと私の好みにバッチリはまる映画でしたよ!「The Wicth 魔女」です。超クールで最高でした。戦闘シーンの激しさとか血まみれ具合は悪女とかのが凄いんだけど、あの作品ももちろん面白かったけど好みという感じではあまり無かったんですよね。

この作品は何よりも起承転結の使い方がうまいんだと思う。余すところなくその「転」の機会を利用して視聴者の度肝を抜いて急展開っていう。あれは時間の流れを故意に変化させるという技術だなあ。前半と後半のスピード感が違うことで、後半の速度超過なノリにすっかり巻き込まれて連れていかれる感覚が非常に心地よいです。

マジ面白かったです!おススメ!超クール!

ヒロインのキム・ダミのク・ジャヨン役の演技は言わずもがな素晴らしいし、友人役のコ・ミンシも非常に良かったですよね。あのシスターフッド的なじゃれ合いの雰囲気が後半あんなことになるなんて誰が予想するでしょうか!!!それこそ画面の中のミョンヒの驚愕と見てる我々の驚愕がリンクして身代わりで表現してくれてるような気持ちになりましたな。

そしてミスター・チェ役で私の大好きパク・ヒスンが出演してました!出てるって知ってたらもっと早く見てたのに~という事でうれしいサプライズ。存分に胡散臭げな役で最高でした。

チェ・ウシクも演技上手なんだなあとこの映画で初めて理解しました。色んなドラマや映画で見ているけれど、いつもどの役もあまりに自然で反対に記憶に残らない感じがあったんですけど、そうかそれは演技が上手だからなんだなってとてもよく分かりました。こういう役まで自然に演じられると思ってなかったんで驚き。

そして、ラストの戦闘シーンの撮り方もいいですよね。あの頭をぶつけた壁がへこむような表現がどこか香港映画的なノリを感じさせてね。サイキックな要素が入ってるからその大袈裟な感じが超人的な実力を大袈裟に描く香港映画っぽさを感じさせたのかな?ともかくそういう意味でも好みだったんですよね。うーん。同じじゃなくて新しいんだけど、良いなあって思って見てましたよ~

あと最近、遺伝子操作とか人体実験的なテーマの作品よく見てる気がする。中国語ドラマだけど、マッドハウスとか。きっと時代の流れというのもあるけど禁断の領域に踏みこんでしまう人間というものの存在を描くのが興味深いのかもしれませんね。

終わり方もそうだし、パート1って出てたからこれは続編も制作予定なんでしょかね。そうだとしたら今から楽しみで仕方ないっす。次は絶対に映画館で見たいと思いますよ!

そしてパク・フンジョン監督の作品だったんですね。なるほど、新しき世界も好きだったしな。私はどちらかというと監督から映画を選ぶタイプではないのですが、この作品を見て、他の監督作品も全部見ようと思いました。どちらにしても「血闘」と「V.I.P. 修羅の獣たち」はそろそろ見ようと思ってる映画だった!彼の作品だったのか~ あと「隻眼の虎」も見てみようっと。

 

The Wicth 魔女が見れるのは・・・
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【韓国映画】復讐のトリック の感想 原作がビル・S・バリンジャーの小説「歯と爪」だそう

コ・ス主演の「復讐のトリック」を見ました~ アマプラで見れる期間が終わってしまうという事で駆け込みで見たのでした。

こちらの映画は原題が「석조저택 살인사건(石造邸宅殺人事件)」なのですが、邦題が「復讐のトリック」なんですね。私が推理小説やら、そういう映画やドラマを見過ぎのところもあって、復讐の「トリック」みたいなものが途中からなんとなく読めてしまった感じがあります。おそらく邦題にトリックという言葉が入っていることで、余計にそのトリックを探すという姿勢で見てしまったので尚更かもしれません。

そして、この作品はビル・S・バリンジャーの小説「歯と爪」を元にして、舞台を韓国に移した形で制作したようです。この作品は原作から無関係に見える二つのストーリーを平行して進んでいくカット・バックの手法を使っていて、小説の状態でも映画っぽいつくりなんだそう。その手法を映画の進行上でもそれをそのまま採用していて、裁判のシーンと、その前に起こった出来事のシーンが交互に挟まれて行きます。確かに映像作品だとその手法はよく見るけど、小説でどのように表現しているのか、ちょっと原作を読みたい気分になりますな!

そんな感じで私にとってはビックリするようなトリックとまでは行かなかったんですが、でも時代背景的な舞台設定なんかの雰囲気もレトロな感じで良かったのと、ナム・ドジン役のキム・ジュヒョクの悪人ぶりが素晴らしくて見てよかったなと思います。あとハヨン役のイム・ファヨンもキュートでした。キム課長のグァンスク!この時代のお洋服が似合ってました。

しかしながら、推理小説にも時代の流れがあって、現代ではDNA検査なども出来てしまうのでトリックとして成り立たないかも?だからこその時代設定なんだろうけど。他にも携帯電話の普及で、どこの公衆電話から連絡をしたかが肝になってる○○特急殺人事件みたいなのも無くなったんじゃないかなあ。これからも生活の前提条件が急速に変わってしまうのでしょうね~ 変化がめっちゃスピーディーですもんね。

 

復讐のトリックが見れるのは・・・




【韓国ドラマ】プランマン 〜恋のアラームが止まらない! の感想 チョン・ジェヨンはこういう役が似合う!

コメディーだろうと軽い気持ちで見たら結構良かった!ってな映画だったのが「プランマン 〜恋のアラームが止まらない! 」でございます。
深刻で重いテーマの映画も大好きだし、むしろ好んで見ることが多い気もするのだけど、いつでもそうだという訳でもなくて、ラブコメを見て楽しい気分になりたい~って気分の時ももちろんあるんだなあ。そんな時に見たんだけど、コメディー部分だけじゃなくって、じんわりとしちゃう部分もあって喜怒哀楽がドッカンと詰め込まれた良い映画でありました。

いやーしかし、チョン・ジェヨンに偏屈な男を演じさせたら最高ですね。あまりにもしっくり来過ぎる気がしちゃう感じ。今回のハン・ジョンソク役はすべてを計画通りに過ごすプランマンな男の役なんだけど、ハン・ジミン演じるユ・ソジョンに振り回されてどんどん予定が狂っていく姿が面白くてキュートなんですよ。

寝るときにクマちゃんを抱いてて、それはなんで?几帳面と関係あるの?と思ってたんですけど、計画通りに過ごす良い子でいようとする子どものままだったってことなんだろうな。彼がプランマンになった理由が明かされるシーンは思わず泣いてしまった!マジ~

図書館の仲間たちもハン・ジョンソクのことを変わり者扱いはしているんだけど、彼のそのままを受け止めてる感じが好ましかったです。彼が遅刻したら喜んだりとかどこか暖かい感じが良かったです。

あとはもちろん、ヒロインのハン・ジミンちゃんも可愛くてとっても良いです。ちょっと破天荒な女の子の役なのに彼女が演じるとそれでも品があってね、キュート。あと、歌手の役なので歌も披露してくれるんですけど、歌詞が独特で面白い歌なんだけど、なぜか耳に残る名曲?です。彼女の個性的な声もピッタリ合ってます。

人気プロデュースのカン・ビョンス役で出演してるチェ・ウォニョンもいい味出してます。既婚なことを隠してユ・ソジョンを弄ぶ悪い男なんですけど、良い感じに胡散臭いおっさん感が最高。ドラマでしか見たこと無かったけど、映画でも出てるんですね。

色々なエピソードを詰め込んだようで、最後も綺麗にまとまってすっきり楽しく見れた感じ。おうちで見てるとすぐに一時停止をして何か他のことを始めてしまう事もあるんだけど、この映画は一気に見ましたね!悪い人は痛い目を見て、メインキャスト達が分かりやすくハッピーエンドっていうのは定番だけど、ストーリー展開がうまいとそれもまた良しと思わせてくれますな~ 結構好きだったなあ。

 

プランマン 〜恋のアラームが止まらない!が見れるのは・・・



【韓国映画】チャンシルさんには福が多いね の感想 映画愛に溢れていて素敵でした!

「チャンシルさんには福が多いね」を見て来たんですよね。なかなか面白かったです。最近、韓国映画は女性監督の作品が増えてきているようで、日本にやって来た時に、女性監督の作品というだけで一括りにして紹介されるのはあんまり好きではないけれど、確かに最近見た中で「はちどり」とこの「チャンシルさんには福が多いね」に関しては、きっとご自分が経験して感じたであろう感情をこうも色鮮やかに再現してみせるというのはなんという才能なんだろうと感嘆したのであります。なので確かに自身の経験を投影したような作品作りは女性監督の方が得意なのかもしれないなあとは思う。もしくは、見てる自分が女性だから、表現されている感情に覚えがあるからそう感じるのかもしれない。そうだとしたら、それはそれで興味深いこと事実ですねえ!

そしてこの映画の面白かったところは、コメディータッチなので緩和はされてるけど、なかなか辛辣だったりするするところ。一番ぐはって笑ってしまったのは、チャンシルさんの父親からの手紙の追伸。「今までプロデューサーとして関わっていた映画は実際のところ、どこが良いか分からなくて眠くなりました」みたいなとこ。ここもだし、そもそも監督が死んで無職になったという設定もだし、なかなか皮肉が効いてる。長年に渡ってホン・サンス監督作のプロデューサーを務めてきたというキム・チョヒ監督なので、辞めた経緯とか詳しいことは知らないけど、なんとなく「察し・・・」みたいな気分にはなっちゃうね。ははは。

プロデューサーという立場の何者でもない感とか、その年ごろの女性の立場の微妙さとか苦しい気持ちの吐露もあるのだけど、タイトルにあるように実は生きていること自体がとても幸せなことだというのがしみじみと伝わってくるような感覚があって、見終わった後の感触がとてもいいのでした。まぶしいほどの光ではないけれど、夜道で彼女が持っていた懐中電灯のようなささやかな光のような希望を見た感じ。そう考えると、柿の木やら、躓いても転ばないところやら、その懐中電灯やら、細部まで気を配って作られた映画だなと思うのでした。

あと、脳内レスリー・チャンという存在も突拍子も無いようで、チャンシルさんのイメージにしっくり来てて良かったですね。レスリー・チャンはああいうランニングシャツのイメージの人が大半なのかもなあ。私にとっての彼は覇王別姫の程蝶衣のイメージが強いので、ああそうなのだなあと思いながら見ていました。亡くなってからもう17年も経つんですねえ・・・

まあそれは置いといて、ああいう存在を作り出せるのも監督が映画を好きだからこそで、小津安二郎の作品の話も出てきましたが、それだけ好きなものがあるということは、実はとても幸福なことなのだなと思ったのでした。捨てようとした本をもう一度部屋に戻すところも良かったですね。一度手放して、でも心の中に出来た空白にやっぱり好きだともう一度取り戻すという選択が素敵だった。ずっと握りしめたままだと気づかない気持ち。

そうやって、監督が再確認したであろう映画愛が溢れた作品なのでした。だからかな、自分の中にある映画を好きな気持ちにも触れることが出来た感覚があって、それがすごく幸せな気持ちをくれたような気がしたのでした!

 

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【韓国映画】メタモルフォーゼ 変身 の感想 憑依だけじゃなく擬態も出来ちゃう!

「メタモルフォーゼ 変身」を見ましたよ~ エクソシストものなんですが、私はあんまりこのタイプの映画を見たことが無くてですねえ。そもそもの概念が分からない部分が多いかもしれないです。このジャンルで他に見たのって、ディヴァイン・フューリー 使者くらいだしなあ。あの時も「ほ~こんな感じなのか」と思ったねえ。

ところで、悪魔?悪霊ってのは、だいたいの作品で描かれる場合には、人に憑依するというのが定石だと思うんですが、この映画の場合はタイトルにもあるように、憑依するだけじゃなくて、変身して擬態することも出来ちゃうんですよね。なので、取りつかなくてもその人に成りすます能力もあるし、なんでも出来ちゃう悪霊な訳ですよ。そして、遠隔で車の事故を起こしさせたりもしてたんで、映画を見ている途中で「そんなまどろっこしい殺し方をしなくてもそれだけ能力があれば、皆殺しとか簡単に出来るんじゃ?」なんて身も蓋も無いことを思っちゃったんだなあ。なので、何でもありも嫌いじゃないけど、それならもっと突き抜けてて欲しいし、そうじゃないんだったらやはり制限された条件の中でのギリギリの攻防を見たいなと思ってしまうだなあ。

映画としてはまあそうなんだけど、私は、キリスト教(カトリック?)にも、エクソシストものにも明るくないので、そもそも悪霊とか悪魔ってなんなんだろう?という基本的な事柄について見ながら色々考えてしまったんですよねえ。そもそも悪魔はどうして人間を狙うのかな?神VS悪魔じゃないんですか?神様とは戦わないの?全然その道理がわからないです・・・ううむ。難しい。

あと凄く思ったのは、こういう映画はやはり音がすごく重要な位置を占めてるなあってこと。映像的に怖いと思う部分は無かったんですけど(むしろ血を吐く量が多すぎて、時間も長すぎて、ツボにハマって笑いがこみ上げて大変だった!)、音で驚くシーンが結構あって、そういうドキドキはありました。以前、「ようこそ映画音響の世界へ」を見たから映画を見る際に音響について意識的になってそう思うのかもしれないな~!

それにしても色々とよくわからん部分が多かった。引っ越し先の怪しい隣人が、以前ジュンスが救えなかった娘の父親だったのは分かったけど、悪霊が妻に乗り移ってる時にその人のことを殺したんだよね?じゃあ隣人になりすました悪魔自身があの動物の生贄とかを殺して飾ったの?悪魔自身が悪魔崇拝をするもんかな?あとはジュンスになりすましてたけど、司祭になりすますのも可能なんですかね?とか。ペク・ユンシクが演じたバルタザール神父は一体なんだったん?色々と状況説明のために使われてるように見えてしまって違和感がちょっとあったかもなあ・・・

そして本当に全然ストーリーとは関係ないですが、刑事ものを見慣れてる私は、ああいう変死体があったら、どういう事件として処理されるんだろうと考えてしまった!そして劇中、隣人が発する「音」に関しては非常に敏感に対応してたけど、それよりも匂いが凄かったんじゃないかと思ってしまうんだけど、そこは触れられてないのもちょっと不自然な気がしちゃったな。

まあとはいえ、きっとタイトルの「変身」という意に含まれるであろう、あの家族たちが本性を現した姿というのは素晴らしい演技でめちゃ怖かったです。得体のしれない悪魔という存在よりも人間の中に巣食う悪魔の存在の方が興味深く感じてしまうのかもしれない。

そして、ラストのジュンスのあの自己犠牲は、実は自己救済なんだろうな。誰かを救うことができたという事が彼には必要だったのでしょうか・・・

 

メタモルフォーゼ 変身が見れるのは・・・